ごぼうは土付きと洗ってあるもので長持ちするのはどちらかを検証してみた
はじめに
ごぼうといえば土付きが基本ですが、あらかじめ洗ってあるものも売られています。土を洗い落とす手間が省ける反面、鮮度の持ちは土付きに比べてよくないといわれています。では実際のところほんとにそうなのでしょうか。気になったので検証してみることにします。
今回試す保存方法
湿らせた新聞紙とポリ袋で保存
今回は土付きのごぼうと洗ってあるごぼうで、同じ保存法でどのような違いが出るかを見ていきます。今回検証するのは次の3つの保存法です。1つは新聞紙に包んでその新聞紙を霧吹きで湿らせ、そのうえでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
新聞紙とポリ袋で保存
もう一つは新聞紙で包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
何もしないで保存
そして最後は何もしないでそのまま冷蔵庫の野菜室で保存します。
ごぼうを湿らせた新聞紙とポリ袋で保存
1日目の土付きのごぼうと洗ったごぼう
まずは新聞紙で包んで霧吹きで湿らせ、ポリ袋に入れる方法を試してみます。こちらは初日の土付きの方のごぼうです。まだしっかりとハリや固さがあります。

断面もみずみずしいです。

重さは59.2gです。

一方こちらは土を洗ってある方のごぼうです。こちらもハリや固さがしっかりとあります。

断面もみずみずしいです。

重さは53.6gです。
10日目の土付きのごぼうと洗ったごぼう
10日目では土付きの方は、こちらは見た目にはそこまで大きな変化はありません。触ってもしっかりと固さを維持しています。

断面はやや乾燥してきています。

重さは57.8gで、初日の59.2gからは2.4%しか減少していません。

一方で洗ってある方は、こちらも見た目にはそこまで大きな変化はありません。触った感じもしっかりと固いです。

断面はやや乾燥してきています。

重さは52.4gで、初日の53.6gからは2.3%減少しています。
経過日数 | 土付きごぼう | 洗ったごぼう |
1日目 | 59.2g | 53.6g |
10日目 | 57.8g(-2.4%) | 52.4g(-2.3%) |
土付きと洗ったごぼうの検証結果
湿らせた新聞紙で包んでポリ袋に入れ、保存したごぼうでは、土付きでも洗ったものでもしっかりとハリや固さは維持できていました。重さの減少率にしても2.4%と、3.0%であまり差がないです。
ごぼうを新聞紙とポリ袋で保存
1日目の土付きのごぼうと洗ったごぼう
つぎに新聞紙で包んで、霧吹きなどはせずにポリ袋に入れて保存する方法です。こちらは初日の土付きのごぼうです。こちらもしっかりとハリや固さがあります。

断面もみずみずしいです。

重さは55.0gです。

こちらは初日の洗ってあるごぼうです。こちらもハリがあり、しっかりとした固さもあります。

断面もみずみずしいです。

重さは57.3gです。
10日目の土付きのごぼうと洗ったごぼう
10日目では土付きの方は見た感じはそこまで変化は見られません。ただ触ると若干柔らかくなってきています。

断面はやや乾燥してきています。

重さは49.8gで、初日の55.0gからは9.5%減少しています。

こちらは洗ってある方のごぼうです。こちらも見た目は特に変化はありません。ただ若干柔らかくはなってきています。

断面はやや乾燥してきています。

重さは52.4gで、初日の57.3gからは8.6%減少しています。
経過日数 | 土付きごぼう | 洗ったごぼう |
1日目 | 55.0g | 57.3g |
10日目 | 49.8g(-9.5%) | 52.4g(-8.6%) |
土付きと洗ったごぼうの検証結果
新聞紙で包んでポリ袋に入れ、保存したごぼうでは、土付きでも洗ったものでもやや柔らかくはなりましたが、固さやハリは比較的維持できています。重さの減少率にしても9.5%と、8.6%であまり差がないです。
ごぼうをそのまま保存
1日目の土付きのごぼうと洗ったごぼう
最後にそのままで野菜室で保存する方法です。こちらは初日の土付きのごぼうです。初日なのでハリや固さもしっかりとあります。

断面もみずみずしいです。

重さは46.5gです。

こちらは初日の洗ってあるごぼうです。こちらもハリや固さがしっかりとあります。

断面もみずみずしいです。

重さは47.3gです。
5日目の土付きのごぼうと洗ったごぼう
5日目になると土付きの方はさらにしなびて、触ってもふにゃっとしてきています。

カットした断面もかなりしなびてしまいました。

重さは20.3gで、初日の46.5gからはなんと56.4%も減少しています。

こちらは5日目の洗ってあるごぼうです。こちらもさらに細くなりしなびてきました。触るとふにゃっとしています。

断面もしなびて小さくなってきています。

重さは22.6gで、初日の47.3gからは52.3%も減少しています。どちらもすでにかなりしなびてしまっているので、何もせずに保存するほうの検証は5日目までとします。
経過日数 | 土付きごぼう | 洗ったごぼう |
1日目 | 46.5g | 47.3g |
5日目 | 20.3g(-56.4%) | 22.6g(-52.3%) |
土付きと洗ったごぼうの検証結果
何もせずに保存したごぼうでは、土付きでも洗ったものでもどちらもかなりしなびれてしまいました。重さの減少率にしても56.4%と、52.3%であまり差がないです。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
しなびたごぼうも再生できる
ちなみにそのまま保存して、しなびてしまったごぼうも復活させる方法はあります。やり方は簡単で、しなびたごぼうを水に浸けておくだけです。これを冷蔵庫の野菜室で1日置いておきます。
1日たつとこのようにしなびていたごぼうもしっかりと水分を吸収し、ハリや固さも取り戻しています。
重さは46.2gで、しなびる前の初日の重さ46.5gの0.7%減にまで戻しています。
ちなみにしなびたごぼうの再生については
しなびたごぼうが元通りになるの?ごぼうの復活術、再生術を検証しますでも詳しく解説しています。また以下の動画でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
ごぼうを冷凍保存で長持ち
ちなみに土付きのごぼうも洗ってるごぼうも、冷凍保存しておけば長期間保存ができます。土付きのごぼうは土をたわしなどで洗い落としてからささがきや千切りにします。
これを熱湯で1分ほど茹でてから冷まし、冷凍用保存袋に入れます。あとは冷凍庫で保存すれば1か月は持ちます。詳しくは
ごぼうの保存方法と保存期間、長持ちのコツで解説しているので、併せて参考にしてみてください。
まとめ
今回は土付きのごぼうと洗ってあるごぼうで、保存したときに鮮度の持ちにどのような差が出るかを検証してみました。検証したところそのままで保存した場合も、新聞紙とポリ袋に入れて保存した場合も、濡らした新聞紙とポリ袋に入れて保存した場合も、ハリや固さにそこまで大きな差は見られませんでした。
そのままで保存した場合は土付きでも洗ってあるものでも、水分が抜けしなしなになります。一方新聞紙とポリ袋に入れた場合はどちらもしっかりとハリと固さを保ったまま保存しておくことができます。
ただ味に関しては購入時に調理して食べ比べてみましたが、土付きのほうが風味や香りは強いです。保存性に関してはどちらもそれほど差はありませんでしたが、風味や香りを重視するなら最初から土付きのものを選ぶといいです。洗う手間を省きたいなら洗ってあるものを選ぶといいです。
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