ホクホクしておいしいジャガイモは煮物料理や炒め物、フライドポテトやマッシュポテトなど調理法もさまざまです。今回はジャガイモについてまずはその旬はいつなのかを調べ、含まれる栄養素の特徴や、ジャガイモの品種などについて見て行きます。
そしてジャガイモを見分ける際のポイントは何なのかを詳しく解説していきます。また見分ける手順や保存法などについても取り上げます。
ジャガイモは全国で栽培され、栽培時期も各地で異なります。貯蔵もきくことから1年中出回っています。九州産は秋に植えられ2、3月に出荷され、平均的な静岡産は5、6月に、関東産は6、7月に出荷されます。最大産地である北海道産は春に植えられ、8月ごろから出荷されます。そこから貯蔵され春先まで出荷されます。北海道産は国内の生産量のおよそ6割を占めています。
一般に5月から6月のものを新じゃがといいます。皮が薄くてみずみずしいのが特徴です。こすっただけでも皮がはがれそうなものほど良品です。古くなるほど風味が失われてくるので早めに食べましょう。生産地によって収穫時期が異なるため旬も生産地によって変わります。
ジャガイモは南アメリカのアンデス山脈のチチカカ湖周辺が原産地で、紀元前から栽培され現地で食用として利用されてきました。日本には安土桃山時代に伝わったとされ、ジャワ(インドネシア)のジャガタラから長崎に伝わったことからジャガイモと呼ばれるようになりました。
淡白な味であったため当初はあまり注目されませんでした。日本で本格的に栽培されるようになったのは明治以降で、北海道の開拓とともにアメリカから多くの品種がやってきました。
現在日本で流通している最も多い品種は男爵イモです。他にもやや長卵型のメ―クイーンや男爵いもの改良版のキタアカリ、加工用に利用されるホッカイコガネや皮がやや紅色の紅丸などの品種が有名です。ちなみに下の画像は男爵いもとメークインです。
比べるとメークインは男爵イモと比べて細長い形状です。男爵いもとメークインの違いについては男爵いもとメークインの違いと料理での使い分けで詳しく解説しています。
種類 | 見た目 | 味とあう料理 | 原産地 |
---|---|---|---|
男爵イモ | 球形で果肉は白い | 肉質が粉質でほくほく、粉吹き芋やマッシュポテト、ポテトサラダなどに | アメリカ |
メークイーン | 長卵型で淡い黄色の果肉 | 肉質はち密で煮崩れしにくいので煮物などに | 英国 |
キタアカリ | 球形で明るい黄色の果肉 | 柔らかくて煮崩れしやすいポテトサラダやコロッケなどに | 北海道 |
ホッカイコガネ | 長楕円形で果肉は黄色い | 肉質は粉質でフライドポテトなどに | 北海道 |
紅丸 | 皮は紅色で果肉は白い | 煮崩れしにくく煮物などに | 北海道 |
じゃがいもは、ふっくらとして丸みのあるもの、表面がなめらかで傷やしわの少ないものを選びましょう。でこぼこの多いものは生育不良なので避けたほうがいいでしょう。
「男爵いも」、「キタアカリ」は中ぐらいの大きさでずしりと重いものが良品です。大きすぎるとスが入りやすく、また中心部も空洞化して水っぽくなっている事が多いです。
「メークイン」、「ホッカイコガネ」などの品種は多少大きくてもかまいません。表面がなめらかでしなびれていないものを選びましょう。
じゃがいもは基本貯蔵のきく食べ物ですが、日がたつと芽の周りが緑色に変化していきます。また光に照らされれた場合もすぐに緑がかってきます。光を浴びると発芽も促され芽も出やすくなります。
芽が緑がかった部分にはソラニンが含まれています。ソラニンとはアルカロイドの一種でポテトグリコアルカロイド(PGA)と呼ばれる有毒物質です。アルカロイドの特徴は強い生理作用で、中毒となるものもあれば薬として利用されるものもあります(カフェインやモルヒネ、ニコチンなどもアルカロイドの一種)。
ソラニンを含む芽や緑がかった皮を食べるとめまいや腹痛、場合によっては命を落とす危険もあるので注意してください。
芽が出たもの、緑がかったものの対処法は、しっかりと芽を取り除き、皮を厚くむく事です。ソラニンは熱に強いので、火にかけてもなかなか分解されません。そのかわり水にとけやすい性質があるので、芽を取り除いて皮をむいたじゃがいもを水につけておくとある程度はぬけていきます。
ちなみに緑がかったじゃがいもについては緑がかったじゃがいもって食べられるの?でも詳しく解説しています。また以下の動画でも詳しく検証しているので、併せて参考にしてみてください。
じゃがいもは手で触って皮の薄さを感じるものほど良品です。生育しすぎのものは皮が厚くなります。順調に成長したものは皮も薄く表面も滑らかです。
じゃがいもは触ってみて固さがあり、しっかりとした重量感のあるものがいいです。しわが寄って表面が柔らかいものは鮮度がだいぶ落ちています。また軽いものは水分が抜けてスが入っている可能性があります。
じゃがいもは持ってみてその重量感などからも鮮度の良しあしを判断できますが、では実際じゃがいもはどのくらいの重さなのでしょうか。そこで実際にじゃがいもの重さをはかってみることにします。検証したのは縦は6.5cm、横6cmのじゃがいもです。
このサイズでの重さは128.0gでした。さらにじゃがいもの重さは1個、半分で何グラム、大きさやカロリーは?ではじゃがいもをカットした際の重さや100g分の分量なども検証しています。
じゃがいもはカットして売られていることはまれで、丸ごと1個で販売されているものですが、購入したジャガイモを切った際に鮮度を確認する方法を紹介します。カットしたジャガイモは断面がみずみずしくて、スの入っていないものが鮮度がいいです。
以下ではじゃがいもの見分け方・選び方をドアップの映像で動画で解説しているので、併せて参考にしてみてください。
じゃがいもにはいくつかの品種があり特徴も異なります。まずは「男爵いも」や「キタアカリ」などデンブンが多く含まれる粉質のものです。熱に弱いでんぷんを多く含むので、煮崩れしやすく、用途としてはポテトサラダやコロッケなどにむいています。
じゃがいもに含まれるデンプンは冷蔵庫のような低温下だと糖分へと変わり、甘みが増す特徴があります。その代わりホクホク感は減少します。男爵イモやキタアカリも煮物や揚げ物で使う時は1日ほど冷蔵庫で保存してから使うと、甘みが増して荷崩れしにくくなります。
ただし冷蔵庫は乾燥しているので長く保存すると水分が抜けてしわしわになってしまうので注意が必要です。通常は冷蔵庫の野菜室で保存します。
次に「メークイン」や「ホッカイコガネ」などデンプンが少なく粘質のものですが、デンプンが少ないので荷崩れしにくく、カレーやシチュー、肉じゃがなどの用途にむいています。
じゃがいもも日がたって水分が抜けてくるとしわしわになって柔らかくなってきます。しかしながら切ってみて断面が白や黄色がかっていてまだきれいなら食べられます。シャキシャキとした食感はなくなりますが、糖分は増しているので煮物などにはいいです。
じゃがいもが傷んでくるとぐちゃっとなってきて茶色っぽい汁も出てきます。身も黒っぽくなって何より腐ったようなにおいが出てくるので傷んでくるとすぐにわかります。こうなるともう食べられません。
最後にジャガイモの保存方法について解説します。ジャガイモは日の光を浴びると発芽が促進されてしまうので日の当たらない場所などでの保存が基本です。夏なら冷蔵庫の野菜室、冬の寒い日なら冷暗所でも可能です。
冷蔵庫では乾燥して水分が抜けないよう新聞紙などに包んで保存するといいでしょう。冷蔵庫の野菜室や冷暗所での保存なら2〜3か月は持ちます。リンゴと一緒に保存するとりんごから出るエチレンガスの働きにより発芽が抑制されます。
ジャガイモは冷凍保存には向いていませんが、マッシュポテトなどにしてからなら冷凍保存も可能です。冷凍保存なら1か月ほど持ちます。他にも天日干しにして保存したりもできます。ジャガイモの保存方法について詳しくはじゃがいもの保存方法と保存期間、長持ちのコツで解説しています。
ちなみに以下の動画では実際に新聞紙で包んでポリ袋に入れて保存する方法の効果を検証しています。併せて参考にしてみてください。
ジャガイモの主成分はでんぷんですがそのほかビタミンCやカリウム、食物繊維も豊富です。ビタミンCは粘膜を強化したり、免疫力を高めたり、抗酸化作用やシミ・そばかすの予防などの働きがあります。
ビタミンCは熱に弱いのですがジャガイモに含まれるでんぷんによりビタミンCが保護され、加熱によるビタミンCの損失が少ないのも特徴です。ビタミンCについてはビタミンCの多い食品・食べ物と含有量一覧でも詳しく解説しています。
カリウムには過剰な塩分を輩出する働きや高血圧を抑える働きがあります。ジャガイモにはこのカリウムも豊富です。カリウムについてはカリウムの多い食品・食べ物と含有量一覧で詳しく解説しています。
そのほかにもジャガイモのは食物繊維やビタミンB1、B2、B6なども含まれます。
じゃがいもはまずは見た目でふっくらとして丸みがあり、しわや傷が少ないもの、表面がなめらかで凸凹の少ないものを選びます。皮が緑がかってきている部分が見られるものは避けます。
男爵いもやキタアカリなら大きすぎないものを、メークインなら多少大きくても構いません。次に実際にてに持ってみて皮の薄さを感じるもの、重量感や固さのあるものを選びましょう。