HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > ブロッコリーの冷凍保存、生、茹で、レンジのどれが正解なのかを検証してみた
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ブロッコリーは冷凍保存しておくことで、鮮度を維持したまま長期保存が可能です。ただ冷凍保存は生のまま冷凍保存するのか、茹でてから冷凍保存するのか、レンジで加熱してから冷凍保存するのか、どれがいいのかよくわからないという方も多いかと思います。
そこで今回は実際にそれぞれの方法で保存してみて、どう違うのかを検証してみることにします。
それではブロッコリーの冷凍保存の仕方を解説します。ちなみにブロッコリーは冷凍保存しておけば1か月は保存が可能です。まずはブロッコリーの蕾の部分をよく洗います。このようにボウルに水をためてブロッコリーを浸し、よくゆすいで間に付いたゴミや汚れを落とします。
次にブロッコリーを太い芯から切り離します。つぼみ部分を食べやすい大きさにカットします。
生で保存する場合はそのまま冷凍用保存袋に入れ、冷凍保存します。
ちなみに冷凍用保存袋に入れる場合は、このようにストローが入る隙間をあけてストローを差し込みます。
空気が入らないように隙間を押さえながらストローを吸って、中の空気を吸い込みます。
空気が再び入らないようにさっとストローを抜いて、ジッパーをしめて密閉します。するとこのように簡単にしっかりと袋を密閉することができます。密閉した方が熱伝導率が高くなるので、より早く冷凍でき鮮度を維持することができます。
もう一つはブロッコリーをゆでてから冷凍保存します。こちらもブロッコリーを食べやすい大きさにカットします。
鍋に水を入れ、水1リットルに対して塩大さじ1加えて火にかけます。沸騰したらブロッコリーを入れ、1分ほど茹でます。
こちらが茹でたブロッコリーです。
ざるに上げてから冷めるまで待ち、キッチンペーパーで軽く水けをふき取り、冷凍用保存袋に入れます。金属トレイを下に敷いてから冷凍保存します。
ちなみに1分だとまだブロッコリーは固さが残りますが、冷凍保存の場合は固めに茹でた方が、解凍したときの食感はよくなります。
実際に1分、2分、3分と茹でてから解凍したブロッコリーの味や食感の違いはこんな感じです。最もよかったのは1分でした。
詳しくはブロッコリーの茹で時間は1分、2分、3分、4分で何分が正解?検証したら意外な結果に!でも取り上げているので合わせて参考にしてみてください。
もう一つはブロッコリーをレンジで加熱してから冷凍保存します。こちらもブロッコリーを食べやすい大きさにカットします。これを耐熱容器に入れ、ブロッコリー100gに対して水大さじ2上から振りかけます。
あとはラップをしてレンジにかけます。
加熱時間はブロッコリー100gなら600Wで2分、500Wなら2分30秒加熱します。加熱する時間はブロッコリーの量によって加減します。例えばブロッコリー200gなら600Wで4分、500Wなら5分になります。
こちらがレンジで加熱したブロッコリーです。
ざるに上げてから冷めるまで待ち、キッチンペーパーで軽く水けをふき取り、冷凍用保存袋に入れます。金属トレイを下に敷いてから冷凍保存します。
それでは冷凍したブロッコリーを実際に解凍してみることにします。解凍は流水解凍で行います。
解凍には自然解凍や氷水解凍もありますが、検証した結果流水解凍したものが最も食感がよかったので、今回は流水解凍にします。
詳しくは冷凍したブロッコリーの解凍方法、自然解凍、流水解凍、氷水解凍のどれがいいのか検証してみたで解説しています。
では実際に生のブロッコリーを流水解凍してみることにします。まずはこちらが冷凍した生のブロッコリーです。
まずは冷凍した生のブロッコリーをポリ袋に入れ、ストローなどで空気を抜いてから口を締めます。
これを容器に入れ上から水を流します。このまま流水解凍します。
ちなみに水温は15度ほどです。
解凍するとこのようになります。見た目はつぼみまでだいぶシャキッとしています。食べた感想ですが、かなり青っぽさがあり、味はあまりおいしくはありません。食感も大分パサパサとしていて、火が通ってない感じがよくわかり、こちらもあまりよくありません。
並べるとこんな感じです。左は冷凍する前の生のブロッコリーです。真ん中は冷凍した生のブロッコリー、右は冷凍して流水解凍した生のブロッコリーです。
生のブロッコリーもいったん冷凍してから解凍すると、見た目は少し茹でたブロッコリーのようにしなっとした感じになっています。
つぎは冷凍した茹でたブロッコリーを流水解凍します。まずはこちらが冷凍した茹でたブロッコリーです。
この冷凍の茹でたブロッコリーをポリ袋に入れ、容器に入れて上から水を垂らし続けます。これで18分ほど置いておけば解凍できます。解凍は触ってみて柔らかくなってるかどうかで判断します。
こちらが流水解凍した茹でたブロッコリーです。冷凍する前と比べるとだいぶしなっとした見た目になっています。食感はしっとりとして柔らかく、これはこれで悪くはありません。
味の方は塩ゆでしたせいか、甘みがあり、ブロッコリーの風味もあります。ただやや水っぽいです。
並べるとこんな感じです。左は冷凍する前の茹でたブロッコリーす。真ん中は冷凍した茹でたブロッコリー、右は冷凍して流水解凍した茹でたブロッコリーです。
並べてみると、冷凍する前と冷凍してから解凍した後で、大分しなっとした感じになっています。
最後に冷凍したレンジで加熱したブロッコリーを流水解凍します。こちらが冷凍したレンジで加熱したブロッコリーです。
こちらも茹でたブロッコリーと同じようにポリ袋に入れてボウルなどに入れ、上から水を垂らし続けます。こちらも18分ほどで解凍できます。
こちらが流水解凍したものです。見た目は冷凍する前と比べ若干しなっとしています。食感は茹でたものに比べるとややシャキシャキ感があります。ただ冷凍する前と比べるとだいぶ柔らかくなっていて、ちょうどいい食感です。
味の方は茹でたものほど甘みはありませんが、ブロッコリーの風味はこちらが一番強く、こちらもおいしかったです。
並べるとこんな感じです。左は冷凍する前のレンジで加熱したブロッコリーです。真ん中は冷凍したレンジで加熱したブロッコリーで、右は冷凍して流水解凍したレンジで加熱したブロッコリーです。
こちらも冷凍する前と比べると、解凍したものは少ししなっとした見た目になっています。
3つを食べ比べた感想は茹でたものはやや柔らかめで水っぽい感じがあります。柔らかい方が好きな人はこちらがおすすめです。一方レンジの方はシャキシャキ感はありますが、適度に柔らかいので、解凍してサラダなどにするにはこちらがよさそうです。
一方味の方は茹でたものは甘みがあり、レンジの方は甘みは弱いですが、ブロッコリーの風味がしっかりあります。どちらも味は違いますがおいしかったです。生のブロッコリーは味はだいぶ青っぽさがあり、また食感もパサパサ感が強かったので、味も食感も一番よくはありませんでした。
それぞれの味や食感の特徴をまとめるとこんな感じです。
今度は冷凍したブロッコリーを冷凍のまま加熱解凍します。まずは冷凍した生のブロッコリーです。フライパンに冷凍した生のブロッコリーを入れて弱めの中火で炒めます。ある程度解凍が進み、少し焼き色がつくまで炒めました。
こちらがフライパンで加熱解凍した生のブロッコリーです。食感は火を通すことでだいぶ柔らかくはなりました。ただ味の方は炒めても青っぽさが強く残り、あまりおいしくありません。
並べてみるとこんな感じです。左は生のブロッコリーで、真ん中は流水解凍した生のブロッコリー、右は加熱解凍した生のブロッコリーです。
加熱解凍したものは焼き色がついて、火が通っているのがわかるかと思います。
次は冷凍した茹でたブロッコリーを加熱解凍します。生のブロッコリーの時と同様フライパンに入れ、弱めの中火で炒めます。
こちらが炒めた茹でたブロッコリーです。火が通って実がしまり、味の方も甘みがしっかりとあっておいしかったです。
並べてみるとこんな感じです。左は茹でたブロッコリーで、真ん中は流水解凍した茹でたブロッコリー、右は加熱解凍した茹でたブロッコリーです。
炒めたことで火が通って焼き色がついています。身も炒めたことで少し締まっています。
今度は冷凍したレンジで加熱したブロッコリーを加熱解凍します。こちらもフライパンに入れ、弱めの中火で炒めます。
こちらが炒めたレンジで加熱したブロッコリーです。こちらもしっかりと身がしまり、味はブロッコリーの風味がしっかり出ていておいしかったです。
並べてみるとこんな感じです。左はレンジで加熱したロッコリーで、真ん中は流水解凍したレンジで加熱したロッコリー、右は加熱解凍したレンジで加熱したロッコリーです。
炒めることで焼き色がついています。
3つを食べ比べた感想は味に関しては茹でたものは甘みが強く、レンジで加熱したものはブロッコリーの風味がよく出ていて、どちらも味に違いはありますがおいしかったです。
どちらが好きかは好みが別れそうですが、個人的には茹でて甘みの出たものが好きです。生のブロッコリーは炒めてもやはり青っぽさは抜けず、おいしくはありませんでした。
それぞれの味や食感の特徴をまとめるとこんな感じです。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
ここまでブロッコリーの冷凍保存の仕方を解説してきましたが、そもそもブロッコリーをそのまま丸ごと1本冷凍するとどうなるのか気になる方もいらっしゃるかと思います。そこで実際に試してみました。こちらはまるごと1本冷凍したブロッコリーです。
これを茹でて加熱解凍するとこうなります。食べて見たところ生で冷凍したので味は青っぽさがあってあまりおいしくはありませんでした。やはりブロッコリーはそのまま生でまるごと保存はしない方がいいようです。
詳しい検証記事についてはブロッコリーを生のまま丸ごと1本冷凍保存したら味や食感はどうなる?検証したら驚きの結果に!で解説しているのでこちらも参考にしてみてください。
それでは冷凍したブロッコリーを使ったレシピをいくつか紹介します。今回紹介するのはブロッコリーのツナサラダです。使う材料は以下の通りです。
ちなみに茹でたブロッコリーを冷凍したものと、レンジで加熱したブロッコリーを冷凍したものをそれぞれを使って作ってみて両者の味の違いも検証しています。
まずは冷凍したブロッコリーを流水解凍します。解凍は10分ほどでできます。
つぎににんじんを薄く短冊切りにします。
たまねぎはスライスして水に5分ほどさらして辛味を抜きます。
ボウルに解凍したブロッコリーとたまねぎ、にんじんとツナを入れます。白すりごまとマヨネーズも加えます。
あとはしっかりと混ぜ合わせれば出来上がりです。
茹でてから冷凍したブロッコリーの方はブロッコリーの甘みもありおいしかったです。
レンジで加熱してから冷凍したブロッコリーの方もブロッコリーの濃厚な味があってこちらもおいしかったです。
並べるとこんな感じです。味の特徴は両者でだいぶ違いましたが、どちらもおいしかったです。
次は豚肉とブロッコリーのバター醤油炒めを紹介します。使う材料は以下の通りです。
ちなみに茹でたブロッコリーを冷凍したものと、レンジで加熱したブロッコリーを冷凍したものをそれぞれを使って作ってみて両者の味の違いも検証しています。
まずは豚バラ肉を食べやすい大きさにカットして塩と胡椒をさっとふりかけます。
たまねぎはくし切りにします。
にんにくはみじん切りにします。ブロッコリーは冷凍したものを使う場合はそのまま、生のものを使う場合は食べやすい大きさにカットしてから3分ほど熱湯で下茹でしたものを使います。
鍋に油大さじ1/2を引いてみじん切りにしたにんにくを加え、弱火で香りが出るまで炒めたら、豚肉とたまねぎを加えて中火で炒めます。
豚肉にしっかりと火が通ったら、ブロッコリーも加えて炒めます。
ブロッコリーにも火が通ったら、しょう油大さじ1と1/2、酒大さじ1、みりん大さじ1、バター10gを加えてよく炒めあわせます。しっかりと味がなじんだら火を止めて出来上がりです。
茹でてから冷凍したブロッコリーもレンジで加熱してから冷凍したブロッコリーもどちらもそんなに味に違いはなく、しっかりと味が染みていておいしかったです。
次はブロッコリーのガーリックベーコン炒めを紹介します。こちらは茹でてから冷凍したブロッコリーと、冷凍はせずに生のブロッコリーを茹でてから使った場合で違いを検証してみます。使う材料は以下の通りです。
まずはフライパンにオリーブオイル大さじ1を引き刻んだにんにくを入れて中火にかけます。
にんにくの香りが出てきたらカットしたベーコンとしめじを加えて炒めます。冷凍ブロッコリーを使う場合は解凍に時間がかかるのでこの時点で一緒に入れます。生のブロッコリーを茹でてから冷凍せずに使う場合はしめじとベーコンに火が通ってから加えます。
ベーコンも温まってきたら塩とこしょうを少々加えてさっと炒めます。
水100mlと顆粒コンソメ小さじ1を加えてそのままさっと炒め合わせたら出来上がりです。
こちらは冷凍したブロッコリーを使って作ったブロッコリーのガーリックベーコン炒めです。肝心の味ですが、冷凍したブロッコリーの方は、食感は適度な柔らかさで、味もしっかりとしみこんでいてかなりおいしかったです。
一方こちらは生のブロッコリーを使って作ったブロッコリーのガーリックベーコン炒めです。食べてみたところ食感に関してはほとんど差はないです。茎の部分は冷凍のものはやや柔らかめでしたが、こちらは適度な柔らかさでちょうどいいコリコリ感がありました。ただ柔らかい方も十分おいしかったです。
味に関してもほぼ差はなく、こちらもしっかりと味がしみていておいしかったです。
食べ比べた感想は茎の柔らかさは差はありましたが、それ以外はどちらもほとんど差はなくておいしかったです。冷凍のブロッコリーでもかなりおいしく仕上がったのでおすすめの一品です。ぜひ一度試してみてください。
今回はブロッコリーを冷凍するなら生のままと茹でた物、レンジで加熱した物のどれがいいのかを検証してみました。流水解凍して使う場合でも加熱調理で直接冷凍のまま使う場合でも、茹でたり、レンジで加熱し、一度火を通してから冷凍保存した方が味はずっとよくなります。
なので、冷凍保存は茹でるもしくはレンジで加熱してからの保存をおすすめします。ちなみに甘さを重視したいなら茹でてから、ブロッコリーの風味をしっかり味わいたいならレンジで加熱してから冷凍保存するといいです。