HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > 大根の輪切りは冷凍保存できるの?生と茹でで試してみたら驚きの結果に!
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大根の輪切りといえば煮物料理などでよく使いますが、こちらを冷凍保存する場合、生のままといったん茹でてからのどちらがいいのでしょうか。
気になったので実際に生と茹でた大根の輪切りを冷凍保存してみて、味や食感にどのような違いが出るのかを検証してみることにします。
まずは冷凍保存の仕方を解説します。まずは大根を2cm幅くらいに輪切りにします。
次に輪切りにした大根の皮を包丁でむきます。
生で冷凍する場合はこのまま冷凍用の保存袋に入れて冷凍保存します。
茹でる場合は鍋に下処理した大根の輪切りを入れ、大根が十分かぶるくらいの水を入れます。ここに大根300gに対して米を大さじ1加えます。米を加えると米のでんぷんが大根のあくやえぐみを吸着して、雑味が取れるそうです。
あとは後は火にかけ沸騰した後15分ほど茹でます。茹でたらゆで汁に浸けたまま冷めるまで待ちます。
冷めたら冷凍用保存袋に入れて冷凍保存します。このまま2週間ほど冷凍します。
それでは冷凍保存したそれぞれの輪切りにした大根を解凍してみることにします。輪切りの大根は基本的には煮物やおでんの具材として使うので、今回はそれぞれの冷凍した大根を使ってだし煮にしてみることにします。そのうえで味や食感の違いを検証してみます。
まずはだし煮の作り方を紹介します。使う材料は次の通りです。
まずは冷凍のまま輪切りにした大根を鍋に入れます。そこにだし汁とみりん、しょうゆ、塩を加えて火にかけます。
沸騰したら落し蓋をし、弱めの中火にして25分ほど煮込んだら出来上がりです。
こちらは下茹でしてから冷凍した大根で作った大根のだし煮です。色も濃くなり大分味も染みてそうです。食べてみたところ味の方は大分染みていました。
ただ食感は生の大根で作ったような柔らかさ、トロっとした感じではなく、ぶよっとしていてかなり悪いです。この食感の悪さでかなりおいしくないです。
一方こちらは生で冷凍した大根で作った大根のだし煮です。こちらは下茹でしたものに比べるとやや色は薄めです。食べてみたところ味の方は下茹でしたものに比べると味の染みこみは浅いです。
ただ食感の方はこちらは少しぶよっとした感じはありますが、生の大根から作ったような柔らかさはまだ大分残っていて、まだこれなら食べれるレベルです。
正直下茹でしたものよりも生で冷凍した方が食感がだいぶ良くなるとは思わなかったので、これはかなり意外でした。
一応下茹でしたものはだし汁で煮込んだ時間の25分と下茹でした15分で合計40分煮ています。一方生で冷凍した方はだし汁で煮込んだ時間の25分なので、さらにそのまま15分煮込み続けてみました。
こちらは40分煮込んだものです。25分の時に比べるとだいぶ色も濃くなっています。食べてみたところ25分の時よりもさらに味は染みています。それでも味の染みこみ自体は下茹でしたものの方がよかったです。
食感の方は40分煮込みましたが、ぶよっとした感じが強くなることもなく、適度に柔らかさや固さが残っていてこちらもまだ食べれるレベルでした。
星で表すなら生の大根で作っただし煮が星5なら生のまま冷凍した大根を使っただし煮は星3.0、下茹でしてから冷凍した大根を使っただし煮は星1.5といった感じです。
下茹でして冷凍した大根はおいしくはありませんでしたが、生で冷凍した大根ならまだ冷凍後でも食べれるレベルだとは思います。
それでもやはり生の大根で作ったものに比べると食感の部分で結構差があるので、輪切りでの冷凍自体はあまりおすすめしません。どうしてもというなら生での冷凍をおすすめします。
ちなみに今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よろしかったら合わせて参考にしてみてください。
ここまで通常通り大根を輪切りにして冷凍した場合どうなるかを見てきましたが、大根の冷凍も一工夫くわえるだけでかなり食感の落ちを抑えて冷凍することができます。
使うのは金属トレイです。
金属トレイは熱伝導率が高く、大根の下に引いて、さらに上からも乗せることで通常よりも早く冷凍することができます。
食品というのはゆっくりと冷凍させると氷の結晶も大きくなるので食品へのダメージもその分大きくなります。一方急速に冷凍させると氷の結晶も大きくならないうちに冷凍ができるので、食品へのダメージも小さく抑えることができます。
なので金属トレイを使うわけです。実際に下茹でした大根と生の大根をそれぞれ金属トレイではさんで冷凍してみました。
それぞれ同じようにだし煮にして食べてみましたが、ぶよぶよした食感は大きく改善して、しっとりと柔らかい食感になっています。
さらに下茹でしたものと生で冷凍したものだと下茹でして冷凍したものの方がより食感はよかったです。
星で表すなら生の大根で作っただし煮が星5なら、下茹でして急速冷凍した大根のだし煮は星3.9、生で急速冷凍した大根のだし煮は星3.4といった感じです。
ただ下茹でして急速冷凍した大根のだし煮ですが、普通に食べれるレベルではあるのですが、それでも少しぶよっとした食感は出ているので、おすすめするにはあともう1歩足りない感じです。
こちらの検証については大根の輪切りが冷凍してもまずくならない驚きの保存法を紹介!鍵は金属トレイ!でも詳しく検証しているので、こちらも参考にしてみてください。
大根は冷凍するなら薄くいちょう切りにしたり大根おろしにしてから冷凍することで、食感の落ちをそこまで気にせずに冷凍することができます。なので大根を冷凍するならこちらの方法もおすすめです。
いちょう切りにして冷凍保存する方法については大根の冷凍保存と失敗しない解凍のコツ、活用レシピも紹介でも詳しく解説しています。
大根おろしにして冷凍保存する方法については大根おろしを冷凍保存するなら汁は捨てる、汁ごと冷凍のどっちが正解?検証してみたら驚きの結果に!でも詳しく取り上げています。
今回は大根の輪切りは冷凍保存できるのかどうかを検証しました。結果は生であればまだ食べれるレベルで冷凍することはできます。
ただそれでも冷凍してない生の大根から作っただし煮に比べると食感の部分での落ちは目立ってしまうので、輪切りでの冷凍保存はあまりおすすめしません。冷凍保存するならいちょう切りや大根おろしにしての保存がおすすめです。