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HOME > いろはに香辛料 > ナツメグ、メースの効能、香り、味の特徴



ナツメグ、メースの効能、香り、味の特徴



ナツメグ、メースの紹介



ナツメグとメースの違い

ナツメグが取れるのは、高さ10メートルにもなるニクズク科の常緑樹で、洋ナシ型の果実の中にある種子、種子の中にある仁がナツメグと呼ばれます。種子の周りを包んでいる網目状の鮮紅色の種皮がメースと呼ばれるスパイスの原料で、特徴もナツメグによく似ています。ただし甘味はナツメグのほうが若干強いです。ナツメグの木は雌雄異体で雌の木にのみ実が結実します。

ナツメグの取り出し方

花が咲いた後6〜9週間後に実がなりだします。実が熟してくるとぱかっと割れてメースで覆われた種子が出てきます。種子の周りのメースを取り除き、中にある黒褐色の種子を天日で4〜6週間ほど乾燥させます。その後木槌を使って表面の殻を割ると中から褐色の仁であるナツメグが出てきます。

メースの色

メースは気になっている鮮やかな鮮紅色ですが、小売店に運ばれるまでにオレンジ色から黄色へと変色していきます。

ナツメグ・メースの主な生産地

ナツメグは熱帯地方で海の匂いがする地域でしか育たないため、日本での生育は難しいといえます。植樹後7〜8年で結実するようになります。東南アジアやスリランカ、モルッカ諸島、西インド諸島などが主な生産地です。

特徴解説
学名Myristica fragrans
名称ナツメグ(英)、にくずく(日本)
語源ムスクの香りをした豆(nut meg)
原産地インドネシアのモルッカ諸島のバンダ
種類ニクズク科の常緑樹
樹高10〜20m
使う部位



ナツメグの名前の由来



ナツメグがヨーロッパ中に広がったのは12世紀末にはいってからだといわれています。日本に入ってきたのは嘉永元年(1848年)で当初はにくずくではなくししずくと呼ばれていました。これは古語で肉のことをししと呼んでいたからです。英名のナツメグの由来はnut(豆)とmeg(じゃこう、ムスク)からきています。じゃこう、ムスクとはジャコウジカから取れる香料のことで、ムスクの匂いに似ている豆という意味でナツメグと呼ばれます。



ナツメグ・メースの歴史



モルッカ諸島原産

ナツメグはインドネシアのモルッカ諸島原産で、もっとも古い記憶では紀元前10世紀にインドのバラモン教の経典ヴェーダに頭痛を治すための薬としての記録が残っています。6世紀ごろには隊商(キャラバン)によってエジプトのアレクサンドリアまで運ばれていました。そのころ中国では消化器疾患の薬として利用され、インドやアラブ諸国では消化器官の他、肝臓や皮膚の薬として利用されていました。また過剰摂取により興奮作用があるためメースとともに媚薬としても使われてきました。

ヨーロッパでのナツメグ利用の拡大

ヨーロッパには12世紀末に十字軍によって持ち込まれたといわれています。当初はお香としてつかわれてきましたが、16世紀にポルトガルがモルッカ諸島との貿易を拡大すると、料理への利用も広がっていきました。その後食用、薬用ともにナツメグの利用が広がり、万能役としてほとんどの薬にナツメグが処方されるようになりました。多くの料理の調味料としてだけでなく、ホットエールやマルワイン(ぶどう酒に砂糖や卵黄を混ぜたもの)、パシット(熱い牛乳に砂糖やワインを混ぜたもの)の香り付けとして重宝されました。

イギリスが植民地でのナツメグ生産を拡大

ナツメグやメースの貿易はその後ポルトガルからオランダへと移り、さらに18世紀末にはイギリスへと渡っていきました。イギリスはマレーシアのペナンやスリランカ、インドネシアのスマトラなどでナツメグの栽培を進め、さらに19世紀にはいってからは西インド諸島のグレナダでも栽培を始めました。現在ではグレナダはナツメグの世界での生産量の3分の1を担っています。



ナツメグとメースの味と香りの特徴



ナツメグもメースもどちらも味や香りはよく似ています。特徴は甘い香りと、ほんのりとした苦さです。メースの方が若干芳香感、刺激感、苦味感が穏やかで、繊細な香りとなっています。ナツメグは熱を加えることで苦みが消え、甘味が強くなる特徴があります。取れる量がナツメグの方が少ないので値段もナツメグの方が割高です。

特徴解説
香り甘い香り
ほんのりとした苦味、熱を加えると甘みが強くなる



ナツメグとメースのよく合う料理



ナツメグとメースのマスキング効果

ナツメグとメースに含まれる精油成分は食品に含まれる不快臭をマスキング(覆い隠す)のに効果的です。例えばキャベツを加熱した際に生じる含硫化合物による臭み完全に消すことができます。

よく合う料理は?

ハンバーグやミートローフ、ミートソースといった挽肉を使った料理によくあい、肉の臭みを消すとともにほんのりとした甘味を加えます。使うときはいためるときに振り掛けるのではなく、こねる段階で混ぜてやるとよいです。またクッキーや、ケーキなどに用いれば調理時の熱によって苦味が消え甘味が加わるので、味がいっそう引き立ちます。また肉料理のソースやケチャップなどにもナツメグはよく使われます。

玉ねぎとの併用で臭みけし効果アップ

玉ねぎにも肉の臭みを取る働きがあります。これは玉ねぎに含まれるイオウ化合物が肉の臭み成分と化学的に反応して、においのもとを無くすからです。覆い隠すことで臭みを抑えるナツメグと併用すればよりいっそうの臭みけしの効果が期待できます。

世界各国でのナツメグ・メースの利用例

ナツメグは東南アジアや中国、インド、アラブ諸国、ヨーロッパなど世界各地で料理に利用されてきました。インドではムガール料理によく使われ、アラブ諸国では羊肉料理によく使われます。オランダやイタリアでは野菜料理や肉料理、ソースなどに頻繁に利用されます。

料理使用例

ジャンル料理名
お菓子ケーキ、プリン、クッキー、パイ、プディング、フルーツポンチ、ドーナツ、ジャムなど
肉料理ハンバーグ、コロッケ、シチュー、仔牛肉の料理、ミートパイ、ミートローフ、肉料理のソース、ラム肉料理など
野菜料理マッシュポテト、キャベツ・カリフラワーなどのピューレ、ミックスベジタブル、ロールキャベツなど
飲料エッグノッグ、ホットエール、マルワイン、パシットなど

■ナツメグを使ったレシピ
コロッケ ハンバーグ ロールキャベツ



ナツメグの薬効



ナツメグは西洋ではなく東洋で特に薬として利用されてきました。気管支炎やリューマチ、おなかのはりなどに薬として処方されています。ただし摂りすぎると眠気や幻覚、陶酔感を引き起こし、量が過ぎると死に至ることもあるので注意が必要です。



ナツメグハーブティー



ナツメグハーブティーには下痢や腹痛、消化不良などを改善し、体を温める働きもあるので、冷え性の女性などにもお勧めです。材料はすりおろしたナツメグ小さじ1/2杯とジンジャー小さじ3杯をカップにいれて熱湯を注ぎ、お好みでレモン汁を加えます。



使用上の注意



ナツメグは粉末状だと、すぐに匂いがとんでしまうので、びんのふたをしっかりとするのはもちろんですが、使用するごとに、実を削ってつかうことで、毎回本来の香りを料理に生かすことができます。

ナツメグの使用量にも注意が必要です。肉1kgにナツメグ0.2g程が標準的使用量で、一度に5g以上使うと幻覚症状・頭痛・吐き気が出る場合もあるので注意してください。妊婦の方は使用自体ひかえた方がいいそうです。





※参考書籍
スパイスのサイエンス スパイスを科学で使いこなす!
はじめてのハーブ手帳
スパイス完全ガイド
素材がよろこぶ調味料の便利帳










最終更新日 2016/10/15
公開日 2004/04/14














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