HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > きゅうりの冷凍保存と失敗しない解凍のコツ、活用レシピも紹介
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きゅうりもそれほど長くは持たない野菜です。冷蔵庫でも保存できますが、たくさん買ってきた場合やすぐに使う予定がない場合は、冷凍庫で保存しておくのもおすすめです。そこで今回はきゅうりの冷凍保存の方法を詳しく見ていくことにします。
さらに冷凍保存しておいたきゅうりの上手な解凍方法や、冷凍したきゅうりを使ったおいしいレシピなども紹介します。
きゅうりはそのままでの冷凍保存には適してきません。冷凍保存する場合はカットして塩もみしてから保存するようにしましょう。
きゅうりもそれほど日持ちのする野菜ではありませんが、塩もみしてから冷凍保存しておけば長期保存が可能です。そこで塩もみしてから冷凍保存する方法を解説します。
まずはきゅうりを小口切りにします。これをボールに入れ塩をきゅうり1本に対して小さじ1/3ふりかけ、軽くもみます。
後はしばらく待っていればキュウリがしんなりしてきて水気が出てきます。
出てきた水分ごときゅうりを冷凍用保存袋に入れ、金属トレイの上にのせて冷凍保存します。これで1ヵ月は保存ができます。水けは解凍してから使う際にしぼるといいです。
きゅうりの水気はそのまま冷凍保存した方が、乾燥や酸化を防ぐことができ、よりシャキシャキ感を残すことができます。
塩もみしたきゅうりを冷凍保存すると、下の画像のようになります。これが冷凍保存した塩もみしたきゅうりです。冷凍保存するとカチカチに固まります。食べる際は解凍が必要です。
解凍は前日に冷蔵庫に移して自然解凍するといいです。常温で解凍するよりも低温下で解凍した方が水分の流出も少なくて済み、味や食感の落ちも最小限に抑えることができます。和え物や酢の物、サラダなどに使う場合は自然解凍
したものを使いますが、炒め物などに利用する場合は直接凍ったまま使ってもかまいません。
下の画像は冷蔵庫で自然解凍した塩もみしたきゅうりです。水分がたっぷりと出ています。
出てきた水分ごとボールに移すと以下の画像のようになります。どの程度水分が出るのかがわかるかと思います。使う時は水けを絞ってから使います。
時間がないときは流水解凍でもいいです。ボールに入れて少しずつ水を流しながら解凍します。
それでは冷凍保存した塩もみしたきゅうりを使ったレシピをいくつか紹介します。まずはきゅうりとわかめのしょうが酢の物です。使う材料は以下の通りです。
それでは作り方を紹介します。まずはきゅうりの水気を絞ります。生ワカメは茹でてない場合は水洗いして熱湯でゆで、色が変わったら冷水にとり、水けをきってから一口サイズにカットします。
次にボールに調味料Aを入れてよく混ぜ、そこにきゅうりとわかめを入れてよく合えたら完成です。
こちらは冷凍した茹でた塩もみきゅうりを使って作ったきゅうりとわかめのしょうが酢の物です。
一方こちらは塩もみしてから冷凍せずにそのままのきゅうりを使って、作ったきゅうりとわかめのしょうが酢の物です。
並べるとこんな感じです。左は冷凍した茹でた塩もみを使って作った酢の物で、右は冷凍せずにそのまま塩もみしたきゅうりを使って作った酢の物です。冷凍して解凍したきゅうりの方が、見た目はしなっとしています。
肝心の味ですが、食感に関しては意外にもどちらもそんなに差はありませんでした。ただ生の塩もみきゅうりは、冷凍したものに比べるとおいている時間が短いので、水分がまだ残っていて、その分少し水っぽい感じがしました。
また水分が残っている分調味料の浸透も控えめでした。一方冷凍して解凍したきゅうりの方が、しなっとしている分、しっかりと調味料がしみこんでいておいしかったです。
味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。
個人的には味か十分しみこんでいた分冷凍して解凍したきゅうりを使ったものの方がおいしく感じました。なので冷凍した塩もみきゅうりでも十分おいしい酢の物を作ることができます。
次にきゅうりとツナのマヨネーズ和えを紹介します。使う材料は以下の通りです。
まずは解凍した塩もみしたきゅうりの水気を絞ります。ボールにきゅうりとツナを入れて塩、あらびき黒こしょうをふります。
最後にマヨネーズを加えてよく合えたら出来上がりです。
こちらは冷凍した茹でた塩もみきゅうりを使って作ったきゅうりとツナのマヨネーズ和えです。
一方こちらは塩もみしてから冷凍せずにそのままのきゅうりを使って、作ったきゅうりとツナのマヨネーズ和えです。
並べるとこんな感じです。左は冷凍した茹でた塩もみを使って作ったツナのマヨネーズ和えで、右は冷凍せずにそのまま塩もみしたきゅうりを使って作ったツナのマヨネーズ和えです。冷凍して解凍したきゅうりの方が、見た目はしなっとしています。
肝心の味ですが、食感に関しては意外にもどちらもしっかりとしたシャキシャキ感がありました。ただ冷凍して解凍したきゅうりは水分がだいぶ抜けるので、見た目が大分しなっとしているのに対し、生の塩もみきゅうりは、身にもまだだいぶ水分が含まれていて、その分食べた時のみずみずしさがありました。
なのでみずみずしさのあるなしという違いはありましたが、それ以外はそんなに差はありませんでした。味の方はどちらもおいしかったです。
解凍した塩もみしたきゅうりは水けをきります。鶏ささみの白い筋を取ります。このように白い筋の先の両側に筋に沿って包丁で切り込みを入れます。
次にこのようにすじを下にして包丁を立てて、背の部分で押さえて横にスライドさせ、すじをはがしていきます。
筋を取るとこんな感じになります。
鍋に水と塩(水1リットルに対し小さじ2)を加えて火にかけ、沸騰したら鶏ささみを入れて30秒ほど茹でてから火を止めます。そのまま余熱で10分ほど火を通したら取り出します。後は鶏ささみを食べやすい大きさに裂きます。
梅干しは種を取って包丁で細かく刻みます。
ボールに刻んだ梅干しと鶏ささみ、きゅうりを入れ、上からしょうゆをふりかけてよく合えたら出来上がりです。
こちらは冷凍した茹でた塩もみきゅうりを使って作ったきゅうりとささみの梅和えです。
一方こちらは塩もみしてから冷凍せずにそのままのきゅうりを使って、作ったきゅうりとささみの梅和えです。
並べるとこんな感じです。左は冷凍した茹でた塩もみを使って作ったきゅうりとささみの梅和えで、右は冷凍せずにそのまま塩もみしたきゅうりを使って作ったきゅうりとささみの梅和えです。そんなに違いは見られませんが、冷凍して解凍したきゅうりの方が、若干見た目がしなっとしています。
肝心の味ですが、冷凍して解凍した塩もみきゅうりの方は、だいぶ水分が出てしなっとしていたせいか、梅の味が大分しみ込んでいておいしかったです。一方生の塩もみきゅうりの方は、こちらは梅の味はややあっさり目でした。
食感はどちらもしっかりとシャキシャキ感がありました。生の方はまだ水分が多く残っているせいか、食べた時に実に厚みがある感じです。
どちらもおいしかったのですが、個人的には梅の味がよくしみていた冷凍した塩もみきゅうりの方が好みです。あっさり目が好きな方もいるかと思うので、こちらは好みが別れるかと思います。
食品の冷凍保存のコツは冷凍にかける時間をいかに短くするかです。短時間に冷凍出来ればその分鮮度の落ちも抑えることができます。そこできゅうりを冷凍保存する際は金属トレイを使うようにしましょう。金属トレイは熱伝導率が高いので、上に乗せたきゅうりに素早く冷気が伝わり、その分早く冷凍することができます。
きゅうりを冷凍保存する際は保存袋の空気をしっかりと抜きましょう。空気は熱伝導率が低いので、空気がたくさん残っていると、その分冷凍にかかる時間も長くなっていしまいます。
食品を保存する場合はなるべく食品が薄く平らになるように並べます。こうすることで熱が均一にそして素早く伝わります。また解凍にかかる時間も短縮することができます。
冷凍保存では使いそびれて、いざ使う時にいつ保存したのかわからなくなるということもよくあります。長期保存ができるとはいえ限度があるので保存日が記入してあれば、まだ大丈夫なのか、あとどれくらい保存できるのかが判断しやすくなります。
そこで冷凍保存するときは保存袋には保存日と保存した中身についてはしっかりと記入しておくようにしましょう。
ちなみに冷凍用保存袋といえばジップロックが有名ですが、こちらはあらかじめ保存袋の表面に日付や保存する食材名を記入する欄がプリントされています。ジップロックはS、M、Lとサイズがあり、スーパーやドラッグストアなどでも売っていますが、ネットでまとめて購入することもできます。
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冷蔵庫は0度から5度の保温温度に設定されています。一方冷凍庫は食品をしっかりと冷凍させるためマイナス18度に設定されています。食品は急速冷凍させるほど鮮度を保って保存ができます。そのため高価格な製品ではマイナス30度に設定しているものもあります。
ちなみにきゅうりを丸ごと1本そのまま冷凍することはできないのでしょうか。気になったので試してみました。こちらはまるごと一本冷凍したきゅうりです。
解凍するとこのようになります。見た感じはそんなに変化はありません。
ただカットした断面を生のきゅうりと比べるとこのように大きく変化してしまいます。また味や食感も大きく落ちます。なのでキュウリをそのまま丸ごと1本冷凍保存するのはおすすめしません。
ちなみにきゅうりを生のまま丸ごと冷凍・解凍したら味や食感はどうなる?検証したら驚きの結果に!でも実際に冷凍してみた検証記事を掲載しているので、併せて参考にしてみてください。
きゅうりは冷蔵庫の野菜室でも保存ができます。きゅうりを新聞紙で包み、ポリ袋に入れて口は閉めず、立てて保存します。これで10日間は保存ができます。
ちなみに以下の動画では実際に新聞紙で包んでポリ袋に入れて保存する方法の効果を検証しています。併せて参考にしてみてください。
きゅうりはざるにのせて2〜3日ほど天日干しにしてから、保存袋やビンにいれて冷蔵庫で保存もできます。この場合は1か月ほど保存ができます。きゅうりの保存方法全般についてはきゅうりの保存方法と保存期間、長持ちのコツで解説しています。
きゅうりは冷凍保存することで長期保存も可能ですが、鮮度を保ちたいならまずは購入段階でいいものを選ぶことも大事です。そこできゅうりの選び方・見分け方についても解説します。きゅうりは太さが均一で緑が鮮やかなもの、へたの切り口がみずみずしいものが新鮮です。
また手に取ってみてはりがあるもの、重量感があるもの、イボが痛いぐらいにとがっているものも良品です。詳しくはきゅうりの見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
また下の動画でもきゅうりの見分け方・選び方を解説しているので合わせて参考にしてみてください。
今回はきゅうりの冷凍保存の仕方について見ていきました。きゅうりは塩もみしてから冷凍保存することができます。きゅうりは夏場が旬で、その時期にはお手頃価格で市場に出回ります。
価格もお手頃なのでたくさんまとめ買いすることもあると思いますが、一度にたくさん買いすぎた場合でも、冷凍保存しておけば、無駄なく消費することが可能です。今回取り上げた冷凍保存したきゅうりを使ったレシピなどもぜひ参考にしてみてください。