HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > ゴーヤ(にがうり)の冷凍保存と失敗しない解凍のコツ、活用レシピも紹介
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ゴーヤもそれほど長くは持たない野菜です。冷蔵庫でも保存できますが、たくさん買ってきた場合やすぐに使う予定がない場合は、冷凍庫で保存しておくのもおすすめです。そこで今回はゴーヤの冷凍保存の方法を詳しく見ていくことにします。
さらに冷凍保存しておいたゴーヤの上手な解凍方法や、冷凍したゴーヤを使ったおいしいレシピ、作り置きのおかずにして冷凍保存する方法なども紹介します。
ゴーヤはそのまま冷凍保存するには適してきません。冷凍保存する場合はゆでたり炒めたりして、加熱処理してから保存するようにしましょう。
ゴーヤは塩もみした後に茹でてから冷凍保存することができます。まずはゴーヤの半分にカットして、ワタと種をスプーンでくりぬきます。
そうすると下の画像のようになります。
これを2〜3mmの厚さに薄切りにして、ゴーヤ1本に対して塩小さじ1/2と砂糖小さじ2を加えてよくもんで、30分ほど置いておきます。塩小さじ1だけでもいいですが、塩と砂糖を合わせた方が苦味はとれます。
後は水けを軽く切ってから塩、砂糖がついたまま、沸騰した湯で30秒ほど茹でます。
ざるに上げ冷水にはさらさず、粗熱が取れるまでおいておきます。冷めて来たらキッチンペーパーで軽く表面を拭いてから冷凍用保存袋に平らになるように入れ、金属トレイの上にのせてから冷凍保存します。これで1ヵ月は保存ができます。
ちなみに今回はゴーヤの苦み取りで塩と砂糖を振りかけましたが、塩だけの場合と砂糖だけの場合だとどうなるのでしょうか。気になったので実際に試してみました。
結果は以下の通りです。塩だけの場合でも苦みは結構抑えられます。ただ砂糖だけの場合の方が苦みを抑える効果は高かったです。ただ砂糖だけだと砂糖の味が強く出すぎて、ゴーヤ自体の味が隠れてしまいます。
一方塩と砂糖を振りかけたものは、苦みを抑える効果も高く、また塩によって砂糖の甘さも抑えられてちょうどいい味になります。なのでやはりゴーヤの苦みを取るなら塩と砂糖を加えたものが最もよかったです。
ちなみに塩、砂糖、塩と砂糖を加えた時の苦みを抑える効果や、茹でる、レンジで加熱、炒めた時の苦みを抑える効果の違いについてもゴーヤの苦みを取るなら塩、砂糖、塩と砂糖のどれが正解?茹でる炒める水にさらすは効果あるの?で詳しく検証しているので、こちらも併せて参考にしてみてください。
茹でたゴーヤを冷凍保存すると、下の画像のようになります。これが冷凍保存したゴーヤです。冷凍保存するとカチカチに固まります。食べる際は解凍が必要です。
解凍は前日に冷蔵庫に移して自然解凍するといいです。常温で解凍するよりも低温下で解凍した方が水分の流出も少なくて済み、味や食感の落ちも最小限に抑えることができます。和え物やサラダなどに使う場合は自然解凍したものを使いますが、スープや炒め物に利用する場合は直接凍ったまま使ってもかまいません。
時間がないときは流水解凍でもいいです。ボールに入れて少しずつ水を流しながら解凍します。だいたい30分ぐらいで解凍できます。
それでは冷凍保存した茹でたゴーヤを使ったレシピをいくつか紹介します。まずはゴーヤと焼き豚のマヨサラダです。使う材料は以下の通りです。
作り方は簡単です。ゴーヤはすでに茹でたものを解凍しているので、後は焼き豚を3mm〜4mmほどの薄さに切ってから半分に切ります。ボールにゴーヤと焼き豚を入れ、その上から調味料Aをくわえます。
後はよく混ぜ合わせれば出来上がりです。
次に沖縄の伝統料理であるゴーヤチャンプル―を紹介します。こちらも冷凍しておいたゴーヤでもおいしく作ることができます。もちろん生のゴーヤを使ってもかまいません。作り方を紹介します。まずは使う材料です。
作り方は木綿豆腐を布巾で包みトレイの上に乗せ、さらに上からもトレイを載せその上に重しとなるものを載せます。下の画像では袋詰めの砂糖を載せています。
このように乗せると全体に均等に重みが伝わり、豆腐の水気もまんべんなく抜けます。これで1時間ほど置いておきます。
冷凍したゴーヤは前日の夜に冷蔵庫に入れ、自然解凍しておきます。すでに冷凍保存する際に砂糖と塩で苦味抜きをしているので、この作業は省略できます。一から作る場合は、ゴーヤ1本分ならカットして塩小さじ2分の1、砂糖小さじ2をふりかけて30分ほど置いておきます。
豚肉は3、4cm幅に切り、トレイの上にのせてから塩少々と、黒こしょうを少し多めに振っておきます。
1時間置いて水切りした木綿豆腐は手で適当なサイズにちぎります。そしてフライパンにサラダ油をひいて中火で熱し、豆腐を加えて炒めます。
黄色い焼き色がついて来たらいったんトレイに取り出します。
次に同じフライパンにごま油を入れ、ゴーヤを入れて炒めます。
ゴーヤに少し透明感が出てくる程度に炒めたらこちらもトレイにいったん取り出します。
フライパンに今度は豚肉を入れて、バラバラになるようにほぐしながら炒めます。
肉に火が通ったら次にゴーヤと豆腐を加えます。さっと混ぜ炒めたら、塩小さじ2分の1と黒コショウ少し多めをふりかけて、味を調えます。
上から溶きたまごを流し入れ、たまごが細かくなりすぎないよう10秒ほど待ってからフライパンを振ります。最後に薄口しょうゆを振りかけて、ひと混ぜすれば完成です。
ゴーヤはゆでる以外でも炒めてから冷凍保存してもいいです。加熱処理してから保存することで保存性が増します。まずはゴーヤを半分にカットして、中のワタと種をスプーンでくりぬきます。
これを2〜3mmの厚さに薄切りにします。次にフライパンにサラダ油(ゴーヤ1本なら大さじ1)をひき、熱してからゴーヤを炒めます。油は使う料理に応じてゴマ油やオリーブオイルなどに変えてもいいです。
火が通ったらゴーヤを取り出し、冷めるまで待ちます。ゴーヤがさめたら冷凍用の保存袋に入れ、金属トレイの上にのせて冷凍保存します。これで1ヵ月は保存ができます。
ゴーヤを炒めてから冷凍保存すると、下の画像のようになります。これが冷凍保存した炒めたゴーヤです。冷凍保存するとカチカチに固まります。料理に使う際は直接冷凍のまま使ってもいいです。
冷蔵庫で自然解凍してから使ってもいいです。下の画像は自然解凍した炒めたゴーヤです。解凍する時間がない場合は電子レンジの生解凍キーで解凍するといいです。加熱しすぎないよう様子を見ながら解凍しましょう。
それでは冷凍保存した炒めたゴーヤを使ったレシピを紹介します。紹介するのはゴーヤとベーコンのマヨネーズ和えです。使う材料は以下の通りです。
作り方はまずはベーコンを4cm幅ほどに切り分けます。次にフライパンにサラダ油をひいて中火で熱してからベーコンを入れて炒めます。
焼き色がついてきたら炒めていたゴーヤも加え、塩を少々ふってからさっと炒めます。
ボールに調味料Aを入れてよく混ぜ合わせ、この中に炒めたベーコンとゴーヤを入れてよく合えたら出来上がりです。
食品の冷凍保存のコツは冷凍にかける時間をいかに短くするかです。短時間に冷凍出来ればその分鮮度の落ちも抑えることができます。そこでゴーヤを冷凍保存する際は金属トレイを使うようにしましょう。金属トレイは熱伝導率が高いので、上に乗せたゴーヤに素早く冷気が伝わり、その分早く冷凍することができます。
ゴーヤを冷凍保存する際は保存袋の空気をしっかりと抜きましょう。空気は熱伝導率が低いので、空気がたくさん残っていると、その分冷凍にかかる時間も長くなっていしまいます。
食品を保存する場合はなるべく食品が薄く平らになるように並べます。こうすることで熱が均一にそして素早く伝わります。また解凍にかかる時間も短縮することができます。
冷凍保存では使いそびれて、いざ使う時にいつ保存したのかわからなくなるということもよくあります。長期保存ができるとはいえ限度があるので保存日が記入してあれば、まだ大丈夫なのか、あとどれくらい保存できるのかが判断しやすくなります。
そこで冷凍保存するときは保存袋には保存日と保存した中身についてはしっかりと記入しておくようにしましょう。
ちなみに冷凍用保存袋といえばジップロックが有名ですが、こちらはあらかじめ保存袋の表面に日付や保存する食材名を記入する欄がプリントされています。ジップロックはS、M、Lとサイズがあり、スーパーやドラッグストアなどでも売っていますが、ネットでまとめて購入することもできます。
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冷蔵庫は0度から5度の保温温度に設定されています。一方冷凍庫は食品をしっかりと冷凍させるためマイナス18度に設定されています。食品は急速冷凍させるほど鮮度を保って保存ができます。そのため高価格な製品ではマイナス30度に設定しているものもあります。
ゴーヤは冷蔵庫の野菜室でも保存ができます。まずは半分にカットして種とワタをくりぬき、ラップで包んで保存すれば1週間は保存ができます。
ゴーヤはざるにのせて2〜3日ほど天日干しにしてから、保存袋やビンにいれて冷蔵庫で保存もできます。この場合は1か月ほど保存ができます。ゴーヤの保存方法全般についてはゴーヤの保存方法と保存期間、長持ちのコツで解説しています。
ちなみに以下の動画では実際に種とワタをくりぬいてキッチンペーパーとラップで包んで保存する方法の効果を検証しています。併せて参考にしてみてください。
ゴーヤは冷凍保存することで長期保存も可能ですが、鮮度を保ちたいならまずは購入段階でいいものを選ぶことも大事です。そこでゴーヤの選び方・見分け方についても解説します。ゴーヤは鮮やかな緑色ではりがあるもの、太さは均一なもの、イボは隙間なく詰まっているもんがいいです。
手に取ってみて重量感のあるもの、イボにはりがあるもの、両端がふにゃふにゃしていないものも良品です。詳しくはゴーヤ(にがうり)の見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
以下ではゴーヤの見分け方・選び方をドアップの映像で動画で解説しているので、併せて参考にしてみてください。
今回はゴーヤの冷凍保存の仕方について見ていきました。ゆでたり炒めたりして一度火に通すことでゴーヤは冷凍保存が可能です。ゴーヤは夏場が旬で、その時期にはお手頃価格で市場に出回ります。一度にたくさん買いすぎた場合でも、冷凍保存しておけば、無駄なく消費することが可能です。
今回取り上げた冷凍保存したゴーヤを使ったレシピなどもぜひ参考にしてみてください。