スーパーの店頭などで一部が黄色やオレンジ色に変色したかぼちゃを見かけたことはありませんか?通常の緑一色のかぼちゃに比べると色味にかなり違いがあるので、購入するのをためらってしまう方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は一部がオレンジ色に変色したかぼちゃと緑一色のかぼちゃを購入し、それぞれ食べ比べて見て味や食感にどのように違いがあるのかを検証してみることにします。
まずはこちらが一部がオレンジ色に変色したかぼちゃです。かなり広範囲でオレンジ色に変色しているのがわかるかと思います。
ちなみになぜかぼちゃがオレンジ色に変色するかですが、これはかぼちゃが熟してきた証拠です。かぼちゃは常温で保存することで追熟していきます。
こちらは常温保存する1日目のかぼちゃです。
こちらは常温保存して1カ月半たったものです。
並べるとこんな感じで緑が薄まって一部が黄色っぽく変色しているのがわかるかと思います。
ちなみにかぼちゃの常温保存での追熟で味や食感はどうなるかについてはかぼちゃを常温保存で追熟させたらどのくらい甘みが増すのか検証してみたでも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
なので今回購入したこちらのかぼちゃもおそらくだいぶ追熟していることが予想されます。それでは実際に緑のかぼちゃと食べ比べて見て味や食感はどのように違うのかを見ていくことにします。
まずは半分にカットしてみます。こちらはカットした断面です。果肉が大分黄色っぽくなっていてよく熟しているのがわかります。種やワタに関しても特に傷んだ様子は見られません。
匂ってもみましたが特に変なにおいもしませんでした。
注目なのは外の皮が黄色く変色した部分に接した果肉の所です。この部分は他の果肉の所よりもより黄色く変色しているのがわかります。
どうやら果肉の中でも特に熟したことでこのように黄色もより濃くなり、表面の皮にまでその変色が広がっているようです。
種とわたをくりぬくとこんな感じです。特に傷んだ様子は見られません。
ちなみにこちらは比較用として購入した皮が濃い緑色で、特にオレンジ色に変色した部分の見られないかぼちゃです。
こちらも同じようにまずは半分にカットしてみました。断面はこんな感じです。こちらも中は黄色で種やワタもしっかり詰まっています。また外側の皮に近い部分に特に黄色く変色している部分も見られません。
並べるとこんな感じです。色見に関しては緑色のかぼちゃの方がやや黄色が鮮やかな感じがします。
種とワタをくりぬいてみましたがこちらも特に傷んだ様子もなくきれいです。
それでは実際に食べ比べてみることにします。まずはそれぞれこのように食べやすい大きさにカットします。
こちらを耐熱容器に入れ、かぼちゃ100gに対して小さじ2の水をふりかけます。
この上から軽くラップをのせ、レンジで加熱します。加熱時間は100g当たりで600Wで2分半、500Wなら3分です。
それではそれぞれのかぼちゃを実際に食べ比べて見ます。まずは皮の一部がオレンジ色に変色したかぼちゃです。こちらはレンジで加熱したものです。
食べてみたところかなり甘みが強いかぼちゃでした。やはり熟しているのか甘みが強くて栗のような甘みもあっておいしかったです。食感はほくほくとしていてこちらもよかったです。
煮物でもおいしそうですし、マッシュしてサラダにしてもいいしポタージュにしてもおいしいと思います。
一応果肉の中でもオレンジ色に変色した皮に接していて特に濃い黄色になった部分も食べてみました。こちらは甘みが強いのかと思っていましたが、そこまで他の部分と甘みは変わりませんでした。
それよりやや香ばしさを感じました。実はかぼちゃというのは店頭に並ぶ時点ですでに追熟して甘みが増しているものが多く、そこからさらに常温で保存して追熟させてもそんなに甘味は変わらないことが多いです。
むしろ追熟させることで香ばしさの方が出てきます。ただこれは別にまずくなるというわけではないです。味が少し変わってくるという感じです。今回もより黄色の濃い部分が香ばしさを感じましたが、それだけその部分が追熟が進んでいるのだと思われます。
オレンジ色に変色した皮自体も食べてみました。こちらも甘みが増しているのかなと予想したのですが、甘みはそんなに変わらなくて、若干薬っぽい味がしました。
ただ別に食べられないぐらいのひどさではなくて、食べる分にはそこまで問題ではないです。ただあまりおいしくはないので皮の部分はカットして利用するといいです。
薬っぽい理由ですが、おそらくクリスタル症状だと思われます。かぼちゃというのは高温下や乾燥した環境ではでんぷんが結晶化してしまうことがあります。これをクリスタル症状といいます。
以下はクリスタル症状の出たかぼちゃの断面です。白っぽくなっている部分があるのがわかるかと思います。
食べる分には問題ないのですが、味は薬っぽくなってかなりおいしくなくなります。よく見るとオレンジ色の皮の部分がこのように乾燥しているようにも見えます。
乾燥によりクリスタル症状が出てしまったのではないかと思われます。ちなみにかぼちゃの保存に失敗してクリスタル症状を実際に出してしまった失敗談についてはかぼちゃが薬臭い?これ食べれるの?間違った保存法でクリスタル症状が!でも詳しく解説しています。
一応皮がオレンジ色に変色しているかぼちゃで、緑色の部分の皮も食べてみましたが、こちらは特に薬っぽい味はしなくて、問題なく食べれました。
比較のために皮全体が緑色のかぼちゃも同じようにレンジで加熱しました。食べてみたところこちらは甘みはありましたが、オレンジ色に変色したかぼちゃに比べると大分甘さは控えめです。
食感はホクホク感はそこまで強くなくしっとり感の方が強かったです。こちらはだし汁での煮物などにむいてそうです。
それぞれ食べ比べてみましたが、甘みに関しては断然オレンジ色に変色したかぼちゃの方が強かったです。星で表すとオレンジ色のかぼちゃの方が星5なら、緑色のかぼちゃの方は星2.5ぐらいです。
食感に関してはホクホク感としっとり感という感じで違いがありましたが、これはそれぞれ合う料理で使い分けるといいと思います。
味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。
今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
今回はオレンジ色に変色したかぼちゃは食べられるのかどうか、味の方は緑色のかぼちゃに比べるとどうなのかを検証してみました。結果はオレンジ色のかぼちゃの方がかなり甘かったです。
やはりしっかり成熟が進み甘みも強くなっているようです。見た目で敬遠して購入を控えている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はオレンジ色のかぼちゃは甘みの強いかぼちゃで、見つけたらむしろラッキーなのかもしれません。
甘さを見分ける大きなポイントでもあるので、見かけた際は購入されてみてはいかがでしょうか。