パプリカはとうがらしの一種でからさが穏やかな甘味種になります。ピーマンも同じ甘味種で日本ではジャンボピーマンと呼ばれる品種が完熟して赤や黄色になったものをパプリカといいます。今回はおいしいパプリカの見分け方を詳しく見ていきます。まずはパプリカの旬とパプリカの種類について紹介します。
次にパプリカの見た目での選び方と、手に取ってみての選び方、カットしたパプリカの選び方を紹介します。そしてパプリカが痛むとどうなるのか、パプリカの保存方法やパプリカに含まれる栄養素についても取り上げます。
パプリカは通年で回りますが旬は7月から10月にかけてです。高知や熊本、宮崎産のものが多いです。パプリカはオランダや韓国、ニュージーランドなどからの輸入物も多いです。通常のピーマンの旬は6月から9月とパプリカとは若干ずれます。
パプリカはもともとは中南米原産で、コロンブスがアメリカからヨーロッパに持ち込み、そこから広がったものです。品種改良により現在のように辛みの少ないものが開発され、現在の主流となっています。日本には明治時代に大型種がいったん入ってきましたが広がらず、戦後にはいって一般にも広まりました。
ピーマンもパプリカもどちらもとうがらしの甘味種で、同じものです。日本ではジャンボピーマンと呼ばれる品種が、緑の未熟果から完熟し、赤や黄色に変わったものが一般的にパプリカと呼ばれています。完熟すると葉緑素の緑が減少し、変わってアントシアニンやカロチノイドなどの色素成分が増えて赤や黄色のパプリカとなります。
パプリカはピーマンとは違い青臭さや苦みが少なく、甘みが強いのが特徴です。色は含まれる色素成分の違いにより、赤や黄色以外にも白や橙、茶、黒紫などもあります。
ちなみに熟す前の緑のジャンボピーマンも市場に出回ります。こちらは熟していないので味はほぼ通常のピーマンです。若干甘みがありますが、パプリカのように甘みは強くありません。
ジャンボピーマンについては詳しくはジャンポピーマンとは、普通のピーマンとの違いや絶品レシピも紹介で解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
つやがあり色が鮮やかなもの、色にムラがないものがいいです。
ハリがあって表面にしわがなく、なめらかなパプリカが新鮮です。
鮮度が落ちてくるとこのようにハリがなくなり、表面にもしわがよってきたり、ぼこっとへこんできたりします。
並べるとこんな感じです。左はハリあるパプリカで、右はハリがなくしわの寄ったパプリカです。並べるとその差がよくわかるかと思います。
果柄の部分が緑で、つややハリのあるものを選びます。果柄とは枝から果実へと延びる部分です。
こちらは鮮度が落ちて果柄が黒く変色してきたパプリカです。
並べるとこんな感じです。左は果柄が奇麗な緑色のパプリカで、右は果柄が黒く変色したパプリカです。並べると色の違いがよくわかるかと思います。
鮮度のいいものはへたの切り口がこのように奇麗でみずみずしいです。
こちらは鮮度が落ちてへたの切り口がしなびてきているパプリカです。この部分も変化が出やすいので鮮度を見分けるポイントになります。
並べるとこんな感じです。左はへたの切り口が奇麗なパプリカで、右は切り口がしなびてきているパプリカです。切り口の周囲からしなびてしぼんできているのがわかるかと思います。
鮮度のいいものはへたの切り口に変色もなくこのように奇麗な色をしています。
鮮度が落ちてくるとへたの切り口も黒く変色してきます。
並べるとこんな感じです。左はへたの切り口の色が奇麗なパプリカで、右はへたの切り口が黒いパプリカです。並べると色味が全然違うのがわかるかと思います。
手に取ってみて同じサイズならより重い方がいいです。古くなってくると水分が抜けてしおれて軽くなってきます。
皮がふかふかせずはりや固さがあるものを選びます。こちらはハリがあってしっかりとした固さのあるパプリカの画像です。
古くなってくると水分が抜けてハリや固さがなくなってきます。こちらは水分が抜けてしわがより、ハリや固さもなくなってきているパプリカです。
並べるとこんな感じです。左はハリがあって固いパプリカで、右はハリがなく柔らかいパプリカです。左は指で押してもへこみませんが、右は指で押すとぼこっとへこんでしまいます。
ただこの状態であればまだハリや固さを復活させる方法はあります。詳しくはしなびたパプリカが元通りになるの?パプリカの復活術、再生術を検証しますで解説しています。
また以下の動画でもその効果を検証しています。
パプリカを見分ける際に手にとってみて重みがあるかどうかを確認しますが、それでは実際パプリカはどのくらいの重さがあるのでしょうか。実際に測ってみることにします。 検証したのは縦8.8cm、横7.5cmのサイズのものです。
このサイズでの重さは154.2gでした。さらにパプリカの重さは1個、半分、1/4個で何グラム、大きさやカロリーは?ではパプリカをカットした際の重さなども検証しています。
パプリカは通常まるごと売られているもので、カットしたものを見かけることはまれです。そこで買ってきたパプリカを半分に切ったときに良しあしを見分ける方法を紹介します。パプリカは肉厚なものほどいいです。
鮮度のいいものはカットしたときに種が白くてきれいなままです。
鮮度が落ちてくるとこのように徐々に濁って茶色っぽくなってきます。
並べるとこんな感じです。左は種が奇麗なパプリカで、右は種が濁ったパプリカです。見た目にきれいでもカットしたときに種が濁っているものは鮮度が落ちています。
割ったときに種が育ちすぎていないものの方が果肉は柔らかいです。
以下ではパプリカの見分け方・選び方をドアップの映像で動画で解説しているので、併せて参考にしてみてください。
さらにパプリカとピーマンの見分け方を並べて解説した動画もあります。こちらも参考にしてみてください。
パプリカも使わずに長く置いておくと次第に傷んで腐ってきます。まず色も黒味がかってきてつやもなくなり、弾力もなくなってしわくちゃになってきます。さらに異臭がしたり、カビが生えたりします。
ちなみにこちらは鮮度が落ちて、パプリカの一部が茶色に変色してきたものです。茶色に変色したものもまだその範囲が一部であれば、その部分をカットして、きれいなところはまだ食べることができます。
茶色に変色したパプリカについてはパプリカが傷んで茶色に変色!内側にも黒カビが!まだ食べられるの?実際に食べて検証してみた!でも詳しく検証しているので、併せて参考にしてみてください。
おいしくて鮮度のいいパプリカを選んだとしても、すぐに使わない場合はちゃんと保存しておかないと傷んでしまいます。そこでパプリカの上手な保存の仕方についても解説します。パプリカは新聞紙で包んでポリ袋に入れ、軽く口をしめて冷蔵庫の野菜室で保存します。カットしてから冷凍保存も可能で、1ヵ月は持ちます。天日で乾燥させてから冷蔵庫での保存でも1ヵ月は持ちます。
カットしたパプリカは傷むのが早いのでぴっちりとラップで包んで冷蔵庫で保存し、4〜5日で使いきりましょう。パプリカのきんぴらなどに調理して冷凍保存してもいいです。こちらは2週間は持ちます。詳しくはパプリカの保存方法と保存期間、長持ちのコツで解説しています。
ちなみに以下の動画では実際に新聞紙で包んでポリ袋に入れて保存する方法の効果を検証しています。併せて参考にしてみてください。
パプリカにはビタミンCが非常に多く含まれます。ビタミンCの推奨量はは成人男女で1日に100mgですが、パプリカは100gで170mgものビタミンCを摂取できます。ビタミンCは抗酸化作用により体を老化や酸化から守ってくれる働きがあります。またコラーゲンの合成にも関わり、動脈硬化を予防する効果もあります。詳しくはビタミンCの多い食品・食べ物と含有量一覧で解説しています。
パプリカにはビタミンEも豊富です。ビタミンEも抗酸化作用や動脈硬化の予防などに効果があります。またエネルギー代謝や動脈硬化の予防、月経前症候群の軽減などの効果のあるビタミンB6も豊富です。ビタミンEについてはビタミンEの多い食品・食べ物と含有量一覧で、ビタミンB6についてはビタミンB6の多い食品・食べ物と含有量一覧でも詳しく解説しています。
パプリカには毛細血管を丈夫にするヘスペリジンも含まれます。ヘスペリジンにはこの他パプリカに多く含まれるビタミンCの吸収を助ける働きもあります。
まずは見た目のチェックです。パプリカは鮮度が落ちてくると最初にへたの部分に現れます。へたがみずみずしくて新鮮で変色してないものを選びます。色は鮮やかでツヤのあるものを選びます。手に取ってみて重量感があり、張りや弾力のあるものほど良品です。
カットしたものは肉厚で種もそれほど育っていないものの方が身は柔らかいです。