ゴーヤはそのままだと風味や鮮度が落ちやすいので、買ってきたらワタと種をくりぬいてから保存した方がいいといいますが、実際はどうなのでしょうか。気になったので何もしないで保存した場合と比較して、味や風味に違いがあるのかを検証してみることにします。
まずはワタと種をくりぬいて保存する方法を解説します。最初にゴーヤを包丁で半分にカットします。これがゴーヤの断面です。ワタや種がぎっしり詰まっているのがわかるかと思います。
次にスプーンなどを使ってワタと種をくりぬいていきます。ワタは柔らかいので簡単にくりぬけます。
こちらがワタと種をくりぬいたものです。
これをキッチンペーパーで包み、上からさらにラップで包みます。これで冷蔵庫の野菜室で保存します。
それでは実際にどのように見た目が変化していくのかを見ていきます。まずは1日目です。表側はみずみずしくてハリがあります。
こちらは3日目です。特には変化は見られません。
こちらは5日目です。特に変化は見られません。
こちらは1週間目です。表面は少ししなびた感じが出てきましたが、触るとまだしっかりとハリや固さがあります。
並べるとこんな感じです。左上は初日の種とワタをくりぬいて保存するゴーヤで、右上は3日目の種とワタをくりぬいて保存したゴーヤ、左下は5日目のゴーヤで、右下は1週間目のゴーヤです。
次はワタと種をくりぬいた内側の変化を見ていきます。まずは1日目です。
こちらは3日目です。そんなに変化は見られませんが少し表面が乾燥してきています。
こちらは1週間目です。見た感じではそこまで大きな差は見られません。
1週間目までの変化を並べるとこんな感じです。3日目以降はそこまで大きな変化は見られません。
重さの変化も見ていきます。1日目は113.8gで、3日目は112.3g(-1.4%)、5日目は111.2g(-2.3%)で1週間目は110.3g(-3.1%)です。1週間でもそこまで重さは減ってはいません。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のワタと種をくりぬいて保存したゴーヤ | 113.8g |
3日目のワタと種をくりぬいてゴーヤ | 112.3g(-1.4%) |
5日目のワタと種をくりぬいて保存したゴーヤ | 111.2g(-2.3%) |
1週間目のワタと種をくりぬいてしたゴーヤ | 110.3g(-3.1%) |
種とワタをくりぬいてラップをして野菜室で1週間保存したゴーヤですが、茹でてから食べてみたところ、歯ごたえもあり、味や苦みもしっかりとありました。
つぎはゴーヤのワタと種はとらずにそのままで新聞紙に包んでポリ袋に入れ、野菜室で保存した場合の変化を見ていきます。
まずは1日目です。初日はみずみずしくてハリがあり新鮮です。
こちらは3日目です。少しツヤはなくなっていますがほとんど変化はありません。
こちらは5日目です。特に大きな変化は見られません。
つぎは1週間目の新聞紙とポリ袋で保存したゴーヤです。表面は若干しなびた感じがします。固さはほとんど変わりませんが、ワタをくりぬいてからラップをしたほうと比べると若干柔らかい印象です。
並べるとこんな感じです。左上は初日の新聞紙とポリ袋で保存するゴーヤで、右上は3日目の新聞紙とポリ袋で保存したゴーヤ、左下は5日目のゴーヤで右下は1週間目のゴーヤです。こちらは並べてみても大きな変化は見られません。
重さの変化も見ていきます。1日目は243.5gで、3日目は242.6g(-0.4%)、5日目は241.3g(-1%)で1週間目は240.3g(-1.4%)です。こちらは種とワタをくりぬいて保存したものよりもさらに重さの減りが少ないです。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存したゴーヤ | 243.5g |
3日目の新聞紙とポリ袋に入れてゴーヤ | 242.6g(-0.4%) |
5日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したゴーヤ | 241.3g(-1%) |
1週間目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したゴーヤ | 240.3g(-1.4%) |
ワタと種はそのままで新聞紙とポリ袋に入れて1週間保存したゴーヤですが、カットした断面は全体的に黄色に変色してきていて、さらにスカスカになってきています。栄養成分がかなり種に吸収されているのかもしれません。
実際に茹でてから食べてみたところ、先にワタをくりぬいて保存した方と比べると、やや味が苦みが薄くなっている感じがします。
最後にゴーヤのワタと種はそのままで、さらに新聞紙やポリ袋にも入れないで野菜室で保存した場合の変化を見ていきます。
まずは1日目です。色つやもよくみずみずしくてハリがあり、しっかりと固さもあります。
こちらは3日目です。3日目にはややしなびれてきています。
こちらは5日目です。5日目ではだいぶしなびてきました。また触ったときの食感も柔らかくなってきています。
こちらは1週間目です。1週間目にもなるとかなりしなびれてきて、触ると柔らかくてふかふかしています。
並べるとこんな感じです。左上は初日のそのまま保存するゴーヤで、右上は3日目のそのまま保存したゴーヤ、左下は5日目のゴーヤで、右下は1週間目のゴーヤです。日ごとにしなびてきているのがわかるかと思います。
1週間目の保存方法別のそれぞれのゴーヤを並べてみるとこんな感じです。左はとワタをくりぬいてからキッチンペーパーとラップで包んで、野菜室で保存したゴーヤで、真ん中は新聞紙とポリ袋に入れて野菜室で保存したゴーヤ、右はそのまま野菜室で保存したゴーヤです。
表面に関してはそのまま保存したものが最もしなびれています。他二つは比較的ハリやみずみずしさを維持しています。ただ味や風味に関してはワタをくりぬいてからキッチンペーパーとラップで包んで、野菜室で保存したゴーヤがもっともよかったです。
重さの変化も見ていきます。1日目は281.3gで、3日目は266.4g(-5.3%)、5日目は251.1g(-10.8%)で1週間目は236.1g(-16.1%)です。こちらは1週間でかなり重さが減っています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのまま保存したゴーヤ | 281.3g |
3日目のそのまま保存したゴーヤ | 266.4g(-5.3%) |
5日目のそのまま保存したゴーヤ | 251.1g(-10.8%) |
1週間目のそのまま保存したゴーヤ | 236.1g(-16.1%) |
カットした断面はワタはしっかり詰まっていますが、全体的に熟してきたのか黄色に変色してきています。
茹でて食べてみたところ、味は薄味で、ゴーヤ特有の苦みもかなり落ちています。ワタと種付きで保存したので、やはりそちらの栄養成分が吸収されてしまったのかもしれません。
それぞれの保存方法での味の違いをまとめるとこんな感じです。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
ちなみにゴーヤは冷凍保存しておくことでも長期保存が可能です。カットして薄切りにし、茹でたり炒めたりしてから冷凍用保存袋に入れ冷凍保存もできます。冷凍保存は1か月ほど可能です。くわしくはゴーヤの冷凍保存と解凍方法、レンジや自然解凍の仕方で解説しています。
今回はゴーヤは種とワタをくりぬいてから保存したほうが、ほんとに味や鮮度が維持できるのかどうかを検証してみました。ハリや固さ、みずみずしさに関しては新聞紙とポリ袋に入れるだけでもかなり維持することができました。
ただそれでもワタと種をそのままにしていると、栄養成分がそちらに吸われてしまうのか、味や苦みがやや薄くなってしまいました。やはり言われている通り、種やワタを先に取ってから保存した方が、みずみずしさやハリだけでなく、味も維持できるようです。