さやいんげんは夏場の旬の時期には店頭などでもよく見かけますが、たくさん購入してきたものの、一度に使いきれない場合は上手に保存しておくことで無駄なく利用できます。そこで今回はさやいんげんの保存方法について、生での保存方法や冷凍して保存する方法などを詳しく見ていきます。
まずはさやいんげんの冷蔵庫の野菜室での保存方法の紹介です。さやいんげんの冷蔵保存にはいくつか方法がありますが、今回はどれがいいのかを実際に検証してみることにします。
まずはさやいんげんをこのようにキッチンペーパーの上に置きます。
あとはキッチンペーパーでさやいんげんを包みます。
これをポリ袋に入れて口をしめ、冷蔵庫の野菜室で保存します。これで1週間は保存ができます。
もう一つはキッチンペーパーには包まず、直接さやいんげんをポリ袋に入れ、口をしめて冷蔵庫の野菜室で保存します。こちらもこれで1週間は保存ができます。
そして最後は比較のために何もせずにそのまま野菜室で保存します。この3つの保存方法で保存効果を比較検証していきます。
まずはキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、野菜室で保存するさやいんげんの変化を見ていきます。こちらは1日目です。しっかりハリつやがあって、色もきれいです。
こちらは3日目です。特に変化は見られません。
こちらは5日目です。特に違いは見られません。
こちらは1週間目です。大きな変化は見られません。
1週間目までの変化を並べるとこんな感じです。初日から特に変わっていないのがわかるかと思います。
重さの変化を見ていくとこんな感じです。1日目は22.0gです。3日目は21.3g(-3.2%)、5日目は20.9g(-5.0%)で1週間目は20.6g(-6.4%)です。1週間でも重さの減りは比較的押さえられています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のキッチンペーパーで包んで冷蔵保存するさやいんげん | 22.0g |
3日目のキッチンペーパーで包んで冷蔵保存したさやいんげん | 21.3g(-3.2%) |
5日目のキッチンペーパーで包んで冷蔵保存したさやいんげん | 20.9g(-5.0%) |
1週間目のキッチンペーパーで包んで冷蔵保存したさやいんげん | 20.6g(-6.4%) |
次はそのままポリ袋に入れて野菜室で保存するさやいんげんの変化を見ていきます。こちらは1日目です。ハリつやがあって色もきれいです。
こちらは1週間目です。こちらもそんなに大きな変化は見られません。
1週間目までの変化を並べるとこんな感じです。こちらも初日からそんなに変わっていないのがわかるかと思います。
重さの変化を見ていくとこんな感じです。1日目は22.5gです。3日目は21.9g(-2.7%)、5日目は21.8g(-3.2%)で1週間目は21.5g(-4.5%)です。こちらはキッチンペーパーよりもさらに重さの減りが少ないです。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のポリ袋に入れて冷蔵保存するさやいんげん | 22.5g |
3日目のポリ袋に入れて冷蔵保存したさやいんげん | 21.9g(-2.7%) |
5日目のポリ袋に入れて冷蔵保存したさやいんげん | 21.8g(-3.2%) |
1週間目のポリ袋に入れて冷蔵保存したさやいんげん | 21.5g(-4.5%) |
さいごにポリ袋にも入れないでそのまま野菜室で保存するさやいんげんの変化も見ていきます。こちらは1日目です。ハリつやがあってきれいです。
こちらは3日目です。端の方で少ししなっとしてきたかなという感じがします。
こちらは5日目です。さらにしなびれてきて実も少し縮んできています。だいぶ乾燥してきているのでこちらの検証は5日目までとします。
5日目までの変化を並べるとこんな感じです。徐々にしなびてきているのがわかるかと思います。
さらにそれぞれの保存方法別の変化を並べるとこんな感じです。ポリ袋に入れたものとキッチンペーパーで包んだものは、どちらも1週間たってもハリがあってみずみずしいのがわかるかと思います。
重さの変化を見ていくとこんな感じです。1日目は22.1gです。3日目は18.6g(-15.9%)、5日目は15.5g(-29.9%)です。こちらは5日でかなり乾燥が進んで重さも大きく減ってしまいました。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのまま冷蔵保存するさやいんげん | 22.1g |
2日目のそのまま冷蔵保存したさやいんげん | 20.4g(-7.7%) |
3日目のそのまま冷蔵保存したさやいんげん | 18.6g(-15.9%) |
5日目のそのまま冷蔵保存したさやいんげん | 15.5g(-29.9%) |
保存方法ごとの重さの変化を並べるとこんな感じです。やはりそのまま保存したものがかなり重さが減りが大きいです。
今回はさやいんげんの冷蔵庫での保存方法がどの程度効果があるのかを検証してみました。結果はポリ袋に入れて保存すると一週間でもかなりハリやみずみずしさを維持したまま保存が可能です。
さらにキッチンペーパーで包んで保存してもいいですが、若干重さの減りがぽり袋に入れたものよりも多かったので、保存はポリ袋にそのまま入れるのでいいと思います。
なお以下の動画でもキッチンペーパーやポリ袋、そのまま冷蔵保存した時の保存効果の違いを比較しながら検証しているので、併せて参考にしてみてください。
さやいんげんは茹でてから冷凍保存することができます。さやいんげんのへたは固いので、最初に切り落としておきます。
次に鍋に水と塩少々いれて、固めに1分ほどゆでます。
さやいんげんを鍋から冷水に取り出し、粗熱が取れたらキッチンペーパーで水分をふき取ります。そして冷凍用保存袋に入れて金属トレイの上に乗せ、冷凍庫で保存します。これで1ヵ月は保存ができます。
さやいんげんは肉巻きにして冷凍保存してもいいです。まずはさやいんげんを茹でてからさまし、それを塩こしょうをふった豚の薄切り肉で包んでいきます。薄切り肉の代わりにベーコンを使ってもいいです。
これを冷凍用保存袋に重ならないように入れ、金属トレイにのせて冷凍保存します。これで1ヵ月は持ちます。
さやいんげんは生のままで保存するよりも、加熱処理してからの方が、味や鮮度の落ちを抑えることができます。これはさやいんげんに含まれる酵素の働きによります。酵素は低温下ではその働きは落ちますが、それでも徐々に味や鮮度は低下していきます。そこでこれをあらかじめ加熱処理しておくことで、酵素の働きを抑え、味や鮮度の落ちを最小限に抑えることができます。
冷凍保存する際は素早く冷凍するのが大事で、保存袋などで保存する際にその中に熱伝導率の低い空気がたくさん残っていると、その分冷却にかかる時間が長くなります。保存袋を使って保存する場合は、空気をしっかり抜くようにしましょう。
食品を冷凍するうえで大事なのはなるべく平らになるように保存袋に入れることです。こうすると表面積が増えるので冷気の伝わりも早くなり、また均一に冷気が伝わります。解凍時もより早く解凍させることができます。
冷凍保存では後になっていつ保存したのかわからなくなるといったこともよくあります。そうならないよう保存袋に保存日と中身について記入しておくといいです。こうしておけばいつでも保存日を確認することができます。
ちなみに冷凍用保存袋といえばジップロックが有名ですが、こちらはあらかじめ保存袋の表面に日付や保存する食材名を記入する欄がプリントされています。ジップロックはS、M、Lとサイズがあり、スーパーやドラッグストアなどでも売っていますが、ネットでまとめて購入することもできます。
さやいんげんを上手に冷凍保存したいなら、金属トレイの上にのせて保存するといいです。食品は素早く冷凍した方が鮮度の持ちがいいので、熱伝導率の高い金属トレイの上に乗せることで、より早く冷凍させることができます。さやいんげんの冷凍保存についてはさやいんげんの冷凍保存と失敗しない解凍のコツ、活用レシピも紹介でも詳しく解説しています。
さやいんげんを茹でてから冷凍保存すると以下の画像のようにカチカチに凍ります。
食べる際は前日に冷蔵庫に移して自然解凍するといいです。解凍は常温よりも低温下で行った方が水分の流出も少なく、味や食感が落ちるのも抑えることができます。以下の画像は冷蔵庫で自然解凍したさやいんげんです。和え物や煮物、汁もの、炒め物などに利用するといいでしょう。
ちなみに煮物や汁物、炒め物などで使う場合は冷凍のまま料理に使ってもいいです。ただし調理しながらの解凍なので多少時間はかかります。
解凍したさやいんげんを使ったレシピを一つ紹介します。今回紹介するのはさやいんげんと油揚げの煮ものです。使う材料は以下の通りです。
まずはさやいんげんを2,3等分に切り分けます。油揚げは熱湯をかけて油抜きしてから、さやいんげんと同じぐらいの幅に短冊切りにします。鍋に酒、しょうゆ、みりん、水、顆粒だしの素を入れて一煮立ちさせたあと、さやいんげんと油揚げを入れて落し蓋をして、弱火で7分ほど煮込んで完成です。
さやいんげんの肉巻きは冷凍すると以下の画像のようにカチカチに凍ります。
このあとフライパンで焼いてからたべるのですが、冷凍のまま調理しても解凍して調理してもどちらでもいいです。下の画像は冷蔵庫で自然解凍したさやいんげんの肉巻きです。
冷凍したさやいんげんの肉巻きの焼き方も紹介します。使う材料は以下の通りです。
まずはフライパンにサラダ油を引いて熱します。そこにさやいんげんの肉巻きをくわえ、中火で焼きます。弱火にして蓋をして蒸し焼きにして、中まで火を通します。最後にめんつゆを加えて味を絡めて出来上がりです。
あらかじめさやいんげんを作り置きのおかずにして保存しておけば、簡単に料理に一品加えることもでき、料理時間の短縮につなげることができます。保存は冷蔵庫なら3〜4日、冷凍庫なら2週間ほど可能です。まずはさやいんげんと豚肉の炒め煮から紹介します。
作り方はさやいんげんは固いさやの部分を切り落としてから半分に斜め切りにします。豚肉は一口サイズにきりわけます。フライパンにサラダ油を引いて熱してから豚肉を入れ、色が変わってきたらさやいんげん、しょうがのせん切りを加えて炒めます。
フライパンにだし汁、しょうゆ、酒、砂糖、塩を加えて一煮立ちさせてから、弱火にして蓋をして7分ほど煮込んで完成です。
次にさやいんげんの黒ごま和えについて紹介します。まずはさやいんげんの固いへたの部分をカットしてから、鍋で塩ゆでにします。さやいんげんを取り出し3〜4cmほどの長さに切り分けます。しょうゆを振りかけ汁気を絞ります。
ボールに黒すりごま、砂糖、みそ、ゴマ油を入れてよく混ぜ、そこにさやいんげんを入れてよく合えたら出来上がりです。
さやいんげんの作り置きを冷凍保存する場合は冷蔵庫での保存なら容器に入れての保存でもいいですが、冷凍庫に保存するなら冷凍用の保存袋がいいです。こちらの方が空気を抜きやすく密閉しやすいし、平らになるように入れれば冷却も早くなります。冷凍したものを使う際は電子レンジでまずは解凍し、そのあと耐熱容器に移してレンジで温めるといいです。
さやいんげんは冷蔵庫の保存で1週間ほど持ちます。茹でてから冷凍保存すれば1ヵ月は持ちます。さやいんげんと豚肉の炒め煮やさやいんげんの黒ごま和えなどにしてから冷凍保存した場合は2週間ほど持ちます。
保存方法 | 保存期間 |
---|---|
冷蔵保存 | 1週間 |
冷凍保存 | 1ヵ月 |
作りおきにして保存 | 冷蔵保存 3〜4日 冷凍保存 2週間 |
さやいんげんは傷んでくると茶色や黒っぽく変色してきます。さらに水分が抜け出てぬめりも出てきます。異臭なども出てきて白いカビが表面につくこともあります。さやいんげんは傷むともう食べられません。
さやいんげんは緑が鮮やかで細長く、太さが均一なもの、豆の形があまり浮き出ていないものがいいです。またさやの先がピンとしているもの、触ると張りや弾力があるかも鮮度を見分けるポイントとなります。さやいんげんの詳しい見分け方についてはおいしいさやいんげんの見分け方・選び方で解説しています。
ここまでさやいんげんの様々な保存方法について解説してきました。さやいんげんは傷みやすい野菜なので長期で保存したいなら茹でてから冷凍保存しておくといいです。冷凍保存なら1か月ほど保存できます。
煮物や汁物、炒め物で使うなら凍ったままでも調理ができます。和え物やサラダなどにする場合は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍しておくといいでしょう。冷凍ではなく生のまま保存する場合は新聞紙で包んでからポリ袋に入れ、軽く口をしめて冷蔵庫の野菜室で保存するといいです。これで1週間ほど保存できます。