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冷凍ブロッコリーの解凍方法、自然解凍、流水解凍、氷水解凍のどれがいいのか検証してみた


冷凍ブロッコリーを自然、流水、氷水解凍

はじめに

ブロッコリーは冷凍保存しておくことで、鮮度を維持したまま長期保存が可能です。ただ使う際は上手に解凍しないと、食感や味の低下にもつながってしまいます。

そこで今回はブロッコリーを自然解凍と流水解凍、氷水解凍してみて、どの方法が最も効果的なのかを検証していくことにします。

茹でたブロッコリーを冷凍保存する

ブロッコリーを茹でて冷凍保存する

今回はいったん茹でてから冷凍したブロッコリーと生のブロッコリーの2種類で、それぞれ解凍方法を実践してみることにします。まずは茹でたブロッコリーです。

ブロッコリーをよく洗っておきます。このようにボウルに水をためブロッコリーの蕾部分を浸してよくゆすぎます。こうすることで間の汚れやゴミなどを落とすことができます。

ブロッコリーを水に浸けてよくゆすぐ

次はブロッコリーを太い芯から切り離し、つぼみを食べやすい大きさにカットします。

ブロッコリーを茎とつぼみに切り分ける

次に鍋に水を入れて水1リットルに対して塩を大さじ1入れて火にかけます。沸騰したらカットしたブロッコリーを加え、3分ほど茹でたらさっとざるに取り出します。

ブロッコリーを茹でる

こちらが茹でたブロッコリーです。

茹でたブロッコリー

ブロッコリーが冷めるまで待ったらキッチンペーパーで軽く水けをふき、冷凍用保存袋に入れて冷凍保存します。そのまま2週間ほど冷凍保存します。

茹でたブロッコリーを保存袋に入れて冷凍保存

ちなみに冷凍用保存袋に入れる場合は、このようにストローが入る隙間をあけてストローを差し込み、ストローを吸って中の空気を吸い込みます。

冷凍用保存袋に隙間にストローを差し込む

空気が再び入らないようにさっとストローを抜いて、ジッパーをしめて密閉します。

するとこのように簡単にしっかりと袋を密閉することができます。密閉した方が熱伝導率が高くなるので、より早く冷凍でき鮮度を維持することができます。

冷凍用保存袋に入れて密封したブロッコリー

冷凍した茹でたブロッコリー

こちらが冷凍した茹でたブロッコリーです。

冷凍した茹でたブロッコリー

冷凍した茹でたブロッコリーを自然解凍する

冷凍した茹でたブロッコリーを冷蔵庫で自然解凍

それでは冷凍した茹でたブロッコリーを実際に解凍してみることにします。まずは冷蔵庫に移して1日ほど置いておき、低温下で自然解凍します。

解凍するとこのようになります。思ったほど水けは出ていませんが、ややしなっとした見た目になっています。

自然解凍した冷凍した茹でたブロッコリー

並べるとこんな感じです。左は茹でたブロッコリーで、真ん中は冷凍したもの、右は冷凍してから解凍したものです。並べるとややしなっとしているのがわかるかと思います。

茹でたブロッコリーと冷凍したものと自然解凍したものを比較

食べた感想

食べて見たところ、食感はややしなっとした食感ですが、つぼみもしっとりとして柔らかく、これはこれで美味しいです。味もブロッコリーの風味や甘みがしっかりあります。

冷凍した茹でたブロッコリーを流水解凍

冷凍した茹でたブロッコリーを流水解凍

今度は冷凍した茹でたブロッコリーを流水解凍します。まずは冷凍した茹でたブロッコリーをポリ袋に入れて口をしめます。

ちなみに袋に入れる際はストローなどを使って中の空気を抜いておくといいです。こうするとブロッコリーが水に当たる面積も増え、解凍時間を短縮できます。

冷凍したブロッコリーを袋に入れて密封する

これをボウルやパッドなどに入れて、上から水を流します。水がたまったら蛇口をしめて少量だけたらし続けます。水は空気の20倍ほどの熱伝導率があるので、水に浸けたほうが早く解凍できます。さらに水をたらし続けて水を動かすことでより早く解凍できます。

冷凍ブロッコリーを流水解凍

解凍できたかどうかは袋の上から触ってみて、柔らかくなってるかどうかで判断します。

今回は水温は15度ほどで、この状態で18分ほどで解凍できました。

流水解凍した冷凍した茹でたブロッコリー

並べるとこんな感じです。左は茹でたブロッコリーで、真ん中は自然解凍した茹でたブロッコリー、右は流水解凍した茹でたブロッコリーです。見た目的には自然解凍したものも流水解凍したものもそんなに差はないです。

茹でたブロッコリーと冷凍して自然解凍、流水解凍したものを比較

食べた感想

食べて見たところ自然解凍したものに比べると若干食感がしゃきっとしている感じはしますが、そんなに大きな違いはありませんでした。味も特に大きな違いはありません。

流水解凍のほうが鮮度がいい理由

冷凍食品は解凍の際に細胞が壊れて、うまみや水分が流出しやすい時間帯があるそうです。それは解凍中に氷結晶が大きくなりやすいマイナス5度からマイナス1度の間と、酵素反応が起きやすい10度から40度の間です。

解凍温度とダメージの出やすい温度帯の図

上手に解凍するには-5度から-1度の温度帯を早く通過し、さらに10度未満の温度にとどめておくことが大切です。

冷蔵庫での自然解凍だと低温でゆっくり解凍するので、-5度〜-1度の温度帯にとどまる時間も長くなってしまいます。なので自然解凍した茹でたブロッコリーも若干しなっとした食感になったのだと思います。

一方流水解凍だと、水に浸けることで素早く解凍が進み、野菜がダメージを受ける温度帯にとどまる時間も短くて済みます。その結果冷蔵庫での自然解凍よりも若干ですがシャキっとした食感が維持てきていたのだと考えられます。

冷凍した茹でたブロッコリーを氷水解凍

冷凍した茹でたブロッコリーを氷水解凍

次は冷凍した茹でたブロッコリーを氷水解凍してみます。まずは茹でたブロッコリーをポリ袋に入れて口をしめます。これをボウルかパッドに入れて水を注ぎます。

さらに氷を加えて水温を下げます。ちなみにこの時の温度は1.4度でした。

冷凍ブロッコリーを氷水解凍

このまま解凍するまで待ちます。途中氷が減ってきたらその都度氷を足します。今回は1時間と30分ほどで解凍できました。

氷水解凍した冷凍した茹でたブロッコリー

並べるとこんな感じです。左上は茹でたブロッコリーで右上は自然解凍したもの、左下は流水解凍したもので右下は氷水解凍したものです。見た目的には自然解凍、流水解凍、氷水解凍でそんなに差は見られません。

茹でたブロッコリーと冷凍して自然解凍、流水解凍、氷水解凍したものを比較

食べた感想

食べて見たところシャキッとした食感ですが、流水解凍したものと大きな差はありませんでした。味も流水解凍したものと変わりはありませんでした。

自然解凍、流水解凍、氷水解凍した茹でたブロッコリーの味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。

自然解凍、流水解凍、氷水解凍した茹でたブロッコリーの味や食感の違い

流水解凍とそれほど差がなかった理由

氷水解凍なら解凍後も1度前後と低い温度を保っているので、酵素反応が起きやすい10度を超えることもありません。ただ酵素反応は冷凍する前に茹でて加熱調理したり、調味料につけることで押さえることができます。

今回は茹でたブロッコリーだったので、10度を超えてしまうような流水解凍でもそれほど影響を受けなかったと考えられます。そのため氷水解凍した場合と流水解凍した場合で大きな差が出なかったのでしょう。

冷凍した生のブロッコリーを解凍

冷凍した生のブロッコリーを冷蔵庫で自然解凍

今度は冷凍した生のブロッコリーで自然解凍、流水解凍、氷水解凍での違いを検証してみることにします。まずは自然解凍です。こちらは自然解凍した冷凍した生のブロッコリーです。見た目は茹でたものに比べると大分しっかりとしています。

自然解凍した冷凍した生のブロッコリー

たただ食べて見るとシャキシャキ感がかなりあり、火が通ってない感じがしっかりあっておいしくないです。また味の方も青っぽさが大分あり、甘みがあっておいしい茹でたものと比べると全然おいしくないです。

冷凍した生のブロッコリーを流水解凍

次は冷凍した生のブロッコリーを流水解凍します。この時の水温は15度ほどでした。

こちらは流水解凍したものですが、自然解凍したものよりも若干シャキシャキ感がある感じがしますが、こちらも自然解凍と同様、味も食感もよくないです。

流水解凍した冷凍した生のブロッコリー

冷凍した生のブロッコリーを氷水解凍

最後に冷凍した生のブロッコリーを氷水解凍します。ちなみにこの時の水温は1.4度でした。

氷水解凍したものも流水解凍したものとほとんど差はなく、味、食感ともにおいしくなかったです。

氷水解凍した冷凍した生のブロッコリー

並べてみるとこんな感じです。左上は生のブロッコリーで、右上は自然解凍したもの、左下は流水解凍したもので、右下は氷水解凍したものです。解凍の違いによる見た目の差はあまりありません。

生のブロッコリーと冷凍して自然解凍、流水解凍、氷水解凍したものを比較

生のブロッコリーの場合、食感自体は多少流水解凍したものと氷水解凍したものがよかったですが、それでも味や食感は茹でたものに比べると全然落ちます。

自然解凍、流水解凍、氷水解凍した生のブロッコリーの味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。

自然解凍、流水解凍、氷水解凍した生のブロッコリーの味や食感の違い

ブロッコリーの冷凍は茹でたほうがいいのかレンジの方がいいのか、それとも生の方がいいのかについてはブロッコリーの冷凍保存、生、茹で、レンジのどれが正解なのかを検証してみたでも詳しく解説しています。

ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。

解凍したブロッコリーを使ったレシピ

ブロッコリーのツナサラダ

ブロッコリーのツナサラダ

それでは冷凍したブロッコリーを使ったレシピをいくつか紹介します。今回紹介するのはブロッコリーのツナサラダです。使う材料は以下の通りです。

ちなみに茹でたブロッコリーを冷凍したものと、レンジで加熱したブロッコリーを冷凍したものをそれぞれを使って作ってみて両者の味の違いも検証しています。

レシピ(4人前)
  • ブロッコリー … 250g
  • たまねぎ … 1/2個
  • にんじん … 長さ5cm分
  • ツナ缶 … 1缶(140g)
  • 白すりごま … 大さじ4
  • マヨネーズ … 大さじ6

つぎににんじんを薄く短冊切りにします。

にんじんを短冊切りに

たまねぎはスライスして水に5分ほどさらして辛味を抜きます。

スライスしたたまねぎを水にさらして辛味抜き

ボウルに解凍したブロッコリーとたまねぎ、にんじんとツナを入れます。白すりごまとマヨネーズも加えます。

ボウルに具材を入れる

あとはしっかりと混ぜ合わせれば出来上がりです。

具材を混ぜ合わせる

茹でてから冷凍したブロッコリーの方はブロッコリーの甘みもありおいしかったです。

冷凍した茹でたブロッコリーを使ったツナサラダ

レンジで加熱してから冷凍したブロッコリーの方もブロッコリーの濃厚な味があってこちらもおいしかったです。

冷凍したレンジで加熱したブロッコリーを使ったツナサラダ

並べるとこんな感じです。味の特徴は両者でだいぶ違いましたが、どちらもおいしかったです。

冷凍した茹でたブロッコリーとレンジで加熱したブロッコリーを使ったツナサラダを比較

豚肉とブロッコリーのバター醤油炒め

豚肉とブロッコリーのバター醤油炒め

次は豚肉とブロッコリーのバター醤油炒めを紹介します。使う材料は以下の通りです。

ちなみに茹でたブロッコリーを冷凍したものと、レンジで加熱したブロッコリーを冷凍したものをそれぞれを使って作ってみて両者の味の違いも検証しています。

レシピ(3人分)
  • ブロッコリー … 200g
  • 豚バラ肉 … 200g
  • たまねぎ … 1/2個
  • にんにく … 1片
  • サラダ油 … 大さじ1/2
  • 塩・こしょう … 少々
  • 調味料
    • しょうゆ … 大さじ1と1/2
    • 酒 … 大さじ1
    • みりん … 大さじ1
    • バター … 10g

まずは豚バラ肉を食べやすい大きさにカットして塩と胡椒をさっとふりかけます。

豚バラ肉をカットして塩、こしょうを振りかける

たまねぎはくし切りにします。

たまねぎをくし切りに

にんにくはみじん切りにします。ブロッコリーは冷凍したものを使う場合はそのまま、生のものを使う場合は食べやすい大きさにカットしてから3分ほど熱湯で下茹でしたものを使います。

にんにくをみじん切りに

鍋に油大さじ1/2を引いてみじん切りにしたにんにくを加え、弱火で香りが出るまで炒めたら、豚肉とたまねぎを加えて中火で炒めます。

豚肉とたまねぎを加えて炒める

豚肉にしっかりと火が通ったら、ブロッコリーも加えて炒めます。

ブロッコリーを加えて炒める

ブロッコリーにも火が通ったら、しょう油大さじ1と1/2、酒大さじ1、みりん大さじ1、バター10gを加えてよく炒めあわせます。しっかりと味がなじんだら火を止めて出来上がりです。

調味料を加えて炒め合わせる

茹でてから冷凍したブロッコリーもレンジで加熱してから冷凍したブロッコリーもどちらもそんなに味に違いはなく、しっかりと味が染みていておいしかったです。

冷凍した茹でたブロッコリーとレンジで加熱したブロッコリーを使って作ったバター醤油炒め

ブロッコリーのガーリックベーコン炒め

ブロッコリーのガーリックベーコン炒め

次はブロッコリーのガーリックベーコン炒めを紹介します。こちらは茹でてから冷凍したブロッコリーと、冷凍はせずに生のブロッコリーを茹でてから使った場合で違いを検証してみます。使う材料は以下の通りです。

レシピ(3人前)
  • ブロッコリー … 300g
  • 薄切りベーコン … 5枚
  • しめじ … 100g
  • オリーブ油 … 大さじ1
  • にんにく … 1片
  • 塩・胡椒 … 少々
  • 顆粒コンソメ … 小さじ1

まずはフライパンにオリーブオイル大さじ1を引き刻んだにんにくを入れて中火にかけます。

刻んだにんにくを炒める

にんにくの香りが出てきたらカットしたベーコンとしめじを加えて炒めます。冷凍ブロッコリーを使う場合は解凍に時間がかかるのでこの時点で一緒に入れます。生のブロッコリーを茹でてから冷凍せずに使う場合はしめじとベーコンに火が通ってから加えます。

ベーコンとしめじ、冷凍ブロッコリーを加えて炒める

ベーコンも温まってきたら塩とこしょうを少々加えてさっと炒めます。

水100mlと顆粒コンソメ小さじ1を加えてそのままさっと炒め合わせたら出来上がりです。

水と顆粒コンソメを加えてさっと炒め合わせる

こちらは冷凍したブロッコリーを使って作ったブロッコリーのガーリックベーコン炒めです。肝心の味ですが、冷凍したブロッコリーの方は、食感は適度な柔らかさで、味もしっかりとしみこんでいてかなりおいしかったです。

冷凍ブロッコリーを使ったガーリックベーコン炒め

一方こちらは生のブロッコリーを使って作ったブロッコリーのガーリックベーコン炒めです。食べてみたところ食感に関してはほとんど差はないです。茎の部分は冷凍のものはやや柔らかめでしたが、こちらは適度な柔らかさでちょうどいいコリコリ感がありました。ただ柔らかい方も十分おいしかったです。

生のブロッコリーを使ったガーリックベーコン炒め

味に関してもほぼ差はなく、こちらもしっかりと味がしみていておいしかったです。

食べ比べた感想は茎の柔らかさは差はありましたが、それ以外はどちらもほとんど差はなくておいしかったです。冷凍のブロッコリーでもかなりおいしく仕上がったのでおすすめの一品です。ぜひ一度試してみてください。

生と冷凍のブロッコリーを使ったガーリックベーコン炒めの味や食感の違い

まとめ

今回は冷凍したブロッコリーの解凍はどれがいいのかを実際に試してみました。結果は茹でたブロッコリーの場合は、どれもそれほど差はありませんでしたが、自然解凍よりも若干、流水解凍と氷水解凍したものの方が食感がよかったです。

味に関してはどれもそんなに変わりませんでした。ただ流水解凍の場合は短時間で解凍できるというメリットがあるので、解凍するなら流水解凍をおすすめします。

生のブロッコリーの場合も流水解凍と氷水解凍したものが若干食感はよかったですが、味や食感が茹でたものに比べると大分落ちるので、冷凍自体は生ではなく茹でてから冷凍することをおすすめします。

※参考書籍
組み合わせ自由自在作り置き野菜おかず357
野菜おかず作りおきかんたん217レシピ
まるごと使いきってムダなし!野菜の保存&使いきりレシピ

最終更新日 2023/07/06

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この記事を書いた人

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生活知恵袋

生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋と申します。料理研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。

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