HOME > 食材の加熱調理の疑問 > さつまいもをレンジで加熱するなら600W、200W、100Wのどれが一番甘くなるの?検証したら驚きの結果に!
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さつまいもはレンジで調理してもおいしく蒸しあげることができるそうです。ただその際に重要なのはワット数で500Wや600Wと高いワット数ではなくて、200Wや100Wの低いワット数で時間をかけて加熱した方が甘く仕上がるそうです。
実際のところそんなに大きな差がでるのかどうかきになったので、今回は600W、200W、100Wとワット数を変えてさつまいもをレンジで加熱してみて、甘みや食感にほんとに違いは出るのかを検証してみることにします。
そもそも200Wや100Wとなぜ低いワット数で長時間加熱した方が甘みは引き出されるのでしょうか。調べてみたところさつまいものでんぷん質が糖分に変わるのは70度から80度ぐらいの温度で、この温度で時間をかけて加熱してやると甘みもどんどん増してくるそうです。
なのであまり高温になりすぎない200Wや100Wで長く加熱した方がより甘くなるというわけです。
ちなみにお使いの電子レンジで100Wや200Wモードが見当たらない場合は解凍モードでもいいです。解凍モードの多くは100Wから200Wに設定されているようです。
どちらかわからない場合は200Wの時間で加熱してみて、加熱がたらないならさらに追加で加熱してみてください。
それでは実際に検証してみることにします。さつまいもは品種によっても甘みや食感も変わってくるので、レンジのワット数の違い以外の要因はなるべく同じになるように、同じ袋に詰められていたこちらのさつまいもで検証します。こちらの品種は紅あずまになります。
まずは200Wでレンジで加熱してみます。まずはレンチン前のさつまいもです。
手で持ったときの大きさはこんな感じです。重さは1本で202gで約200gです。
こちらを湿らせたキッチンペーパーで包みます。
さらに全体をラップでくるみます。
こちらをレンジで200Wで加熱します。加熱時間はさつまいも200gなら12分です。さつまいもの重さに合わせて例えば300gなら加熱時間も1.5倍にして18分にしてください。
火の通りについてはこのようにつまようじを刺してみて、奥のほうまですっと入るとしっかり火が通っています。
こちらはレンジで200Wで加熱したさつまいもです。
カットした断面はこんな感じです。しっかりと中まで火が通っています。
こちらは食べやすいように厚めに輪切りにしたものです。食べてみたところ甘みが濃厚で、すぐに消えずにしっかり広がる感じです。食感はしっとりとして柔らかくなっていてよかったです。
レンジで調理してもここまでしっかり甘みが出るんだなと感心した次第です。
次は100Wでレンジで加熱してみます。最初は200Wだけのつもりでしたが、使っているレンジが100Wも指定できるので、ついでに100Wでも検証してみることにしました。ただ100Wも200Wもそんなに違いはないんじゃないかなとは思っています。
こちらはレンチン前のさつまいもです。重さも約200gほどです。
こちらも湿らせたキッチンペーパーで包みラップをしてレンジで加熱します。加熱時間はとりあえず200Wの時の倍で24分加熱します。
実際加熱してつまようじを刺してみたところまだ奥の方が少し固さが残っている感じでした。どうやら24分では時間が足りないようです。そこで残り6分加熱して合計で30分レンチンしました。
こちらは100Wで加熱したさつまいもです。しっかり中心まで柔らかくなっています。
こちらはカットした断面です。こちらもしっかり中まで火が通っています。
こちらは食べやすいように輪切りにしたものです。食べてみたところさらに甘味が増しておいしかったです。200Wの時も甘みがしっかりあるなと思ったのですが、100Wの場合はそれよりもさらに甘味が増しています。
200Wと100Wではたいして差がないだろうなと思っていたのですが、ここまで差が出たのは驚きでした。食感はこちらもしっとりとして柔らかかったです。
最後に600Wでレンジで加熱してみます。こちらはレンジで加熱する前のさつまいもです。
少し大きなさつまいもだったので他のさつまいもと同じように200gグラムになるよう少しカットしました。重さは207gで約200gです。
こちらも湿らせたキッチンペーパーで包んでラップでくるみ、レンジで600Wで加熱します。加熱時間は200gで4分30秒です。
こちらは加熱したものです。
カットした断面はこちらです。断面は100W、200Wのものとそんなに違いは見られません。
並べるとこんな感じです。大した差がないのがわかるかと思います。
こちらは食べやすいように輪切りにしたものです。食べてみたところこちらもさつまいもの甘みはちゃんと出ていたのですが、200Wに比べると甘みは薄く感じました。
200Wのような長く残る甘みの濃厚さにもかけている感じがしました。食感は200Wに比べるとややしっとり感が弱い感じがしました。
3つを食べ比べてみましたが同じ品種のさつまいもを使ったのに、ここまで甘みに差が出たのは驚きでした。やはりさつまいもは低ワット数で長く加熱した方が甘みがぐんと引き立つようです。
星で表すなら100Wのさつまいもが星5なら200Wのさつまいもが星3.8、600Wのさつまいもは星2.5といった感じです。味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。
一応時短の方法として600Wと200Wを途中で切り替えて加熱する方法というのも試してみました。こちらは最初に600Wで1分加熱してさっと温めた後、残りは200Wで10分加熱するというものです。
こちらはレンジで600Wで1分加熱してさらに200Wで10分加熱したさつまいもです。
食べてみたところ200Wで12分加熱したものと比べても特に味も食感も大きな違いはありませんでした。
正直時短もそれほど短くなるわけでもないし、途中でワット数を切り替える手間もかかるので、味や食感が変わらないのならそのまま200Wで12分加熱するやり方でいいと思います。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも取り上げているので、合わせて参考にしてみてください。
さつまいもはレンジで加熱する以外でも茹でたり蒸したりする方法もあります。それぞれの加熱方法だとどれが一番味や食感はいいのでしょうか。
まずはさつまいもを茹でていきます。こちらは大きさにもよりますが20分から30分ほど茹でます。しっかり茹でてくしがすっと入るくらいになったら取り出します。ちなみに今回は28分かかりました。
蒸す場合は蒸し器に入れてこちらも大きさによって20分から30分ほど蒸します。蒸したらこちらも取り出します。こちらは今回は25分かかりました。
これを100Wでレンチンしたさつまいもと食べ比べてみました。味や食感の感想はこんな感じです。
味も食感も茹でたものよりも蒸したものの方がよくて、さらに蒸したもよりもレンチンしたものの方がよかったです。ただ蒸したものとレンチンしたものの味や食感の差はそんなに大きくはありません。
星で表すなら茹でたものが星4.5なら蒸したものは星4.8、レンチンは星5といった感じです。
レンチンしたものが若干の差ですが味や食感はよかったものの、こちらは1個200gで30分ほどかかります。2個や3個一度に調理すると加熱時間は2倍、3倍になります。一方で蒸す場合なら蒸し器に入る限り、2個3個を同じ時間でまとめて調理できます。
なので1個だけで調理するならレンジで、まとめて複数調理するなら味の差もそれほど大きくなくて時間も1個分で済む蒸す方法がおすすめです。
さつまいもを茹でた時と蒸した時とレンチンした時の味や食感の違いについてはさつまいもはゆでる、蒸す、レンジのどれが正解なの?検証してみたら驚きの結果に!でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
今回はさつまいもをレンジで加熱調理するならワット数は600W、200W、100Wのどれが一番甘みが強くなるのかを検証しました。結果は100Wでレンチンしたものが最も甘味が強く引き立ちました。
レンジでも長時間じっくりと高温になりすぎない温度で加熱した方がより甘みは強くなるようです。200Wまでしか選べない場合は200Wで、100Wで調理できるなら100Wでの調理をおすすめします。