ナスも保存の仕方が悪いとへた先から白いものが伸びてくることがあります。今回は白いものが伸びてきてしまったナスの保存の失敗談と、白いものの正体、それから正しいナスの保存方法について解説していきます。
ナスは高すぎる温度での保存には適さない野菜ですが、今回は常温で保存しました。結果的にはやはりこれがよくなかったようです。
まずは保存方法を見ていきます。ナスを新聞紙で包み、それをポリ袋に入れ軽く口をしめます。
これを新聞紙を敷いたダンボールに立てかけ、常温で保存しました。保存の温度は25度から28度の温度帯です。
まずは初日の状態です。ハリつやもあり、触るとしっかりとした固さもあります。
こちらは初日のナスのへたの断面です。このように色もきれいで変色もありません。
重さは172.0gです。
この日の気温は27度で、湿度は58%です。
こちらは3日目たった状態です。3日目でも特に大きな変化は見られません。
並べてみるとこんな感じです。左が初日の常温で保存するナスで、右は3日目のナスです。特に変化がないのがわかるかと思います。
断面は少し黒っぽく変色してきています。
並べてみるとこんな感じです。左が初日の常温で保存するナスのへた断面で、右は2週間目のナスのへた断面です。少し変色しているのがわかるかと思います。
重さは169.4gで、初日の172.0gからは1.6%減少しています。
ちなみにこの日の気温は27度で、湿度は63%でした。
こちらは1週間たった状態です。見た限りでは特に大きな変化は見られません。ハリや弾力も比較的しっかりしています。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日の常温で保存するナスで、右上は3日目のナス、左下は5日目のナスで右下は1週間目のナスです。特に変化がないのがわかるかと思います。
断面は白っぽくなっていた部分が伸びてきているようです。
斜めから見ると伸びているのがわかりやすいかと思います。もしかしたら、常温で保存したことで、へた先から成長しようとし来ているのかもしれません。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日の常温で保存するナスのへた断面で、右上は3日目のナスのへた断面、左下は5日目のナスのへた断面で右下は1週間目のナスのへた断面です。5日目からさらに白いものが伸びてきているのがわかるかと思います。
重さは165.6gで、初日の172.0gからは3.8%減少しています。
ちなみにこの日の気温は27度で、湿度は60%でした。
こちらは10日間たった状態です。見た限りでは特に大きな変化は見られません。ハリや弾力も比較的しっかりとあります。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日の常温で保存するナスで、右上は3日目のナス、左下は5日目のナスでした真ん中は1週間目のナス、右下は10日目のナスです。特に変化がないのがわかるかと思います。
断面は先がさらに伸びてきています。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日の常温で保存するナスのへた断面で、右上は3日目のナスのへた断面、左下は5日目のナスのへた断面で下真ん中は1週間目のナスのへた断面、右下は10日目のナスのへた断面です。白いものが徐々に伸びてきているのがわかるかと思います。
斜めから見るとこんな感じです。
1週間目と比べるとこんな感じです。白いものがさらに出てきて先にのびてきているのがわかるかと思います。
重さは163.2gで、初日の172.0gからは5.2%減少しています。
ちなみにこの日の気温は25度で、湿度は62%でした。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の常温で保存するナス | 172.0g |
3日目の常温で保存したナス | 169.4g(-1.6%) |
1週間目の常温で保存したナス | 165.6g(-3.8%) |
10日目の常温で保存したナス | 163.2g(-5.2%) |
常温で保存したときにへた先から伸びてきた白いものですが、どうやらナスが断面からの乾燥を防ぐために、汁を出してそれが固まったもののようです。
ある程度高い気温で保存すると、汁がどんどんと出て、白い塊が徐々に伸びてくるようです。
ちなみに白カビの場合は、ふわふわとした胞子のようなものが付着して、それがどんどんと広がっていきます。
こちらはにんじんのへたに発生した白カビです。このようにふわふわとして綿のような状態なのがわかるかと思います。なので白カビが生えてきた場合は比較的見分けは付けやすいです。
比較のために同じように新聞紙で包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存した場合どうなるかも見てみました。
まずは初日の状態です。表面もきれいでみずみずしい状態です。触るとしっかりとハリもあります。
こちらは同じ10日間が経過したものですが、こちらも特に見た目に大きな変化はありません。
並べるとこんな感じです。左はポリ袋に入れて野菜室で保存するナス1日目で、右は10日目です。並べるとややツヤがなくなってきている感じはあります。
断面は常温の場合と違い、少し色の変色は見られますが、白いものが付着した様子は見られません。
ちなみに常温保存したものと野菜室で保存したものを並べるとこんな感じです。見た目にはそんなに違いは見られません。
ただ断面はこのようにかなり違いが見られます。
意外なことに常温で保存しても、10日間たってへたの部分では大きな違いは見られましたが、紺色の実の方は特に傷んだ様子も見られませんでした。ただ味の方が落ちていないのかどうかは気になるところです。
そこで冷蔵庫の野菜室で保存したものと、常温で保存したものをそれぞれ食べ比べてみることにしました。
まずは冷蔵庫の野菜室で10日間保存したナスをカットします。断面はこのように奇麗で、特に傷んだ様子も見られません。
こちらは常温で10日間保存したナスをカットしたものです。こちらも断面はこのように奇麗で、特に傷んだ様子も見られません。
並べてみるとこんな感じです。左は野菜室で10日間保存したナスの断面で、右は常温で10日間保存したナスの断面です。特に差が見られないのがわかるかと思います。
気になる味ですが、食べやすいように薄切りにしました。野菜室で保存した方は特に適度にシャキシャキとした食感で、味もしっかりとナスの味がしました。
一方常温で保存した方ですが、食感は若干しなっとした感じがしました。また味の方も野菜室で保存した方と比べると少し薄い感じがしました。
見た目の上では特に違いは見られなかったのですが、食べて見るとやはり常温で保存した方が味や食感は落ちるようです。
ちなみに今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
今回はナスの保存法に失敗してへた先から白いものが伸びてきてしまった失敗談について取り上げました。ナスは常温でも保存できないことはありませんが、高い気温だと今回のようにへた先から白いものが伸びてくるようです。
これだけなら見た目だけの変化ですが、味や食感についても野菜室で保存したものよりも落ちてしまっていたので、保存するなら冷蔵庫の野菜室での保存をおすすめします。