HOME > 食材を外で常温保存する方法 > たまねぎをネットに入れて吊るして常温保存したら本当に長持ちするのか検証してみた!
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たまねぎといえばネット(網)に入れてから軒先などに吊るしておけば、長持ちするといいますが本当なのでしょうか。気になったので実際に試してみることにしました。
まずはたまねぎを入れておくネット(網)を用意します。本来ならみかんなどを入れるのに使うネットがあると便利なのですが、なかったので今回は排水溝用のネット(網)で代用することにします。
こちらはこのように網目状でしっかりと空気が通るようになっていて、通気性はいいです。
この中にたまねぎを入れます。あとは上部を束ね、開かないよう縄などでしっかりと結んでおきます。
S字状のクリップを用意して、ここに結び付けます。
あとはこのまま室内で棒にこのように吊るしておきます。
まずは保存するたまねぎの初日の状態を確認しましょう。初日のたまねぎはこのように傷もなく、ハリつやもありしっかりと固いです。
こちらは1週間目です。特に大きな変化は見られません。
こちらは1カ月目です。特に変化は見られません。
こちらは2カ月目です。特に大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左上は初日のネットに入れて吊るして保存するたまねぎで、右上は1週間目のもの、左下は1カ月目のもので、右下は2カ月目のものです。並べて見てもほとんど変化がないのがわかるかと思います。
ちなみにカットした断面を見てみると、このように2カ月たってもみずみずしいままで、特に傷んだ様子も見られません。食べて見たところみずみずしくて甘みもしっかりとありました。
重さの変化を見ていくとこんな感じです。初日の吊るして保存したたまねぎの重さは212.3gです。
1週間目は211.4gで初日からは0.5%減、1カ月目は209.9gで初日からは1.2%減、2カ月目は210.0gで初日からは1.1%減となっています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の吊るしたたまねぎ | 212.3g |
1週間目の吊るしたたまねぎ | 211.4g(-0.5%) |
1カ月目の吊るしたたまねぎ | 209.9g(-1.2%) |
2カ月目の吊るしたたまねぎ | 210.0g(-1.1%) |
たまねぎをネットに入れて吊るして保存した気温と湿度の変化を見ていくとこんな感じです。初日の気温は26度で、湿度は59%でした。
1週間目の気温は21度で、湿度は62%、1カ月目の気温は19度で、湿度は66%、2カ月目の気温は18度で、湿度は70%となっています。初日こそ26度と高めですが、それ以降は18度から21度と比較的涼しい環境での保存でした。
今回の検証は初日こそ26度と比較的高めの気温でしたが、それ以降は21度から18度とそれほど高すぎない気温での保存でした。このため2カ月たっても傷むこともなく、ネットで吊るして常温でも保存することができました。
ただこれも夏場のように、気温が高い場合は話が別です。こちらは同じような条件のもと、27度から30度という高い気温でネットで吊るして常温で保存したものです。
まずは初日です。特に傷んだ様子もありません。
こちらは1カ月目です。若干皮がはがれて浮いてきているようにも見えます。
こちらは2カ月目です。だいぶ皮が浮いてきていて、触ると表面がふかふかして柔らかくなっています。
皮をはがすとこのように外側の皮が熟してぐじゅぐじゅになっていました。気温が高い環境で常温で吊るして保存しておくと、長期間になるにつれ、外側が熟してドロドロになってしまうようです。
並べるとこんな感じです。徐々に外側の皮が浮いてきているのがわかるかと思います。
涼しい気温で2カ月間常温で吊るして保存したたまねぎと比べるとこんな感じです。外皮のハリ具合が全然違うのがわかるかと思います。
こちらは半分にカットしたものです。よく見てもらうとわかりますが、外側が熟して柔らかくなっています。このように気温が高い環境で常温で吊るして保存しておくと、長期間になるにつれ、外側が熟してドロドロになってしまいます。
こちらも涼しい気温で2カ月間常温で吊るして保存したたまねぎと比べるとこんな感じです。外側の熟し具合の差がわかるかと思います。
たまねぎを常温で吊るして保存する場合は、夏場のように気温が高すぎる環境は避けた方がよさそうです。
重さの変化を見ていくとこんな感じです。初日の夏場に吊るして保存したたまねぎの重さは200.0gです。
1カ月目は193.3gで初日からは3.4%減、2カ月目は188.3gで初日からは5.9%減となっています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の吊るしたたまねぎ | 200.0g |
1カ月目の夏場に吊るしたたまねぎ | 193.3g(-3.4%) |
2カ月目の夏場に吊るしたたまねぎ | 188.3g(-5.9%) |
たまねぎを夏場にネットに入れて吊るして保存した気温と湿度の変化を見ていくとこんな感じです。初日の気温は27度で、湿度は68%でした。1カ月目の気温は26度で、湿度は66%、2カ月目の気温は28度で、湿度は57%となっています。
ちなみに中は傷んでいなかったので、外側の熟した部分と一応その下の皮を取り除いてから、料理に使いました。熟していない部分は特に味も大きな変化はありませんでした。
なお、たまねぎが熟してしまった失敗談についてはたまねぎが溶けた!?間違った保存法でこんなことに!まだ食べられるの?でも詳しく解説しています。
夏場の暑い時期などは野菜室で保存した方がいいので、実際に野菜室で保存した時の変化も見ていくことにします。
野菜室で保存する場合はまずはこのように新聞紙で包みます。これをポリ袋に入れ軽く口を締めます。あとは野菜室で保存します。
まずは1日目の状態です。
こちらは2カ月目です。特に見た目に変化は見られません。
並べるとこんな感じです。2カ月たってもほとんど変わっていないのがわかるかと思います。
それぞれの保存方法で2カ月間保存した結果を並べるとこんな感じです。涼しい気温で吊るして保存したものも、ポリ袋に入れて野菜室で保存したものも、どちらもしっかりとハリがあり、きれいな状態です。
一方夏場に保存したものは皮が浮いてきてふかふかした感じになっています。
こちらは半分にカットしたものです。断面もきれいな状態です。
こちらもそれぞれの保存方法で保存したたまねぎの断面を並べるとこんな感じです。こちらも涼しい気温で保存したたまねぎと野菜室で保存したたまねぎは、外側迄しっかりと身が詰まっています。
一方夏場に吊るして保存したたまねぎは外側1枚分ぐらいがジュクジュクになっています。
重さの変化を見ていくとこんな感じです。初日の野菜室で保存したたまねぎの重さは251.2gです。2カ月目は248.3gで初日からは1.2%減となっています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の野菜室で保存したたまねぎ | 251.2g |
2カ月目の野菜室で保存したたまねぎ | 248.3g(-1.2%) |
それぞれの保存方法での重さの変化を並べるとこんな感じです。涼しい気温で吊るして保存したものもとポリ袋に入れて野菜室で保存したものは、どちらも同じくらいの減少率です。
一方夏場に吊るして保存したたまねぎは5.9%減と重さの減りも多いです。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
たまねぎを常温保存する場合でも、最初に鮮度のいいものを選ぶのは長持ちさせるうえで大事なポイントです。そこでおいしくて鮮度のいいたまねぎの見分け方を紹介します。
たまねぎは形は球形に近いもの、芽が出ていないもの、持ってみて重みがあり、頭の部分を押してもへこまないものが良品です。
詳しくはおいしいたまねぎの見分け方・選び方で解説しています。
今回はたまねぎをネットで吊るして、常温で室内で保存した場合、どのくらい鮮度が持つのかを検証してみました。たまねぎはもともと長く保存ができる野菜の一つで、ネットで吊るして室内で保存して2カ月たっても、特に傷みなどは見られませんでした。
なので大量に買ってきて冷蔵庫に入りきれない場合は、吊るしておくのもいいでしょう。
ただ夏場のように気温が高い場合は、保存が長くなると成熟がすすみ外側から実が熟して、ぐじゅぐじゅになってしまいます。なので夏場は冷蔵庫の野菜室で保存するようにしましょう。