HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > ピーマンの冷凍保存、生、茹で、レンジのどれが正解なのかを検証してみた
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ピーマンは冷凍保存しておくことで、鮮度を維持したまま長期保存が可能です。ただ冷凍保存は生のまま冷凍保存するのか、茹でてから冷凍保存するのか、レンジで加熱してから冷凍保存するのか、どれがいいのかよくわからないという方も多いかと思います。
そこで今回は実際にそれぞれの方法で保存してみて、どう違うのかを検証してみることにします。
それではピーマンの冷凍保存の仕方を解説します。ちなみにピーマンは冷凍保存しておけば1か月は保存が可能です。まずはピーマンを半分にカットし、へたと種を取り除きます。
次にピーマンを細切りにしたら、これをそのまま冷凍用保存袋に入れ、金属トレイを下にしいてから冷凍保存します。
もう一つはピーマンをゆでてから冷凍保存します。こちらもピーマンを細切りにします。
鍋に水を入れて沸騰したらピーマンを入れ、1分ほど茹でます。
こちらが茹でたピーマンです。
ざるに上げてから冷めるまで待ち、キッチンペーパーで軽く水けをふき取り、冷凍用保存袋に入れます。金属トレイを下に敷いてから冷凍保存します。
もう一つはピーマンをレンジで加熱してから冷凍保存します。こちらもピーマンを細切りにします。これを耐熱容器に入れ、ラップをしてレンジにかけます。
加熱時間はピーマン100gなら600Wで1分30秒、500Wなら1分50秒加熱します。加熱する時間はピーマンの量によって加減します。例えばピーマン200gなら600Wで3分、500Wなら3分40秒になります。
こちらがレンジで加熱したピーマンです。
ざるに上げてから冷めるまで待ち、キッチンペーパーで軽く水けをふき取り、冷凍用保存袋に入れます。金属トレイを下に敷いてから冷凍保存します。
それでは冷凍したピーマンを実際に解凍してみることにします。茹でたピーマンとレンジで加熱したピーマンは流水解凍で、生のピーマンは氷水解凍します。
なぜ生のピーマンだけ氷水解凍なのかというと、生のピーマンの場合酵素などの影響を受けて10度以上で解凍すると鮮度が落ちやすいからです。
詳しくは冷凍ピーマンの解凍方法、自然解凍、流水解凍、氷水解凍のどれがいいのか検証してみたで解説しています。
では実際に生のピーマンを氷水解凍してみることにします。まずはこちらが冷凍した生のピーマンです。
これをポリ袋に入れて氷水解凍します。ポリ袋に入れる際はなるべく中の空気を抜いたほうが、ピーマンが水に触れる面が増え、その分解凍時間も短くなります。
この時ストローがあると便利です。ストローをこのようにポリ袋の中に入れ、吸ったときに中に空気が入らないように、ポリ袋をしぼめて指でギュッと押さえます。
あとはストローで中の空気を吸いだします。2、3回吸うのを繰り返すとしっかりと空気を抜けます。あとは指で押さえたままさっとストローを抜きます。
ポリ袋をねじってからしっかりと締めます。これでこのように密閉することができます。
容器に水を入れ氷を加えて冷やしてから生のピーマンをポリ袋に入れたまま浸けます。
ピーマンが浮いてこないように、上から皿などをのせておくのもいいです。
解凍するとこのようになります。シャキッとした食感はありますが、若干水っぽいです。味は結構薄味に感じます。
並べるとこんな感じです。左は冷凍する前の生のピーマンです。真ん中は冷凍した生のピーマン、右は冷凍して氷水解凍した生のピーマンです。
生のブロッコリーもいったん冷凍してから解凍すると、見た目は少し茹でたピーマンのようにしなっとした感じになっています。
つぎは冷凍した茹でたピーマンを流水解凍します。まずはこちらが冷凍した茹でたピーマンです。
この冷凍の茹でたピーマンをポリ袋に入れ、容器に入れて上から水を垂らし続けます。これで10分ほど置いておけば解凍できます。解凍は触ってみて柔らかくなってるかどうかで判断します。
こちらが流水解凍した茹でたピーマンです。食べた感想はシャキッとした食感もあり、水っぽい感じもしません。味もしっかりとピーマンの味がします。
並べるとこんな感じです。左は冷凍する前の茹でたピーマンです。真ん中は冷凍した茹でたピーマン、右は冷凍して流水解凍した茹でたピーマンです。
並べてみると、こちらも冷凍する前と冷凍してから解凍した後で、見た目にそこまで大きな差は見られません。
最後に冷凍したレンジにかけたピーマンを流水解凍します。こちらが冷凍したレンジにかけたピーマンです。
こちらも茹でたピーマンと同じようにポリ袋に入れてボウルなどに入れ、上から水を垂らし続けます。こちらも10分ほどで解凍できます。
こちらが流水解凍したものです。食べた感想はこちらもしっかりとシャキッとした食感があり、水っぽさもありません。味は茹でた物よりもより一層ピーマンの味が濃厚でした。
並べるとこんな感じです。左は冷凍する前のレンジにかけたピーマンです。真ん中は冷凍したレンジにかけたピーマンで、右は冷凍して流水解凍したレンジにかけたピーマンです。
こちらは冷凍する前と比べると、解凍したものは少ししなっとした見た目になっています。
3つのやり方で冷凍したピーマンを流水・氷水解凍してみましたが、見た目はレンジにかけたものが少ししなっとしている感じがします。
ただ食べ比べてみた感想は茹でたピーマンもレンジにかけたピーマンもシャキっとした食感でした。生のピーマンも食感はシャキッとしていたのですが、少し水っぽい感じがしました。
味に関してはレンジにかけたものが最もピーマンの味が濃厚で、ついで茹でたピーマン、最も薄味になっていたのが生のピーマンでした。
なのでしっかりとピーマンの味を味わいたいなら、レンジで加熱したピーマンを冷凍するのをおすすめします。ピーマンの味が苦手な方は、むしろ薄味になっている生のピーマンを冷凍したものの方が食べやすいかもしれません。
今度は冷凍したピーマンを冷凍のまま加熱解凍します。まずは冷凍した生のピーマンです。フライパンに冷凍した生のピーマンを入れて火にかけます。焦げないように中火で加熱しました。
こちらがフライパンで加熱解凍した生のピーマンです。こちらは氷水解凍した生のピーマンよりも少し食感がしゃきっとしています。
加熱することで水分が飛んで少し水っぽさも改善しています。またピーマンの味も少し濃くなっています。
並べてみるとこんな感じです。左は生のピーマンで、真ん中は氷水解凍した生のピーマン、右は加熱解凍した生のピーマンです。見た限りでは解凍後もそこまで大きな違いは見られません。
次は冷凍した茹でたピーマンを加熱解凍します。生のピーマンの時と同様フライパンに入れ、中火で炒めます。
こちらが炒めた茹でたピーマンです。ハリやシャキシャキ感もしっかりとあります。味に関しては流水解凍したものよりもさらに味が濃くなっている感じがしました。
並べてみるとこんな感じです。左は生の茹でたピーマンで、真ん中は流水解凍した茹でたピーマン、右は加熱解凍した茹でたピーマンです。
炒めたことで火が通って少し色は変わっていますが、ハリやみずみずしさに関してはそれほど差はなさそうです。
今度は冷凍したレンジで加熱したピーマンを加熱解凍します。こちらもフライパンに入れ、中火で炒めます。
こちらが炒めたレンジで加熱したピーマンです。こちらもハリやシャキシャキ感はしっかりとあります。味は流水解凍したものも濃厚でしたが、こちらはさらに濃厚な感じがします。
並べてみるとこんな感じです。左はレンジで加熱したピーマンで、真ん中は流水解凍したレンジで加熱したピーマン、右は加熱解凍したレンジで加熱したピーマンです。
炒めることで少し色味は変わっています。ハリに関してはそこまで差はなさそうです。
3つのやり方で冷凍したピーマンを加熱解凍してみました。以下の画像でわかる通り、こちらも見た目に関してはレンジで加熱したものが少ししなっとしている感じがします。
食感に関しては、どの方法で冷凍したものでも比較的シャキッとした食感がありました。ただこちらも生のピーマンは少し水っぽい感じがしました。
味はレンジで加熱したピーマンが最も濃厚で、ついで茹でたピーマン、薄味だったのは生のピーマンでした。
加熱調理で使う場合でもやはりしっかりとしたピーマンの味を味わいたいならレンジで加熱したピーマンがおすすめです。ピーマンの味が苦手な方は薄味な生のピーマンでもいいかもしれません。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
それでは冷凍したピーマンの細切りを使ったレシピを一つを紹介します。今回はピーマンのトマトケチャップ炒めです。使う材料は以下の通りです。
まずは厚切りベーコンを細切りピーマンと同じ太さにカットします。
次にフライパンにオリーブ油を引いてから熱し、ベーコンを加えて色が変わってくるまで炒めます。
次いでピーマンも加えて炒めます。
調味料も加えてよく炒め合わせたら火を止め、粉チーズをふりかければ完成です。
次はピーマンと厚揚げのみそ炒めを紹介します。使う材料は以下の通りです。
まずは厚揚げを沸騰したお湯に2分ほど付けて油抜きをします。少し冷ましてから手で一口大にちぎります。
つぎにボウルに調味料Aの材料を入れ、よく混ぜ合わせておきます。
フライパンにごま油をひいて強火にかけ、厚揚げを入れて炒めます。
焼き色がついてきたらピーマンを加えて炒めます。
ピーマンが少ししんなりしてきたらボウルに入れておいた調味料Aを加えて炒め合わせます。全体によくなじんだら出来上がりです。
今回はピーマンを冷凍するなら生のままと茹でた物、レンジで加熱した物のどれがいいのかを検証してみました。流水解凍、氷水解凍して使う場合でも加熱調理で直接冷凍のまま使う場合でも、味に関してはレンジで加熱してから冷凍したものの方がよかったです。
生のまま冷凍したにんじんは流水解凍の際も加熱解凍の際も、やや水っぽい食感があり、また味も茹でた物やレンジで加熱したものよりも薄味になってしまいました。
ピーマンの味が苦手で薄味の方がいい方ならいいかもしれませんが、そうでないならレンジで加熱してから冷凍することをおすすめします。