HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > にんじんの冷凍保存、生のままとレンジで加熱、どっちが正解か検証したら意外な結果に!
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にんじんは冷凍保存しておくことで、鮮度を維持したまま長期保存が可能です。ただ冷凍保存は生のまま冷凍保存するのか、レンジで加熱してから冷凍保存するのか、どちらがいいのかよくわからない方も多いかと思います。
そこで今回は実際にそれぞれの方法で保存してみて、どう違うのかを検証してみることにします。
それではにんじんの冷凍保存の仕方を解説します。ちなみににんじんは冷凍保存しておけば1か月は保存が可能です。まずはにんじんの皮をむき、両端をカットします。にんじんを輪切りにしたら、これをそのまま冷凍用保存袋に入れ、金属トレイを下にしいてから冷凍保存します。
もう一つはにんじんをレンジで加熱してから冷凍保存します。まずはにんじんを輪切りにします。これを耐熱容器に入れ、水をにんじん1本(150g)に対し大さじ1と1/2加えます。これをラップしてレンジで加熱します。
加熱時間は600Wで4分10秒、500Wなら5分加熱します。加熱する時間はにんじんの量によって加減します。例えばにんじん2本(300g)なら600Wで8分20秒になります。
こちらがレンジで加熱したにんじんです。
ざるに上げて水けをきり、冷めるまで待ってからキッチンペーパーで水けをふき取り、冷凍用保存袋に入れます。金属トレイを下に敷いてから冷凍保存します。
それでは冷凍したにんじんを実際に解凍してみることにします。解凍は流水解凍で行います。解凍には他にも自然解凍や氷水解凍などもありますが、解凍するなら流水解凍が一番おすすめです。
詳しくは冷凍にんじんの解凍方法、自然解凍、流水解凍、氷水解凍のどれがいいのか検証してみたで解説しています。こちらが冷凍保存して2週間たった生のにんじんです。
容器に水を入れ、この冷凍した生のにんじんをポリ袋に入れたまま浸けます。少しずつ水をたらしながら10分ほど置いておけば解凍できます。解凍は触ってみて柔らかくなってるかどうかで判断します。
解凍するとこのようになります。解凍するとだいぶ水分がにじみ出ているのがわかるかと思います。
食べた感想はややしなっとしていて歯ごたえは少し弱くなっています。またにんじんの味や香りも薄味になっています。
並べるとこんな感じです。左は生のにんじんで、真ん中は冷凍した生のにんじん、右は冷凍して流水解凍した生のにんじんです。冷凍して解凍すると表面が水っぽくなっているのがわかるかと思います。
つぎは冷凍したレンジで加熱したにんじんを流水解凍します。こちらが冷凍保存して2週間たったレンジで加熱したにんじんです。
この冷凍のレンジで加熱したにんじんをポリ袋に入れ、容器に入れて上から水を垂らし続けます。こちらも10分ほどで解凍できます。
こちらが流水解凍したレンジで加熱したにんじんです。食べた感想は歯ごたえも比較的キープされている感じがします。何より生で冷凍したものよりもにんじんの香りや甘みはしっかりと残っています。
並べるとこんな感じです。左は冷凍する前のレンジで加熱したにんじんで、右は冷凍して解凍したレンジで加熱したにんじんです。見た目ではこちらも冷凍して解凍したものの方が、やや表面が水っぽい感じがします。
2つのやり方で冷凍したにんじんを流水解凍してみましたが、食べ比べてみた感想はレンジで加熱したにんじんの方が食感はよく、比較的歯ごたえもありました。一方生のにんじんの方は大分しなっとしていました。
味に関してもレンジで加熱したにんじんのほうが味はしっかりと残っていました。なので流水解凍して使う場合はレンジで加熱してから冷凍する方がおすすめです。
今度は冷凍したにんじんを冷凍のまま加熱解凍します。まずは冷凍した生のにんじんです。加熱したフライパンで冷凍した生のにんじんを入れて炒めます。焦げないように中火で炒めました。
下は冷凍したレンジで加熱したにんじんで、上は冷凍した生のにんじんです。生のにんじんの方が加熱した際に水分が多く出てきました。
こちらがフライパンで加熱解凍した生のにんじんです。加熱解凍したものも流水解凍したものとどうよう、しなっとした食感で、味や甘みも薄く感じました。
並べてみるとこんな感じです。左は生のにんじんで、真ん中は流水解凍した生のにんじん、右は加熱解凍した生のにんじんです。加熱解凍したものは、加熱することで表面の水けが飛んで、少し焼き色がついています。
次は冷凍したレンジで加熱したを加熱解凍します。生のにんじんと同様フライパンに入れ、中火で炒めます。
こちらが炒めたレンジで加熱したです。こちらも比較的歯ごたえもしっかりとありました。またにんじんの香りや甘みも濃くしっかりと残っています。
並べてみるとこんな感じです。左はレンジで加熱したにんじんで、真ん中は流水解凍したレンジで加熱したにんじん、右は加熱解凍したレンジで加熱したにんじんです。こちらも加熱解凍したものは炒めることで表面の水気が飛び、少し焼き色もついています。
2つのやり方で冷凍したにんじんを加熱解凍してみましたが、結果は味や食感にかんして、どちらもレンジで加熱したにんじんの方がよかったです。
なので加熱解凍する場合でもレンジで加熱してから冷凍保存する方をおすすめします。
並べてみるとこんな感じです。左が加熱解凍した生のにんじんで、右は加熱解凍したレンジで加熱したにんじんです。見た目に関してはそんなに差はありません。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
それでは冷凍したにんじんを使ったレシピをいくつか紹介します。今回紹介するのはにんじんとジャガイモの甘辛炒めです。使う材料は以下の通りです。
まずはジャガイモの皮をむいて乱切りにします。これを耐熱容器に入れ、ラップを上から乗せてレンジで4分〜5分(600W)加熱します。つまようじを刺してみてすっと入ればしっかりと加熱できています。
次にフライパンに油をひいて火にかけ、2cm幅ほどにカットした薄切りベーコンを炒めます。
さらに冷凍のまま輪切りにんじんを加え炒めます。少し火が通ったらさらにジャガイモも加えて炒めます。
ジャガイモに焼き目がついてきたら酒、みりん、砂糖、しょうゆ、鶏がらスープの素を加えてよく絡めます。
汁気が少なくなってきたら火を止めて器に盛って出来上がりです。
次はにんじんとごぼうのごまみそマヨネーズ和えを紹介します。使う材料は以下の通りです。
まずは冷凍したにんじんを流水解凍しておきます。
ごぼうは土をよく洗い落としたら薄めの乱切りにします。切ったごぼうは水を入れた耐熱容器に入れておきます。こうすることで変色を防げます。
全部カットしたら水を流します。この時大さじ1分ぐらい水を残しておくと、レンジで加熱したときにふっくらと仕上がります。
あとは上からラップをしてレンジで600Wで3分、500Wなら3分40秒加熱します。
ボウルに調味料Aを入れてよく混ぜ合わせておきます。
ここに解凍したにんじんとレンジにかけたごぼうを加え、よく和えたら出来上がりです。
今回はにんじんを冷凍するなら生のままとレンジで加熱してからのどちらがいいのかを検証してみました。流水解凍して使う場合でも加熱調理で直接冷凍のまま使う場合でも、味や食感はレンジで加熱してから冷凍したものの方がよかったです。
生のまま冷凍したにんじんは流水解凍の際も加熱解凍の際も、水分が多く出てしまい、その分味や食感が落ちてしまったのだと考えられます。なので冷凍保存する場合は一度レンジで加熱してから保存することをおすすめします。