きゅうりのアク抜きといえば端をカットして、カットした断面をすり合わせる方法が一般的ですが、これって本当に意味があるのでしょうか。そもそもあく抜き自体必要なのでしょうか。
そこで今回は実際にあく抜きを試してみて効果があるのかどうかを検証してみることにします。
そもそもあくとは何かというと食品に含まれる苦みや渋み、えぐみのことです。こうした成分を総称してあくといいます。きゅうりの場合はギ酸と呼ばれる渋みの成分が主なあくの原因です。
きゅうりのギ酸は外側の栄養分が通る維管束と呼ばれる管の中に集中してあります。維管束とはこの部分です。
そこできゅうりをカットして断面をこすり合わせることで維管束からギ酸が流れ出し、ギ酸の量が減ることできゅうりのアクが抜けていきます。このような理由からカットした断面をこすり合わせてあく抜きをするようです。
ちなみにギ酸はきゅうり全体の中でもへたに近い部分に多く含まれるそうです。ちなみにへたはこちら側の部分です。
実際に本当にへた側の部分にあくが多いのかどうか確かめてみました。このようにカットしてへた側の部分と真ん中部分、お尻側の部分をそれぞれ食べ比べてみます。
食べ比べてみましたが、確かにへた側部分はやや渋みがありました。ただ苦みやえぐみというのはそんなに感じませんでした。それから渋みはありますが、気になって食べれないほどではないので、気にしなければ全然食べれるレベルでした。
真ん中部分は渋みはほぼなくておいしく食べれました。
お尻側部分はさらにさっぱりして食べやすかったです。やはり言われている通りへた側にあくが多いというのは本当のようです。
あくの強さを数字で表すとへた側が10なら、真ん中は3、お尻側は1といった感じです。
それでは実際にこのようにへた側をカットして断面をこすり合わせてあく抜きをしてみます。色々調べてみるとこすり合わせる時間は30秒だったり2分だったりいろいろあったので、今回は30秒と2分それぞれで試してみました。
まずは30秒こすってみます。するとこのようにかなり白い泡が出てきました。おそらくこれがギ酸を含む汁だと思われます。
こちらをよく洗い流します。あとはこすり合わせた断面付近をカットしたものと、そこから離れた真ん中部分をカットしたものを食べ比べてみます。
まずはこすり合わせた部分です。食べてみたところ確かに渋さは減っていました。数値にするなら10だったものが5ぐらいまで減っています。やはりあく抜きの効果はあったようです。
次は真ん中部分です。食べてみたところこちらは正直そんなに変化は感じませんでした。数値は3だったものだ3のままという感じです。
端だけこすれば全体的にあくが抜けるという話もありましたがそんなことはなくて、どうやら離れた部位だとそんなに変化はないようです。ただもともとが3ぐらいしかなかったので、減ってもあまり変化がわからなかったのかもしれません。
一応この真ん中部分もカットして断面を30秒ほどこすり合わせてみました。
するとこのようにこちらも白い泡が浮き出てきました。
これをよく洗ってからこのこすり合わせた部分付近を食べてみたところ、若干ですがさっぱり感が増した感じがします。数値にするなら3だったものが2ぐらいになった感じです。
やはり端だけよりもこすった部分に近い方があく抜きの効果も全然高いようです。
それからこすり合わせる時間を2分にした場合も見ていきます。こちらは30秒こすり合わせた断面と2分こすり合わせた断面を並べたものです。
2分は何度もこすり合わせることで、泡が外側にたまっていくので、中は比較的泡がついていませんが、出た泡の量自体はそんなに変わらない感じでした。
泡を洗い流してこちらもこすり合わせた部分付近と真ん中付近をカットして食べてみましたが、正直30秒こすったものとそんなに違いはありませんでした。どうやら2分もこすらなくても30秒でも十分なようです。
今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
今回はきゅうりのアク抜きが本当に効果があるのかどうかを検証しました。結果は確かにあく抜きした断面付近であればあく抜きの効果は実感できました。
特にへた側はそもそものアクの量も多いので、その効果もよく実感できます。ただ最近のきゅうり自体が品種改良によりあくがそんなにないので、別にあく抜きをしなくても問題なく食べられます。
なのでわざわざあく抜きをしなくてもいいかなと思います。へた側付近であれば渋みが減る効果は実感はできるので、手間が面倒でなければやるのもありかなとは思います。