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揚げ物油の種類とおすすめ、てんぷらやフライに合う油は?


はじめに
揚げ物料理といえばてんぷら料理の他、とんかつ、串カツなどのフライ料理が定番ですが、それぞれの料理に適した油というのがあります。そこでここではてんぷらやフライに合う油について見て行くことにします。


てんぷらに適した油は
てんぷら油といえばてんぷら油やサラダ油、ごま油などが代表的なものです。このうちてんぷら油とサラダ油は菜種油や大豆油などを混合して作られており、どちらも製法にそれほど差はなくカロリーもほとんど変わりません。しいて違いをあげるならサラダ油はてんぷら油から低温で固まる成分を取り除いたものです。

サラダ油やてんぷら油の菜種油や大豆油の配合割合はメーカーごとに異なり、また菜種油や大豆油以外の油を加えていたりと、メーカーごとに特色がことなります。サラダ油もてんぷら油も油の精製度が高いので、油の切れがいいのが特徴です。てんぷらは軽くからりと上がったものほどおいしく仕上がります。このため切れのいい油というのはてんぷらには適しているのです。通常の揚げ物ならサラダ油で十分でしょう。


サラダ油はドレッシング用に開発
サラダ油は非常に精製度の高い食用油で透明でさっぱりとした食感で、サラダにかけるドレッシング用の油として開発されました。冷えても色が濁らずさっぱりとした食感が持続します。


本格使用ならごま油を
ごま油は特有の香り、風味、コクが特徴で本格的なてんぷらを作るなら好んで用いられてきた油です。うまみも深まりころもにもほんのりときつね色がかかります。本格的なプロ仕様のてんぷらに挑戦してみたいならごま油も選択肢の一つです。ただしごま油にも難点があり、そのコクや香り、風味を残すために精製度が低く抑えれていて、油の切れが悪いという問題があります。これではてんぷらの味の決め手となる軽くからりとした仕上がりにはならず、油が残ってくどいてんぷらとなってしまいます。


サラダ油とごま油を掛け合わせる
ではサラダ油のようにさらっとした仕上がりでかつ、ごま油のコクや風味もつけたいならどうすればいいのでしょうか。それなら両者を混ぜ合わせて使うといいです。まぜる比率はサラダ油1に対してごま油3〜8割程度です。だいぶ幅がありますが、江戸前のてんぷらのように香ばしくて味を濃く仕上げたいならごま油は多めにし、関西風のさっぱりとして白っぽく仕上げたいならごま油の比率は抑えるといいでしょう。


油の種類と融点について
融点とは固体が融解して液体へと変わる温度のことで、融点が低いほど低い温度でも液体のままで固まりにくくなります。サラダ油やごま油、オリーブ油などの植物油に含まれる油は融点の低いオレイン酸(融点:-14℃)やリノール酸(融点:-9℃)といった不飽和脂肪酸が多く含まれます。植物油は低い温度でもサラサラなのでからりと仕上げるてんぷらには向いています。

一方豚の油であるラードや牛の油であるヘットなどの動物油脂には融点の高い飽和脂肪酸であるパルミチン酸(融点:64℃)やステアリン酸(融点:69℃)が多く含まれます。もしラードやヘットでてんぷらを揚げるとあげた直後はともかく、時間がたって冷めてくると油が白くなって固まります。固まった油でころももしっとりと重くなってしまいます。これではとても食べれたものではありません。


フライにはヘットやラードを
ラードの融点は28〜40℃ほどで、ヘット融点は40〜50℃ほどです。このように融点が高い動物油脂はてんぷらには向いてはいませんが、とんかつやコロッケなどのフライにはむしろ好んで使われることが多いです。まずフライは固いパン粉で覆われていて、油で揚げると外側はパリパリを通り越して口に突き刺さるほどのかたさを感じることがあります。これでは食感もよくありません。

フライで使う油にラードやヘットなどの油脂を混ぜると、あげてから冷めるにしたがいパン粉の周りで油が固まり、油とわずかな水分とパン粉がなじみあって、しっとりとして柔らかい食感になります。このしっとりとした食感を出すにはむしろヘットやラードのほうが適しているのです。フライが少々時間がたってもおいしく食べれるのもこのためです。

フライ料理でも白身魚やエビなどあっさりとした食材の場合は、からりとした衣が好まれるので植物油であげられるのが普通です。


まとめ
揚げ物と一口にいっても料理のバリエーションは多く、てんぷらやフライなど料理によって適した油も異なります。てんぷらで油切れがよくからりとした衣に仕上げたいならてんぷら油、サラダ油にごま油を混ぜたものを使うといいでしょう。油の切れもよく、ごま油のコクや風味もいかせます。

フライ料理では衣はパリパリとした食感よりもしっとりとした方が好まれます。このため揚げ油にはラードやヘットなどの動物油脂を加えるといいでしょう。常温で固まりやすいこれらの油を使うことで、衣が冷めてくると油が固まりしっとりとした食感になります。




※ 参考文献
なるほどなっとく!おいしい料理には科学がある大事典
新装版「こつ」の科学 調理の疑問に答える


公開日 2016/10/05
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