HOME > 食材の加熱調理の疑問 > 大根のおでんや煮物、下茹でした方が味がしみこむって本当なの?下茹でありと下茹でなしで食べ比べてみた!
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大根の煮物料理などでよく見かけるのが下茹での工程です。煮る前に先に下茹でしておくことで味の染みこみや食感がよくなるそうですが本当なのでしょうか。
気になったので実際に下茹でした大根と、下茹でしてない生の大根を同じようにだし煮にしてみて、味の染みこみや食感に違いがあるのかを検証してみることにします。
まずは大根の下茹での仕方を解説します。大根を2cm程の輪切りにして皮をむきます。
鍋に輪切りにした大根を入れ、大根がしっかりかぶるぐらいの水を入れます。さらに大根300gに対して米を大さじ1加えて火にかけます。
米を入れたほうが大根の苦みやえぐみが取れ、あくが抜けて甘みがより引き立つそうです。コメの代わりにお米のとぎ汁で茹でてもいいそうです。
あとは沸騰したら中火で15分ほど茹でます。竹串などを刺してみてすっと入るぐらいが目安です。こちらが下茹でした大根です。
それでは下茹でした大根と生の大根を使って大根のだし煮を作ってみることにします。
作り方はどちらも同じです。まずは鍋に大根を入れてだし汁2カップとみりん大さじ1、しょうゆ小さじ1、塩小さじ3/4加えて火にかけます。
沸騰したら落し蓋をして中火で25分ほど煮込んだら出来上がりです。
こちらは下茹でしてから煮詰めた大根のだし煮です。たべてみたところしっかりと中まで味が染みていておいしかったです。
一方こちらは生の大根から作った大根のだし煮です。見た目は下茹でしたものに比べると少し色が薄いです。食べてみたところこちらも味は染みていましたが、中までの染み具合だと下茹でしたものの方がしっかりしみていました。
ちなみに下茹でなしで煮詰めただし煮ですが、特にあくやえぐみなどはなくて大根の味自体はしっかりあっておいしかったです。
大根も物によっては苦みやえぐみがあるものもあるようですが、通常の大根であれば別に下茹でがなくてもあくやえぐみはそこまで心配しなくてもよさそうです。
2つを食べ比べてみましたが、食感の方は下茹でした方がより柔らかくてよかったです。調味料の染みこみ具合で言うと確かに下茹でしたものの方が中までしっかりと味がしみこんでいました。生から煮込んだ方はややしみ込みが浅い感じがしました。
味の方は大根自体の風味は生から煮込んだほうがややありました。またえぐみや苦みなども特にはありませんでした。下茹でした方もしっかり大根の味がしましたが特に甘味が引き立つという感じはしませんでした。
味の方はやや生からの方が風味がありましたが、味の染みこみ具合でだいぶ差が出たので星で表すなら下茹でしたものが星5なら生から煮込んだ方は星3.5といった感じです。
ただ下茹でした方は下茹でした時間も併せると15分と25分で合計で40分煮ています。一方生からの方は25分なので、生からの方も同じ40分煮込めば味の染みこみも変わらないんじゃないかと気になったので、こちらも試してみることにしました。
今回は40分と長めに煮るので汁がなくなってしまわないように落し蓋をしてさらに蓋もして煮込みました。
こちらは生の大根を40分煮込んだものです。食べてみたところ25分よりも味は中までしっかりとしみていておいしかったです。食感もだいぶ柔らかくなっていてよかったです。
15分下茹でしてから25分煮込んだものと比べてみると味の方はやはり下茹でした方がより中まで味がまんべんなくしみ込んでいておいしかったです。同じ40分茹でたのにこの差が出たのは以外でした。
ちなみに生で25分煮た時のような風味の差は40分の時は特には感じませんでした。食感の方はこちらも下茹でした方がよりトロっとしていてよかったです。
星で表すなら下茹でしたものが星5なら生から40分煮込んだものは星4.4といった感じです。
ちなみに今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
今回は大根は下茹でしてから煮込み料理に使った方が本当に味や食感がいいのかを検証してみました。結果は同じ時間煮込んだとしても味の染みこみ具合や食感に差が出たのでこれには驚きました。
やはり下茹でした方が味がよくしみ食感もよくなるようです。大根を煮込み料理で使うなら下茹でしてから使うのをおすすめします。