HOME > 食材の見分け方・選び方 > きゅうりの見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!
|
きゅうりは夏野菜の代表的なもので、水分が約95%と非常に多く、水分が抜けると味や食感が極端に落ちます。このため鮮度のいいものをなるべく早く食べるようにしたいものです。
ここではまずはきゅうりの旬や含まれる栄養素、きゅうりの種類について取り上げ、続いて目で見て確認するきゅうりの見分け方と、触ってみて確認するきゅうりの見分け方・選び方について解説していきます。
きゅうりはハウス栽培で通年出回りますが、味がよくて出荷量も増えるのが冬春ものだと5月から6月が、夏秋ものは7月から8月頃になります。冬春ものは宮崎、群馬、埼玉産が、夏秋ものは群馬、福島、岩手産が多く出回ります。
きゅうりは端から端までの太さが均一なものほど良質とされています。お尻の部分(花が咲くほう)が膨らんでしまってるものは、水分が下にたまってきた証拠。種も下に集まるのでス(空洞)が入りやすく、みずみずしさも失ってしまいます。
花が咲くお尻側は切り口のあるへた側とは反対側です。こちら側から黄色の花を咲かせます。このお尻側の先端部分に残留物質はたまりやすいので、調理する際は厚めに皮をむくといいです。
きゅうりしっかりとはりとつやのあるものほど新鮮です。時間の経過とともにツヤも薄れ、ハリもなくなってきます。
こちらは鮮度が落ちてハリとつやがなくなり、しなっとしているきゅうりです。
並べるとこんな感じです。左はハリつやのないきゅうりで、右はハリつやのあるきゅうりです。並べるとその差がよくわかるかと思います。
きゅうりは鮮度のいいものほど濃い緑色で、全体的に色ムラもなく色も均一です。
こちらは鮮度が落ちて黄色く変色してきています。
並べるとこんな感じです。左は黄色く変色してきたきゅうりで、右は濃い緑色のきゅうりです。並べると色味の差がよくわかるかと思います。
きゅうりの中にはこのように一部の色が薄くなっているものもあります。こうしたきゅうりは日照不足などの理由が考えられます。味も通常のきゅうりよりは落ちるので、選ぶなら緑が濃くて均一なものがいいです。
緑の濃いきゅうりと並べるとこんな感じです。色の違いがよくわかるかと思います。ちなみに実際に食べ比べてみた検証結果については色の薄いきゅうりは選んじゃダメ、緑の濃いきゅうりと食べ比べてみたら驚きの事実が!でも解説しているので合わせて参考にしてみてください。
へたの切り口部分を見て、みずみずしいものほど鮮度はいいです。
鮮度が落ちてくると切り口も乾燥してきます。
並べるとこんな感じです。ひだりは切り口の乾燥したきゅうりで、右は切り口のみずみずしいきゅうりです。この部分も差のでやすい部分です。
きゅうりはまっすぐじゃなくて曲がっていたとしても、味自体には何の問題もありません。ただし太さは均一なほうがいいです。見た目が悪いというだけでスーパーなどには並ばないこともあります。曲がっているだけで値段が安いなら、安い分そちらの方がお得です。
実際に曲がったきゅうりとまっすぐなきゅうりを食べ比べてみましたが、やはりどちらも味も食感も違いはありませんでした。ちなみに価格は曲がったきゅうりの方が安かったです。
詳しい検証結果については曲がったきゅうりとまっすぐなきゅうり、選ぶならどっちが正解?食べ比べてみたら意外な事実が!でも解説しているので合わせて参考にしてみて下さい。
きゅうりも収穫時期が遅れるとどんどんと成長して大きくなっていきます。ただこうしたきゅうりは味も落ち、食感も皮が固くなってきます。なので味や食感を重視するならきゅうりは大きすぎないものがいいです。
ちなみにやや小さめのきゅうりの場合は味も食感も通常のきゅうりとそんなに変わりません。なのでこちらは気にせずに選んでもいいです。
実際に大きなきゅうりと通常のきゅうりを食べ比べてみた感想については育ちすぎの大きくて太いきゅうりはおいしくないって本当なのかを実際に食べ比べてみたら驚きの結果に!でも取り上げているので合わせて参考にしてみてください。
きゅうりは表面にブルームと呼ばれるロウ状の白い粉を出すことで乾燥などを防いで鮮度を保つ働きがあります。従来はブルームは鮮度を見分ける際のポイントでしたが、つやがないので見た目も悪く、農薬などと間違えられりしてあまり人気はありませんでした。
このため80年代頃にブルームが出ないブルームレスのきゅうりが開発され、現在ではこちらが主流となっています。ブルームレスは粉が出ない反面皮が固いため、ブルームのあるきゅうりの方が味もおいしいという声もあります。
最近ではブルームレスでありながら皮も固くないフリーダムと呼ばれる品種のきゅうりも開発されています。つるっとした表面で青臭さもなく、さわやかな食感です。流通量はそれほど多くはありません。
きゅうりの表面にあるとげは、通常いぼと呼ばれており、新鮮なものほど鋭くて、触るとチクチク痛いものです。鮮度が落ちで水分が蒸発してくるといぼも低くなってきます。
より鮮度のいいものは切り口のへたの部分にも白いとげが出ています。ちょうど下の画像のようなとげが出ています。最近ではいぼのない品種や出荷の際にいぼが取れてしまうこともあるので、これだけでは判断できないこともあります。
ちなみに鮮度が落ちてくるとこのいぼの出っ張っている部分が、下の画像のように今度は逆にへこんでくぼんできます。
並べるとこんな感じです。ひだりはいぼの部分がくぼんでいるきゅうりで、右はいぼのしっかりとしたきゅうりです。このように見た目でもはっきりと違いが判るかと思います。
新鮮なものほど張りがあり、触るとしっかりとした固さがあります。
こちらは鮮度が落ちて水分が抜けてきたきゅうりです。ハリのあるきゅうりとは違い、指で押すと少し柔らかさがあり、押したときにぐねっとやや曲がってきます。
並べるとこんな感じです。ひだりは柔らかくなってきたきゅうりで、右はハリや固さのあるきゅうりです。右は指で押してもしっかり固いのですが、左は指で押さえた部分から少しまがっています。
ただこの状態であればまだハリや固さを復活させる方法はあります。詳しくはしなびたきゅうりが元通りになるの?きゅうりの復活術、再生術を検証しますで解説しています。
また以下の動画でもその効果を検証しています。
きゅうりは時間がたつほど両端から水分が抜けていき柔らかくなったり皮にしわが入ったりします。両端を触ってみて張りがあるかどうかも確認するといいです。
ちなみにこちらは鮮度が落ちてきたきゅうりの先端です。このように先のほうが少しくキュッとへこんで来ているのがわかるかと思います。
並べるとこんな感じです。ひだりは柔らかくなってきたきゅうりで、右はハリや固さのあるきゅうりです。右は指で押してもしっかり固いのですが、左は指で押さえた部分から少しまがっています。
きゅうりは95%以上は水分から構成されます。水分がしっかりとつまって鮮度のいいものはもったときに重量感があります。
以下ではきゅうりの見分け方・選び方をドアップの映像で動画で解説しているので、併せて参考にしてみてください。
ではきゅうりの重さはどのくらいなのでしょうか。実際計ってみることにしました。検証したのは縦23cm、横3.2cmのサイズのものです。
このサイズでの重さは123.4gでした。さらにきゅうりの重さは1本で何グラム、大きさやカロリーは?では様々なサイズのきゅうりの重さやきゅうりを輪切りや斜め切り、乱切り、スティック状に切ったときの重さなども検証しています。
きゅうりは通常まるごと一本で売られていて、カットしたものを見かけることはほぼないかと思います。なので断面を見て鮮度を判断することはできません。
ただ買ってきたきゅうりをカットした時に鮮度を判断することはできます。この際このように奇麗な断面のものは鮮度もいいです。
一方こちらのように種が育ってきて、目で見てもはっきりとわかるようになったものは熟しすぎで、味も大分落ちます。
並べるとこんな感じです。種の有無がハッキリとわかるかと思います。
ちなみにこちらのタネが出てきているきゅうりは夏場に常温で6日ほど保存したものです。夏場に常温保存した時の変化や味や食感についてはきゅうりは夏に常温保存しちゃダメなの?検証してみたら意外な結果に!でも詳しく取り上げているので、こちらも参考にしてみてください。
他にもズッキーニもこのように未熟な状態から熟してくると種がはっきりと見えてくるようになります。野菜というは熟す前の未熟な状態の方が食べやすくておいしいものも多いです。ズッキーニやキュウリもそのうちの一つです。
そのほかのおいしいズッキーニの見分け方についてはきゅうりの見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!でも詳しく解説しています。
日本で栽培さえているキュウリは主に中国北部の華北型と、中国中部・南部の華南型、ピックル型の3つに分かれます。さらに華北型・華南型の交雑種の春型雑種、夏型雑種が開発され、実質的にはこの夏型雑種が全盛となっています。
以下では華北型、華南型、夏型雑種、春型雑種の特徴と、さらにピックル型ともろきゅうの特徴について紹介します。
種類 | 見た目 | 特徴 |
---|---|---|
華南型 | 色は緑色で下半分が白いものもある。短くて太い、黒いぼが主体で白いぼもある。 | 果皮は固く、果肉も粘質で煮物などに向いています。 |
華北型 | 緑色で白いぼ | 果皮は薄く歯切れがよい。しわが多く歯切れが非常によい品種である「四葉」も華北型に属します。 |
夏型雑種 | 鮮緑色で果皮は薄く、白いぼが特徴。 | この夏型雑種に属する白いぼ型品種と呼ばれるキュウリが、現在栽培されている品種の多くを占める。果肉ははぎれがよくて柔らかい。 |
春型雑種 | 緑色や半白のものがある。 | 華南型よりも生育が早い。石川県産の特大の「加賀太」も春型雑種に属します。 |
ピックル型 | 短くて小型 | ピクルス漬け用のきゅうり。日本ではピクルス漬けがあまり作られないため品種も多くない。 |
もろきゅう | 小さい | 若取りのきゅうり。もろみをつけて食べることからこう呼ばれます。 |
きゅうりはその95%が水分で、体を冷やす作用があるので、夏の日射病の症状の緩和や水分補給に良いとされています。
きゅうりの青臭さはピラジンと呼ばれる芳香成分がもとで、ピラジンには血液をサラサラにして血栓を予防する効果があるとされています。
きゅうりにはビタミンCを酸化する働きのあるアスコルビナーゼと呼ばれる酵素が含まれます。この働きは酸によって抑えられるので、きゅうりをサラダや和え物で食べる場合はお酢をつかうといいです。また加熱によってもこの酵素の働きを抑えることができます。
きゅうりにはカリウムも多く含まれます。カリウムには利尿作用やナトリウムの排出を助ける働きがあるので、むくみやだるさの解消や、高血圧の予防などの効果が期待できます。カリウムについてはカリウムの効果・効能でも詳しく解説しています。
きゅうりは傷んでくると、はりや弾力性は失われ身はぶよぶよと柔らかくなってきます。断面も黄色や白に変色してきます。またすっぱい匂いや腐敗臭もして来るので傷んでくるとはっきりとわかります。傷んだきゅうりはもう食べられないので処分するしかありません。
ちなみにこちらは保存に失敗して断面が黄色くなったきゅうりです。保存の失敗談についてはきゅうりが黄色に変色!間違った保存法でこんなことに!ちなみにまだ食べれるの?で詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
またきゅうりは古かったり保存の仕方が悪いとこのように白カビが生えてくることもあります。きゅうりの保存に失敗して白カビが生えた失敗談についてはきゅうりに白カビが!この保存法だけはやっちゃダメ!ちなみにまだ食べれるの?でも詳しく解説しています。
せっかくおいしく鮮度のいいきゅうりを買ってきても、しっかりと保存できていなければすぐに傷んでしまいます。またきゅうりをたくさん買ってきた場合などは長期保存できる方法を知っていると便利です。そこできゅうりの保存方法についても紹介します。きゅうりは痛みの早い野菜なので冷蔵庫の野菜室での保存では10日間が限度です。
長期保存したい場合は薄切りにして冷凍保存しておくこともできます。そのばあいは1ヵ月ほど保存できます。またピクルス漬けにして保存すれば1ヵ月ほど、乾物にして冷蔵庫で保存すれば1ヵ月はもちます。詳しくはきゅうりの保存方法と保存期間、長持ちのコツで解説しています。
ちなみに以下の動画では実際に新聞紙で包んでポリ袋に入れて保存する方法の効果を検証しています。併せて参考にしてみてください。
まずは見た目のチェックです。太さが均一なものほど良品です。下のほうが膨らんでいるものは水分や種などが下のほうに集中し、スもはいりやすくなります。両端がへこんでいたりしおれているものは鮮度が落ちで水分が抜けてきている証拠です。色は緑が濃くツヤのあるものを選びます。切り口はみずみずしいものを選びましょう。
次に実際に手にとって確認です。触ってみて張りがあり重量感のあるものはしっかりと水分がつまっていて良品です。イボがある場合はチクっと痛いぐらいに鋭くとがっているものがいいでしょう。