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にんじんは夏に常温保存しちゃダメなの?検証してみたら意外な結果に!

にんじんは夏に常温保存しちゃダメなの?検証してみたら意外な結果に!

はじめに

基本的ににんじんは冷蔵庫で保存しますが、夏場の暑い時期に常温保存したらどうなるのでしょうか。気になったので実際に試してみることにしました。

にんじんを夏場に常温保存

にんじんの常温保存の仕方

まずは保存方法の紹介です。にんじんをポリ袋に入れ軽く口を締めます。これをダンボールの上に置いて室内で常温保存します。

にんじんをポリ袋に入れて夏場に常温保存

夏場に常温保存したにんじんの見た目の変化

こちらは初日の状態です。色つやもよく、しっかりとした固さがあります。

にんじんを夏場に常温保存1日目

芯の部分もこのように変色もなくきれいです。

夏場に常温保存するにんじんの芯1日目

こちらは3日目です。見たところ特に大きな変化は見られません。ただポリ袋を開封した時点で、カビの匂いなのかにんじんの匂いなのかよくわからない匂いが漂ってきました。

にんじんを夏場に常温保存3日目

また開封前のポリ袋の内側にこのように小さな水滴が付着していました。ポリ袋を締めたことでにんじんから出た水蒸気がたまって湿度が高くなり、ポリ袋の内側に水滴として現れたのだと思われます。

にんじんを入れて常温保存して3日目のポリ袋に水滴が付着

冷蔵庫のような低温下であれば多少湿気が高い環境でもにんじんがすぐに傷むことはありませんが、常温でしかも夏場で気温の高い環境だと、高い湿度はカビの発生につながります。

こちらのにんじんは同じように夏場にポリ袋を密封したまま保存したものです。1日目は特に変化はありません。

にんじんを常温保存1日目

しかしながら1週間ほどするとかび臭い匂いが出てきて、さらに2週間と4日目にはこのように葉の切り口部分にびっしりと白カビが発生してしまいました。ちなみに白カビを発生させてしまった失敗談についてはにんじんに白カビが!この保存方法だけはやっちゃダメ、ちなみにまだ食べれるの?でも詳しく解説しています。

白カビのはえたにんじん

なのでこちらもこのまま保存し続けるわけにはいきません。ただポリ袋から出して保存するとだいぶ乾燥が進んでしまいます。なのでポリ袋から出すわけにもいきません。そこでこのようにつまようじで15か所ほどランダムに穴をあけてみました。

ポリ袋に湿気がこもらないようにつまようじで穴をあける

これで適度に湿気も逃げることが期待できます。これで保存しなおしてみます。

こちらは5日目です。ポリ袋の方は内側につく水滴の量がだいぶ減ってはいますが、まだ多少はでています。穴をあける効果はあるようですが、これでもまだ不十分なようです。

にんじんを入れて常温保存して5日目のポリ袋に水滴が少し付着

仕方がないのでポリ袋を密封はせずに、このように開いたまま保存することにします。

にんじんをポリ袋に入れて、袋を開けたまま常温保存

こちらは1週間目です。ポリ袋の方にほぼ水滴は見られません。開封したことで湿気もこもらず十分に換気はできたようです。

にんじんを入れて袋を開いたまま常温保存したポリ袋

見た目の方は特に大きな変化は見られません。

にんじんを夏場に常温保存1週間目

芯の部分も少し変色はしてきていますが、カビなどは見られません。ただポリ袋を開封した際にやはりカビなのかにんじんの匂いなのかよくわからない匂いはしました。

夏場に常温保存したにんじんの芯1週間目

ただカビの場合は匂いがして数日もすれば白カビが目で見てもわかる程度に繁殖してくるので、カビの匂いではないのかもしれないです。

にんじんを夏場に常温保存2週間目

芯の方も若干変色も見られますが、カビなどは発生していません。ただやはりポリ袋をあけた際にカビなのかにんじんなのかよくわからない匂いはします。

夏場に常温保存したにんじんの芯2週間目

ただ時間が経つと匂いはしなくなってきます。カビの場合は匂いはずっとするのでやっぱりカビのにおいではないのかもしれません。

2週間目までの全体の変化を並べてみるとこんな感じです。特に変わっていないのがわかるかと思います。

にんじんを夏場に常温保存1日目から2週間目

さらに芯のアップを並べてみるとこんな感じです。こちらも若干色の変化は見られますが、白カビなども出ていないのがわかるかと思います。

夏場に常温保存したにんじんの芯1日目から2週間目

夏場に常温保存したにんじんの重さの変化

2週間目までの重さの変化はこんな感じです。1日目は169.6gで、3日目は167.9g(-1.1%)です。5日目は165.4g(-1.5%)で、つまようじでポリ袋に15か所穴をあけましたが、重さの減りのペースはそんなに変わっていません。

夏場に常温保存したにんじんの2週間目までの重さの変化

1週間目は160.4g(-5.5%)でやはりポリ袋を締めずに開封したままにすると湿気はたまりませんが、その分乾燥は進み、重さの減りのペースも上がってしまいました。

2週間目は150.3g(-11.4%)でだいぶ乾燥は進んでいます。やはり開封したままだと重さの減りは多くなってしまうようです。ただにんじんの常温保存では湿気は大敵なので重さの減りはある程度は仕方がないのかもしれません。

経過日数重さ(増減率)
初日の夏場に常温保存するにんじん169.6g
3日目の夏場に常温保存したにんじん167.9g(-1.1%)
5日目の夏場に常温保存したにんじん165.4g(-1.5%)
1週間目の夏場に常温保存したにんじん160.4g(-5.5%)
10日目の夏場に常温保存したにんじん150.3g(-11.4%)

夏場に常温保存したにんじんの気温と湿度の変化

ちなみに保存期間中の気温と湿度はこんな感じです。まずは1日目です。気温は31度で、湿度は57%です。3日目の気温は31度で、湿度は59%、1週間目の気温は29度、湿度は60%、2週間目の気温は29度で、湿度は64%でした。

夏場に常温保存したにんじんの2週間目までの気温と湿度の変化

夏場に常温保存したにんじんの味は?

中は傷んでいないかチェック

見た目的にはそんなに変化の見られなかった夏場に常温保存したにんじんですが、味の方はどうなのでしょうか。気になったので食べてみることにしました。まずはこのようにカットしました。断面も特に傷んだ様子は見られません。

夏場に2週間常温保存したにんじんのカットした断面

食べやすいように皮をピーラーでむいてから輪切りにしてみました。正直カビのようなにんじんのようなよくわからない匂いもしていたので、たべるのは少し抵抗がありました。

夏場に2週間常温保存したにんじんの輪切り

食べてみた味の感想は?

ただ実際に食べてみたところ普通のにんじんの味で、特に苦みなどの変な味はしませんでした。ただ通常のにんじんよりも味も風味もだいぶ薄い感じがします。

おそらく匂いとしてにんじんの成分も外に放出されていて、その分味も落ちてしまったのかもしれません。食感はシャキシャキとした歯ごたえもあり特には悪くはありませんでした

にんじんを野菜室で保存

にんじんをポリ袋に入れて野菜室で保存

それから比較のために冷蔵庫の野菜室で保存するものもみていきます。初日の状態はこちらです。

にんじんをポリ袋に入れて野菜室で保存1日目

こちらは2週間目のものです。特に変化は見られません。またポリ袋から出したときにも特に甘い匂いなどもしませんでした。

にんじんをポリ袋に入れて野菜室で保存2週間目

夏場に常温保存したものと比べるとこんな感じです。こちらは見た目にはそんなに違いは見られません。

2週間夏場に常温保存したにんじんと野菜室で保存したにんじんの見た目の違い

なおこちらもポリ袋に結露ができてしましました。なので3〜4日ごとにチェックして濡れていたらその都度拭いてから保存しなおしました。これで保存しましたが特にカビが生えたり傷んだりはしませんでした。

にんじんを入れて野菜室で保存したポリ袋に水滴が付着

2週間目までの重さの変化はこんな感じです。1日目の重さは154.3gで、2週間目は147.7g(-4.3%)です。

野菜室で保存したにんじんの2週間目までの重さの変化

こちらも途中で結露ができにくいようにつまようじでポリ袋に30か所近く穴をあけてから保存しましたが、開封したままで保存はしなかったので、重さの減りは常温保存のもよりも少ないです。

それからこちらも輪切りにしてから食べてみましたが、こちらはにんじんの味も濃く、甘みもあっておいしかったです。味の方を星で表すなら野菜室で保存した方が星5なら、夏場に常温保存した方は星2.5といった感じです。

野菜室で2週間保存したにんじんの輪切り

味や食感の違いについてまとめるとこんな感じです。

2週間夏場に常温保存したにんじんと野菜室で保存したにんじんの味や食感の違い

ちなみに今回の失敗談についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。

またにんじんの保存方法全般についてはにんじんの保存方法と保存期間、長持ちのコツでも詳しく解説しています。

まとめ

今回はにんじんを常温で、しかも夏場の気温の高い時期に保存したらどうなるかを検証してみました。結果は湿気がこもらないように注意して保存すれば、特に傷むこともなく保存はできました。

ただ見た目にはそんなに変化がなくても味の方はだいぶ薄くなっていました。夏場に常温で保存すると味の方は大分落ちてしまうようです。

一方で野菜室で保存すれば同じ期間保存しても特に味が落ちることもなく保存ができました。なのでにんじんを保存するなら冷蔵庫の野菜室で保存することをおすすめします。

参考書籍
野菜のソムリエ
野菜の基礎知識
からだにおいしい 野菜の便利帳
もっとからだにおいしい野菜の便利帳
食材完全使いこなし事典
材料の下ごしらえ百科
料理の裏ワザ便利帳
調理以前の料理の常識
もっとおいしくながーく安心 食品の保存のテク
農家が教える野菜の収穫・保存・料理
間違いだらけの食材保存&調理術
一生モノの冷凍保存節約おかず366品
野菜おかず作りおきかんたん217レシピ
節約&かんたん冷凍保存大事典
もっとおいしく!攻めのフリージング術
かんたん!ラクチン!作りおきの野菜おかず205
まるごと使いきってムダなし!野菜の保存&使いきりレシピ

公開日 2023/08/24

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この記事を書いた人

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生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋と申します。料理研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。

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