HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > たまねぎの冷凍保存は生とレンジでどっちが正解か検証したら意外な結果に!
|
たまねぎは常温での保存が基本ですが、冷凍保存でも長く保存することができます。そこで今回はたまねぎの冷凍保存に絞って保存方法について詳しく見ていくことにします。まずはたまねぎをカットして冷凍保存する方法と、作り置きのおかずにして冷凍保存する方法を紹介します。
たまねぎはカットして冷凍保存する場合は生のままでもいいのか、それともレンジで加熱調理してからの方がいいのかも気になるところです。こちらについても詳しく検証していきます。
たまねぎを冷凍保存する場合はゆでたり炒めたりして、加熱調理してから保存しましょう。玉ねぎは生だと酵素の働きにより腐敗が進んでいきます。この酵素は低温下ではその働きも鈍るのですが、日数がたてば徐々に腐敗は進んでいきます。事前に加熱処理することで酵素は壊され、腐敗の進行を遅らせることができます。結果冷凍保存での保存性が増すのです。
まずはたまねぎをカットしてから冷凍保存する方法を紹介します。ただこの場合は生のままのでもいいのか、レンジで加熱してからの方がいいのかも気になるところです。
そこでまずは生のままとレンジで加熱したたまねぎをそれぞれ冷凍保存してみて、味や食感がどのように違うのかを検証してみることにします。
まずはたまねぎの皮を剥き両端をカットします。
これを縦に半分にカットしたら1cm幅にくし切りにします。
生で冷凍する場合はこのまま冷凍用の保存袋に入れ、冷凍保存します。
レンジで加熱する場合はこのように耐熱容器に入れ、ラップはせずにこのままレンジで加熱します。加熱時間はたまねぎ100gあたりで600Wで2分、500Wなら2分30秒です。容量が倍になるなら加熱時間も倍になります。
加熱したら冷めるまで待ち、冷凍用の保存袋に入れ冷凍保存します。
ちなみにたまねぎを冷凍保存する場合は何分がいいのかも検証してみました。検証ではたまねぎ100gに対してレンジで600Wで1分、2分、3分と加熱時間を変えてそれぞれ冷凍しました。
こちらをそれぞれ解凍して食べ比べて見たところ、2分が最も味や食感がよかったです。詳しくはたまねぎをレンジで加熱するなら1分、2分、3分の何分が正解?検証したら意外な結果に!でも解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
それでは冷凍保存したそれぞれのたまねぎを解凍してみることにします。解凍は流水解凍と加熱解凍で行います。まずは流水解凍です。ちなみにたまねぎの解凍方法については冷凍したたまねぎの解凍方法、自然解凍、流水解凍、氷水解凍のどれがいいのか検証してみたの動画でも詳しく解説しています。
まずはポリ袋に冷凍したレンジで加熱したたまねぎを入れます。ちなみに袋に入れる際はストローなどを使って中の空気を抜いておくといいです。
こちらはストローで空気を抜いて密封にしたものです。こうするとたまねぎが水に当たる面積も増え、解凍時間を短縮できます。
次にこのように容器に水を入れ、上から水を少しずつ流し続けます。水は空気の20倍ほどの熱伝導率があるので、水に浸けたほうが早く解凍できます。さらに水をたらし続けて水を動かすことでより早く解凍できます。
解凍できたかどうかは袋の上から触ってみて、たまねぎが柔らかくなっているかどうかで判断します。今回は水温は20度ほどで、この状態で10分ほどで解凍できました。
それではまずはレンジで加熱してから冷凍したたまねぎを流水解凍してみることにします。こちらはレンジで加熱してから冷凍したまねぎです。
こちらはそれを流水解凍したものです。食べてみたところ一度火を通しているのでたまねぎの甘みもしっかりありおいしかったです。
食感も適度な柔らかさでちょうどよかったです。一度火に通していますが、流水解凍で冷めた状態だといまいちなのかなと思っていたのですが、流水解凍した後でも十分おいしかったです。
こちらは生のまま冷凍したたまねぎを冷凍したものです。
こちらはそれを流水解凍したものです。たべてみたところまだ火を通していないので甘さはあまりなく、味自体もあまりおいしくはありませんでした。
食感の方は冷凍して解凍すると生のたまねぎも、火を通したたまねぎのようにしんなりしていました。柔らかさ自体はレンジで加熱して流水解凍したものとそんなに変わりません。
2つを食べ比べて見た結果、味はレンジで加熱してから冷凍したものの方がしっかりと甘みがあっておいしかったです。食感に関してはそんなに差はありませんでした。
星で表すなら生の方が星1なら、レンジで加熱した方は星5といった感じです。味や食感についてまとめるとこんな感じです。
次はフライパンで炒めて加熱解凍した場合の味や食感の違いを見ていきます。まずはレンジで加熱してから冷凍したたまねぎです。
こちらは加熱解凍したものです。食べてみたところ加熱してもしっかりと甘みがあっておいしかったです。食感も適度に柔らかくてよかったです。
こちらは生で冷凍したたまねぎを加熱解凍したものです。食べてみたところ加熱したことで甘みは出てきましたが、まだ生っぽい味が残っていて、流水解凍したものよりは食べれますが、まだあまりおいしくはありませんでした。食感はこちらも適度に柔らかかったです。
2つを食べ比べて見た結果、加熱解凍した場合でもレンジで加熱してから冷凍したものの方が全然甘味はあっておいしかったです。食感の方はそれほど差はありませんでした。
星で表すと生の方は星2なら、レンジの方は星5といった感じです。味や食感についてまとめるとこんな感じです。
一応より同じ条件で比較するために、生で冷凍したものも、冷凍した後ではありますが、2分半ほどレンジで加熱してみました。
レンジで加熱して冷凍したたまねぎの加熱時間が2分だったので、これで両者ともほぼ同じ時間加熱したことになります。2分半で30秒ほど多い理由は、凍った状態から解凍するまでの時間も加味して30秒ほど多くしてます。
それでは冷凍した生のたまねぎを2分半レンジで加熱解凍して冷めるまで待ったものと、レンジで2分加熱してから冷凍して流水解凍したものを食べ比べて見て、味や食感の違いを比較してみます。
まずは冷凍した生のたまねぎを2分半レンジで加熱したものです。食べてみたところ加熱せずに流水解凍したものとは違ってたまねぎの甘みも出ていておいしかったです。食感は適度に柔らかかったです。
一方こちらはレンジで2分加熱してから冷凍して流水解凍したものです。食べてみたところこちらは甘みが濃厚で食べて見てすぐ違いが分かりました。生の方も甘みはありましたが、こちらと比べると大分差があります。
星であらわすと生で冷凍してレンジで加熱した方が星3なら、レンジで加熱してから冷凍して流水解凍した方は星5といった感じです。食感に関してはそんなに差はありませんでした。味や食感についてまとめるとこんな感じです。
ちなみに今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
たまねぎにひと手間かけて保存する方法です。あらかじめカットしたり炒めておくと使う時にその工程を省けるので料理の時短にもつながります。まずは玉ねぎをみじん切りにします。そして炒めてから冷凍用保存袋か使うサイズごとにラップに包んで保存します。
さっと炒めれば甘みが増し、あめ色になるまで炒めればうまみとコクが増します。保存は1か月ほど可能です。
ちなみにたまねぎをあめ色になるまでにはかなり時間がかかります。実際にじっくりと炒めて37分ほどかかりました。これをどうにか短くできないかと思い、いろいろな方法を試してみました。
まずはレンジで加熱してから炒める方法を試してみました。みじん切りにしたたまねぎをレンジにかけます。加熱はたまねぎ1個で600Wで3分(500Wなら3分40秒)です。この方法で炒め始めたら34分ほどで出来上がりました。
まだまだ結構時間がかかります。そこで今度はできるだけ細かくたまねぎを刻み、それをいったん冷凍保存します。冷凍したら、冷凍のまま炒め始めます。この方法だと24分で出来上がりました。何もしない場合と比べると13分の短縮です。
ちなみにあめ色たまねぎを短時間で作るにはどの方法がおすすめなのかを検証してみたでも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
調理方法 | かかった時間 |
---|---|
そのまま炒める | 37分 |
細かく刻んで冷凍してから炒める | 24分 |
レンジで加熱してから炒める | 34分 |
また以下の動画でもあめ色たまねぎを時短方法について検証しているので合わせて参考にしてみてください。
手間はどうしてもかかってしまいますが、たまねぎをオニオンペーストにしてから冷凍保存してもいいです。オニオンペーストはカレーやミートソースなどに加えれば、コクが増しおいしさが一段も二段もアップします。またオニオンスープのほか、コーンスープ、パンプキンスープやにんじんスープに混ぜてもおいしいです。
作り方はまずはミキサーでざく切りにしたたまねぎをペースト状にしていきます。今回はたまねぎを3つ使いました。たまねぎはペースト状にした方が水分が出て、オニオンペーストをつくる時間の短縮になります。
今回はamazonや楽天市場で人気のフードプロセッサーを購入し、こちらをつかってペースト状にしました。なお購入したものの上位機種だと粗挽きや千切り、スライスなどもできるようですが、ペースト状にするだけでよかったので今回はこちらを購入しました。
なおこちらが上位機種です。
それでは実際にペースト状にしてみることにします。
ペースト状にすると以下の画像のようになります。
次にフライパンに油を大さじ2ほどくわえ、さらにその上からペースト状にしたたまねぎをくわえます。これを強火で炒めていきます。水分があるうちは強火でいいですが、水分が減ってきたら中火から弱火へと徐々に火加減を弱めてください。
炒める際は焦げ付かないようにまぜながら炒めます。フライパンの周囲にたまねぎのペーストがなるべく残らないように、中心に木べらでかき集めならがまぜるといいです。端の部分だけ残っていると徐々にその部分だけ焦げ付いてきます。1時間ほど炒めれば以下の画像のようにブラウン色になってきます。
さらに根気よく炒め続ければ1時間ほどで茶色いオニオンペーストの完成です。
オニオンペーストは小分けにして粗熱が取れたらラップをし、冷凍用保存袋に入れて冷凍保存します。これで1ヵ月は持ちます。
たまねぎのペーストを冷凍保存すると、下の画像のようになります。これが冷凍保存したたまねぎのペーストです。ペーストに含まれる水分も固まり、カチカチになります。料理に使う際は直接冷凍のまま使っても解凍してから使ってもいいです。
たまねぎのペーストを前日に冷蔵庫に移して自然解凍すると以下の画像のようになります。
それでは冷凍したオニオンペーストを使ったレシピを一つを紹介します。今回はオニオンスープです。使う材料は以下の通りです。
まずは鍋に水を入れ固形コンソメを入れてから火にかけます。沸騰したら今度はオニオンペーストを加えてよく溶きまぜます。
オニオンペーストがしっかりと溶けたら完成です。
あとは器にいれて上から乾燥パセリをかけて完成です。手順はオニオンペーストを溶きまぜるだけなので非常に簡単です。オニオンペーストを冷凍しておけば、いつでも簡単に本格的なオニオンスープがいただけます。
たまねぎを作りおきのおかずに調理して冷凍保存しておけば、解凍するだけでいつでも手軽に料理に一品加えることができて便利です。そこでいくつか作りおきレシピを紹介します。まずはたまねぎのマリネです。簡単に作れて冷凍保存で1ヵ月は保存できます。
作り方はまずは玉ねぎを薄切りにします。それを塩とオリーブオイルとまぜるだけです。冷凍用保存袋に入れて保存します。使うときは前日に冷蔵庫に移して半日かけて自然解凍させ、そのまま食べてもいいですし、野菜やハムと混ぜてサラダにして食べてもおいしいです。
次にたまねぎのそぼろ煮を紹介します。ご飯にかけてもおいしい一品です。保存は冷蔵庫で4〜5日、冷凍庫で2週間です。
作り方はまずはたまねぎを1.5cm角に切ります。鍋にごま油を引き、中火で熱してひき肉を色が変わるまで炒めます。次に玉ねぎを加えて炒め、玉ねぎが透き通ってきたら調味料を加えて時々まぜ、汁けがなくなってきたら完成です。
さらにもう一つ紹介します。こちらは手順が非常に簡単で手軽にできます。保存は冷蔵庫で4〜5日、冷凍庫で2週間です。
作り方はまずたまねぎを縦に6等分に切ります。つぎに切ったたまねぎとコンソメの素、水を入れて中火にかけて、沸騰したら弱火にして15分ほど煮て、柔らかくなったら塩・胡椒で味付けして出来上がりです。
作りおきレシピは冷蔵庫で保存するなら容器やパックに入れて保存してもいいですが、冷凍保存する場合は冷凍用の保存袋に入れて平らにして保存するようにしましょう。この方が素早く冷凍出来ておいしさも保てます。解凍するときにわかるようにレシピ名や保存した日付を保存袋に記載しておきましょう。
たまねぎを冷凍保存する場合は保存袋に保存日の記入を忘れないようにしましょう。冷凍保存では長期保存ができるのでついつい使ってしまうのを忘れがちで、後になっていつ保存したのかわからなくなることがあるからです。保存日を記載しておけばいつでも保存日を確認することができます。
ちなみに冷凍用保存袋といえばジップロックが有名ですが、こちらはあらかじめ保存袋の表面に日付や保存する食材名を記入する欄がプリントされています。ジップロックはS、M、Lとサイズがあり、スーパーやドラッグストアなどでも売っていますが、ネットでまとめて購入することもできます。
冷凍用保存袋を使って保存するときは、保存袋内の空気をしっかりと抜くことが大切です。雑菌は空気に触れることで増えやすくなるので、たくさんの空気が残っているとその分雑菌も増え、食材の痛みも早くなります。
空気を抜くコツは保存袋に下に食材を寄せ、ジッパーを少し開いた状態で折りたたんで、空気を押し出してから最後ジッパーを閉じるといいです。
食品の冷凍で大事なのはいかに早く冷凍するかですが、そのためにも保存する際は食材をなるべく薄く平らにして保存しましょう。こうすると素早く均一に冷凍することができます。また解凍時の時間も短縮することができます。
冷凍保存で大事なのは素早く冷凍することです。早ければ早いほぞ素材へのダメージも少なくなり鮮度を保ったまま保存できます。そこで使うのが金属トレイです。金属トレイは熱伝導率が高いので素早く素材から熱を奪うことができます。金属トレイの上に玉ねぎを入れた冷凍用保存袋を置き冷凍し、凍ったら金属トレイを取り出しましょう。
冷凍した玉ねぎはカレーや煮込み料理で使う場合はそのまま加えてもいいです。ハンバーグやオムレツの種として使う場合は、前日の夜に冷蔵庫に移して半日置いて自然解凍するといいです。時間がないときは電子レンジの解凍キーまたは強さを「弱」で解凍するといいでしょう。
そもそも冷凍庫の温度はどのくらいなのでしょうか。冷凍庫の温度はマイナス18度に設定されています。冷蔵庫の温度が5度から0度です。食材を完全に凍らすために0度近辺ではなくマイナス18度に設定されているわけです。製品によっては急速冷凍させるためにマイナス30度に設定されているものもあります。
たまねぎは通常常温で日が当たらず風通しのいい場所で保存します。かごに入れて保存したり、ネットにいれて吊りかけて保存したりします。通常2ヵ月ほど保存できます。暑い時期は冷蔵庫で保存して2か月ほど保存が可能です。新たまねぎや赤たまねぎは水分が多いのでそれほど日持ちしません。新聞紙に包んで1週間ほど保存できます。
玉ねぎは他にもみじん切りにして果実酢のワインビネガーにつけて冷蔵庫に保存しても2週間ほど保存できます。サラダドレッシングに加えたりポテトサラダにかけて食べてもいいです。他にもみじん切りにしてたまねぎの分量の2%ほどの塩をかけてビンにいれて冷蔵庫に保存しても2週間ほど保存できます。
使うときはスープや炒め物に加えるといいでしょう。たまねぎの保存方法全般についてはたまねぎの保存方法と保存期間、長持ちのコツで解説しています。
ちなみに以下の動画では実際に新聞紙で包んでポリ袋に入れて保存する方法の効果を検証しています。併せて参考にしてみてください。
たまねぎの冷凍保存だけではなく、おいしいたまねぎの見分け方についても紹介します。玉ねぎはまずは角ばってなくて丸っこいもの、外皮に傷がなく、つやのあるもの茶色のものを選びます。首の部分が細くてしまっていて、目などが出ていないものが良品です。
手に取ってみてしっかりと重みがあり頭の部分がさわっても凹まないもの、全体的にしっかりと身が締まって固いものを選びます。詳しくはおいしい玉ねぎの見分け方・選び方で解説しています。
また下の動画でもたまねぎの見分け方・選び方を解説しているので合わせて参考にしてみてください。
今回はたまねぎを冷凍保存するなら生とレンジで加熱したもののどちらがいいのかを検証してみました。結果は流水解凍した場合でも加熱解凍した場合でもどちらもレンジで加熱してから冷凍したものの方が全然おいしかったです。
なので冷凍保存するなら生ではなく先にレンジで加熱してから冷凍することをおすすめします。他にもあめ色に炒めてから冷凍保存したり、オニオンペーストにしてから冷凍保存してもいいです。