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| 刺さったとげ対策
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はじめに
気づいたら木片やプラスチックの破片、サボテンなどが指などに刺さり、なかなか抜けなくて苦労したなんて経験をされた方も多いのではないでしょうか。その場で指でつまんでさっと抜けることも有りますが、とちゅうでとげが折れてしまうと、残った部分がなかなか取り除きにくくなってしまいます。また小さなとげだと指でつまむことも難しいこともよくあります。そこでとげが刺さったときの抜き方について解説します。
使う道具
トゲ抜きで使う道具
使う道具は基本はピンセットか毛抜きがあればいいでしょう。穴の開いた硬貨(5円、50円)もあるとより抜きやすくなります。硬貨は50円よりも5円の方が若干穴が大きくなっています。また虫メガネがあっても便利です。小さなとげでも拡大して見やすいし、とげが刺さっている角度を把握する際も虫メガネだと判断しやすいです。
他にも梅干やはちみつ、はりなども使うことが有りますが、これらの用途については以下で解説します。
ピンセットは清潔なものを
ピンセットや毛抜きは雑菌などが入らないように消毒してから使うといいです。薬局やスーパーなどで売っている消毒用アルコールをボールにいれてその中にピンセットを2〜3分浸して消毒します。もしくはガーゼやコットンに消毒用アルコールを染み込ませてピンセットをよく拭いて消毒します。
刺さったとげの抜き方
・幹部に雑菌が入らないように温水と石鹸で両手をよく洗い、こすらないように水けをふき取ります。
・ピンセットを使いトゲをつまんで、刺さったときと同じ角度で抜く。
・穴の開いた硬貨を刺さった部分に押し付けて盛り上がらせるとぬきやすいです。
・抜いた後は周囲を押して血を少し搾りだす。
・最後は石鹸でよく洗う、もしくはエタノールやオキシドールなどの消毒液で消毒します。出血がある場合には絆創膏を貼っておくといいです。
針で薄皮をほじる場合は
ピンセットでつまもうにも皮膚から出ている部分がわずかでそもそもつまめない場合も有ります。そのときはとげの先の部分が出るよう針などで薄皮を少しはいでみるといいでしょう。とげが出ている部分が増えればピンセットでもつまみやすくなります。
ただし針で皮膚表面を傷つけるので、雑菌などが入らないよう針はライターなどで加熱殺菌してさました物を使いましょう。加熱殺菌以外にも消毒用アルコールなどの消毒液に針を2〜3分浸してから使ってもいいです。
とげ抜き用ピンセット
ピンセットにはとげぬき専用に先端が鋭くとがっているものも売られています。下の商品はとげぬき専用のピンセントで、先がとがっているだけでなく曲がっているので、とげを抜くのに便利な形状となっています。こちらは金属加工で有名な新潟県三条市の株式会社兼古製作所(ANEX)製造の商品です。
深く刺さった場合は
梅干しやはちみつを使う
梅肉を刺さった部分に当てて絆創膏などで軽く固定し、数時間ほどするとトゲが浮き出てくることがあります。梅は塩分濃度が高いので、皮膚組織から水分が外にでてはれが引く事で、浮き出て取り易くなると考えられます。しかしながら必ずしも効果があるとは限りません。
他にははちみつを塗るという方法もあります。はちみつには抗菌作用と組織再生を促進させる働きがあるので、傷ついた組織が治ろうとする際にトゲが押し出されて抜けやすくなります。
どちらの方法も必ずしも効果が期待できるというものではないので、どうしても抜けない時は、化膿や炎症を引き起こすことも考慮して、一度外科または皮膚科で見てもらうといいでしょう。
治療費がかさむ場合も
少し深い程度なら先が細いとげぬきようのピンセットでとってもらえることも多いですが、かなり深い場合は麻酔をしての切開が必要となる場合もあります。この場合1万円以上の治療費がかかることもあります。これは「異物摘出術」という手術扱いとなるためで、たとえ短時間の処置で終わったとしても料金はそれなりにかかります。事前にある程度治療費がかさむこともあると知っておけば、会計時に驚くこともないはずです。
浅い場合は
新陳代謝により排出される
刺さったとげが浅い場合は、皮膚の新陳代謝で自然と抜け出ることが大半です。皮膚は表皮、真皮、皮下組織という3つの層から構成されます。この一番上にある表皮部分はさらに角質層・顆粒層・有棘層・基底層という4つの層からなります。皮膚の新陳代謝はこの表皮の一番下の部分である基底層が活発に細胞分裂して新たな基底層を作り、その基底層が有棘層、顆粒層、角質層と上に押し上げられ、最後は垢となって剥がれ落ちます。この周期は約28日です。皮膚の表皮部分であればこの肌の新陳代謝によって自然ととげも抜け出るわけです。
表皮は0.2mmほどで、その下の真皮、皮下組織を含めると2〜3mmほどの厚さになります。この下に筋肉組織があります。
表皮よりも下に埋まってしまったら?
とげが表皮より下に埋まってしまった場合はそのまま留まり続けるか、炎症した後化膿して膿と一緒に排出される、もしくは慢性炎症を起こしてとげのまわりに肉芽腫が形成されることがあります。肉芽腫が形成された場合は摘出処置が必要となります。
注意
あわてて爪で抜いたりこすったりすると雑菌が
入ることがあるので注意が必要です。
まとめ
木の木片や植物のとげなどが刺さった場合はきれいに消毒してピンセットなどでとげを抜き、最後にしっかりと消毒します。なかなか取れない場合は消毒した針でほじってみてとげの先の部分を出してやりそれをピンセットでつまんで抜き取るといいでしょう。
比較的表面なら皮膚の新陳代謝で自然に抜け出します。深く刺さっていてなかなか抜けない場合は梅干、蜂蜜などをぬって浮き出させるという方法も有りますが、必ずしも効果があるというものでもないので、化膿や炎症なども考慮して外科または皮膚科で一度見てもらうといいでしょう。受診する科については
とげが刺さったときに受診するのは何科、治療費はいくら?でも詳しく解説しています。
※ 参考文献
最新図解救命・応急手当の手引き
覚えておこう応急手当
おばあちゃんの知恵袋
昔ながらの暮らしの知恵
病気がわかるからだのビジュアル百科
新赤本第六版家庭の医学
この記事を書いた人
生活知恵袋
生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋といいます。料理雑学研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。
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