アスパラガスは乾燥しやすく、それほど日持ちのする野菜ではありません。ただ上手に保存することで比較的鮮度を維持できるといいますが、本当なのでしょうか。気になったのでよく言われているアスパラガスの保存方法を実際に試してみて、その保存効果を検証してみることにします。
今回は比較のために何もしないで保存した場合はどうなるかも合わせてみていきます。
アスパラガスは乾燥しやすいので、保存する場合は新聞紙かキッチンペーパーで包みます。これに霧吹きなどで水を吹き付け、適度に湿らせておきます。これを今度はポリ袋に入れ、口は軽くしめます。
後は冷蔵庫の野菜室で根元を下にして立てて保存します。これで1週間は保存が可能です。新聞紙は乾きやすいので、乾燥具合をみて2〜3日ごとに霧吹きで水を吹き付けてやるといいです。
野菜は基本的に生育時と同じ状態で保存したほうが長持ちします。アスパラガスも同じで横にして保存すると、縦に伸びようと余計にエネルギーを使ってしまい、鮮度の落ちも早くなります。アスパラガスを保存するときは切り口を下にして縦に保存するようにしましょう。
アズパラガスは茹でてから冷蔵庫で保存もできます。茹で方はまずはアスパラガスの根元から1cmほどをカットします。
次に皮が固い根元から4〜5cmほどのところまでを、ピーラーで皮をむきます。
フライパンに水を入れ、塩は水1リットルに対して小さじ2ほど加えて沸騰させます。
そこにアスパラガスを入れて、太さに応じて1分半から2分茹でます。
茹でたアスパラガスはざるにあげるか、冷水にとって冷まします。冷水にとると色止めになり変色を防げます。
茹でてから冷めたらキッチンペーパーで水けをふき取り、用途に応じてカットしてから、保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。これで3日間は持ちます。以下は4〜5cmにカットしてから保存袋に入れたものです。
以下は2cmほどにカットしてから保存袋に入れたものです。
それではアスパラガスの冷蔵庫での保存方法が本当に効果があるのかどうかを、実際に試してみて検証してみることにします。
今回は新聞紙で包んで軽くしめらせ、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で立てて保存する方法と、何もせずそのまま野菜室で立てて保存する方法の2つを比べてその違いを見ていきます。
まずは初日の状態です。初日のアスパラガスは全体的にハリつやがあり、みずみずしいです。つぼみもしっかりと締まっています。また触るとしっかりとした固さがあります。
そんまま立てて保存するほうのアスパラガスの重さは24.0gです。
一方新聞紙で包んで軽くしめらせ、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で、立てて保存するほうのアスパラガスの重さは27.0gです。
そのまま保存した方は、2日目ですでにハリや固さも弱まり、表面にもしなびれてきた感じが出てきました。
並べるとこんな感じです。左が初日のそのまま保存するアスパラガスで、右は2日目のそのまま保存したアスパラガスです。右は表面がややハリがなくなってきています。
重さは22.7gで、初日の24.0gからは5.5%減少しています。
こちらは新聞紙で包んでからポリ袋に入れて保存した2日目のアスパラガスです。ハリやみずみずしさがあり、触ると固さもしっかりとあります。
並べるとこんな感じです。左が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するアスパラガスで、右は2日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したアスパラガスです。並べてみても大きな差は見られません。
重さは26.8gで、初日の27.0gからは0.8%減少しています。
軽くしめらせていた新聞紙は、2日目にはすっかり乾いていました。その分水分をアスパラガスが吸収していることになります。アスパラガスはやはり水分が抜けやすいことがわかります。もう一度霧吹きで軽くしめらせてから再び包みなおして保存しました。
そのまま保存した方は、3日目にはかなりしなびれてハリがなくなってきています。蕾の下のあたりもかなり細くなっています。
並べるとこんな感じです。左が初日のそのまま保存するアスパラガスで、真ん中は2日目のそのまま保存したアスパラガス、右は3日目のアスパラガスです。
つぼみ自体は鮮度を十分維持していますが、カットした断面だけは変色が進むようです。
重さは21.6gで、初日の24.0gからは9.0%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのまま保存するアスパラガス | 24.0g |
2日目のそのまま保存したアスパラガス | 22.7g(-5.5%) |
3日目のそのまま保存したアスパラガス | 21.6g(-9.0%) |
こちらは新聞紙で包んでからポリ袋に入れ保存した3日目のアスパラガスです。こちらはハリやみずみずしさもあり、触るとしっかりとした固さがあります。
並べるとこんな感じです。左が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するアスパラガスで、真ん中は2日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したアスパラガス、右は3日目のアスパラガスです。3日経ってもほとんど変化していないのがわかるかと思います。
重さは26.8gで、初日の27.0gからは0.8%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するアスパラガス | 27.0g |
2日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したアスパラガス | 26.8g(-0.8%) |
3日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したアスパラガス | 26.8g(-0.8%) |
3日間保存してみて保存方法を実施した方としない方で並べてみるとこうなります。左は保存法を実施したアスパラガスで、右はそのまま保存したアスパラガスです。並べてみると違いが一目瞭然です。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
ちなみにしなびてしまったアスパラガスも、再生させて再びハリやみずみずしさを取り戻すこともできます。要は水につけて戻す方法なのですが、詳しくはしなびたアスパラガスが元通りになるの?アスパラガスの復活術、再生術を検証しますで解説しています。
また以下の動画でもその効果を検証しています。
アスパラガスは生での冷凍には向きませんが、茹でてからなら冷凍保存することができます。茹で方は冷蔵庫での保存の時と一緒です。
茹でてから冷めたらキッチンペーパーで水けをふき取り、用途に応じてカットしてから、冷凍用保存袋に入れます。これを金属トレイの上にのせて冷凍庫で保存すれば1ヵ月は保存ができます。
アスパラガスを少しでも長く日持ちさせたいならまずは購入段階でしっかりといいものを選ぶことも大切です。アスパラガスは穂先がピンとしてしっかりと締まっているもの、緑色が鮮やかなもの、はかまが三角で均一に並んでいるものがいいです。
太さは均一で切り口が丸くみずみずしいもの、手に取ったときにハリがあるものも良品です。アスパラガスの詳しい見分け方についてはアスパラガスの見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
以下ではアスパラガスの見分け方について動画で解説しているので、併せて参考にしてみてください。
今回はアスパラガスの保存方法が本当に効果があるのかを検証してみました。そのまま保存すると、乾燥して蕾の下が細くなってきました。また固さも弱まり柔らかくなってしまいます。
一方新聞紙で包んで軽くしめらせ、ポリ袋に入れて立てて保存した方が、3日経ってもハリやみずみずしさは変わらず、しっかりと固さも維持していました。なのでアスパラガスはしっかりと乾燥対策を講じて保存することをおすすめします。
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