白菜は鍋料理や漬物などによく利用される野菜ですが、おいしい白菜を見分けるにはどうすればよいのでしょうか。そこでここではまずは白菜の旬について取り上げ、白菜にはどのような種類があるのかについて解説します。
つぎにおいしい白菜を見た目で見分けるポイントと触ってみて見分けるポイントについて解説します。さらにスーパーなどでもよく見かけるカット済みの白菜の鮮度を見分けるポイントについても取り上げます。最後に白菜に含まれる栄養素と白菜の保存の仕方についても解説します。
白菜の旬は秋から冬にかけての11月〜2月です。白菜は霜にあたると風味と甘みが増し、繊維も柔らかくなるといわれています。この時期は特に茨木、長野、愛知産の流通量が多いです。春や夏にも白菜は流通していますが春物は茨城や長野産、夏物は主に長野産の白菜が流通しています。
白菜はもと中国原産でかぶの類縁種とチンゲンサイの類縁種が交雑してできたものです。それが中国の華北省で次第に結球性(葉が重なって球状になっている)が高まり現在多く流通しているような白菜となりました。日本に入ってきたのは明治時代で、日清・日露戦争時に民間人を通して流入し、全国に定着しました。
当初の白菜は半結球で、葉先が丸まっておらず外へと広がっていました。現在でも半結球の白菜は長崎白菜などが有名です。こちらは漬物などに利用されます。一般的には卵形で結球した白菜が広く流通しています。
昭和後期には球内全体が黄芯の黄芯白菜が主流となっています。このほか少しサイズの小さいミニ白菜なども使いきりやすいとして人気です。通常の白菜なら1.5kgほどですが、ミニだと1kgほどの重さです。
種類 | 見た目 | 特徴 |
---|---|---|
結球型白菜 | 葉がけっきゅしている | 広く一般に流通しているタイプ。最近は黄芯のものが主流。 |
半結球型白菜 | 葉が広がって結球してない | 日本では長崎白菜などが有名。漬物などに利用。近年は栽培が減少。 |
ミニ白菜 | サイズが小さい結球白菜 | サイズが小さく使いきりやすい |
外側の葉が奇麗な緑色で、みずみずしいものを選びましょう。
鮮度が落ちてくるとこのように葉の一部の緑が薄れ、黄色や茶色に変色してきます。
並べるとこんな感じです。左は葉の緑が濃い白菜で、右は葉が黄色や茶色に変色してきた白菜です。並べると色味の違いがよくわかるかと思います。
保存の仕方がよくなくて葉が黄色や茶色に変色してきた失敗談については白菜の葉が黄色や茶色に変色、間違った保存方法でこんなことに!ちなみにまだ食べれるの?でも詳しく取り上げているので合わせて参考にしてみてください。
外側の葉が全体を包むようにしっかりと巻いているものを選びましょう。
株の切り口の芯の部分が白くてみずみずしいものがいいです。芯の切り口が茶ばんでいるものは鮮度が落ちているので避けましょう。
白菜表面に黒い斑点が現れたものがありますが、これはゴマ症と呼ばれます。その正体はポリフェノールで、気温が高かったり低かったり、肥料が多すぎたりなどの栽培環境のストレスによって生じるものです。食べても全く害はなく、また食用にも特に問題はありません。
持ったときにずしりと重量感のあるものがいいです。しっかりと身が詰まっているものは十分な重量感がああります。巻きがゆるかったり鮮度が落ちてきているものは新鮮なものに比べて軽く感じます。
頭の部分を触ってみて弾力性のあるものは中の実もしっかりと詰まっています。一方でふかふかしていて葉先が真上を向いたものは巻きもゆるく、枚数も少ないです。
白菜は持ってみてその重量感などからも鮮度の良しあしを判断しますが、では実際白菜はどのくらいの重さなのでしょうか。そこで実際に白菜の重さをはかってみることにします。検証したのは縦27.1cm、横15cmの白菜です。
このサイズでの重さは1518.1gでした。さらに白菜の重さは1個・1玉、半分、1/4、1/6、1/8で何グラム、大きさやカロリーは?では白菜をカットした際の重さ、ゆでた際の重さなども検証しています。
白菜の断面を見て葉の色が他の白菜と比べてより黄色が鮮やかなものを選びましょう。こちらは保存1日目の葉が黄色な白菜です。
白菜は日が経つと外側の葉から徐々に栄養分が消費され、中の葉の成長、結球に使われます。中心の葉の成長がすすむと、このように黄色から薄い黄緑へと変わってきます。ちなみにこちらは保存1週間目で葉が黄色から黄緑に変わってきた白菜です。
並べると色味の差がよくわかるかと思います。カットキャベツを選ぶ際はより黄色が鮮やかなものを選ぶといいです。日数の経過による色のあせ具合の変化についてはカットした白菜、使いかけで余った白菜の保存方法が本当に効果があるのか検証してみたでも詳しく検証しているのでこちらも参考にしてみてください。
まずはカットした断面が白くてみずみずしいものが新鮮です。
鮮度が落ちてくると断面から酸化していき、このようにくすんだ色に変わっていきます。ちなみに色がくすんだだけならまだ食べることはできます。
気になるならこのように薄く表面をカットするといいです。中はまだ白くてみずみずしい状態です。
並べてみるとこんな感じです。左は断面が白くてみずみずしいカットした白菜で、右は断面の色がくすんできたカットした白菜です。並べてみると色の差がよくわかるかと思います。
断面の芯の部分が盛り上がってきているものは鮮度が落ちてきているので、断面が平らなものを選びましょう。こちらは断面が平面な白菜です。
一方こちらは断面が中心から盛り上がってきた白菜です。白菜は外の葉から成長していき、成長したそとの葉が中の葉へと栄養を送ることで中の葉は結球していきます。
中の葉が盛り上がっているのはそれだけ時間がたち栄養が外から中に移っている証拠で、そのぶん鮮度も落ちます。
並べるとこんな感じです。断面の平面具合の違いがよくわかるかと思います。
白菜は育ちすぎても味が落ちるので、芯の高さが全体の3分の1以下のものを選びましょう。
それからカットした白菜はこのように芯の部分に包丁で切り込みを入れてから売られているものもあります。これは成長点である芯に切り込みを入れることで成長を抑え、葉の栄養分の消費を抑えるためにするものです。
ただ芯に切り込みを入れたものと入れなかったものを2週間保存してみて、結果を比較してみましたが、このようにどちらもそんなに差はありません。
なので選ぶ場合は芯に切り込みを入れているものでも、入れていないものでも特に気にする必要はないかと思います。切り込みの有無による保存結果の違いについてはカットした白菜の芯に切り込みを入れて保存した方が長持ちするって本当なの?検証してみたでも詳しく検証しているのでこちらも参考にしてみてください。
また芯に切り込みを入れてある場合、切り込み部分の開き具合にも注目してみるといいです。切り込みを入れてすぐだとこのように切り込み部分もそんなに隙間はありません。
これが3日経つとこのように開いてきます。
並べてみるとこんな感じです。この開き具合でも切り込みを入れてからどのくらいたっているのかを判断することができます。なので大きく開いているものは切り込みを入れてからだいぶ日数がたっているので鮮度もあまりよくありません。
白菜は傷んでくると茶色や黒に変色してきますが、まだこの時点なら変色した部分を取り除けた食べることができます。さらに傷みが進み腐ってくると変色した部分が広がりとろりととろけた状態になり、濁った汁も出てきます。調理した場合もすっぱい味がします。もうこうなると食べることはできないので処分しましょう。
また保存の仕方によっては白菜の芯に白カビが生えてくることもあります。まだ一部であればその部分をしっかりとカットすれば残りは食べられますが、白カビの繁殖が広がった場合は捨てた方がいいです。
ちなみに白菜の芯に白カビをはやしてしまった失敗談については白菜に白カビが!この保存法だけはやっちゃダメ!ちなみにまだ食べれるの?でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
新鮮でおいしい白菜を選んでも上手に保存せずに傷めてしまっては元も子もありません。そこで白菜の上手な保存の仕方について解説します。白菜は丸ごとなら冬場なら冷暗所でも2週間ほど保存できます。冷蔵庫なら1ヵ月は保存が可能です。保存はまずは芯にこのようにつまようじを刺して飛び出た部分をカットします。
あとは新聞紙に包んでポリ袋に入れ、立てて保存します。
カットしたものはラップをして冷蔵庫で保存で2週間ほど可能です。茹でたり塩もみにしてからなら冷凍保存も可能で3週間ほど保存できます。天日で乾燥させて冷蔵庫で保存しても1ヵ月は保存が可能です。白菜の保存方法については詳しくは白菜の保存方法と保存期間、長持ちのコツで解説しています。
白菜はビタミンCも豊富で、特に外側の葉に多く含まれます。ビタミンCは抗酸化作用で体を酸化や老化から守ってくれます。またコラーゲンの合成や動脈硬化の予防にも働きます。
白菜は長時間水にさらしたりゆでたりすると、ビタミンCが抜けだしてしまうので、調理するなら汁までいただける鍋やスープ、炒め物や蒸し物がいいです。ビタミンCの効果についてはビタミンCの効果・効能でも詳しく解説しています。
白菜にはこのほかカルシウムやカリウム、ビタミンKなどもよく含まれています。
まずは目で見て判断します。白菜は外葉がいきいきとした緑色で巻きがしっかりしたもの、芯の切り口が白いものを選びます。次に手に持ってチェックです。しっかりと重量感のあるもの、頭の部分を触ってみてふわふわではなく弾力性のあるものを選びます。
カットしたものは断面で葉がしっかりと詰まっているもの、中心の芯の部分が盛り上がってなくて平らなもの、芯の高さが全体の3分の1以下のものを選びます。