ズッキーニも上手に保存することで長持ちするといいますが、本当なのでしょうか。気になったのでよく言われているズッキーニの保存方法を実際に試してみて、その保存効果を検証してみることにします。
今回は比較のために何もしないで保存した場合はどうなるかも合わせてみていきます。
ズッキーニは冷やしすぎると特有のしっとりとした食感が失われてしまうので、保存は冷蔵庫の冷蔵室ではなく、温度と湿度の高い野菜室で保存するようにしましょう。
今回検証する保存方法を解説します。まずはズッキーニを新聞紙で包みます。これをポリ袋に入れ、軽く口をしめます。あとは冷蔵庫の野菜室に入れて保存します。これで3週間は保存ができます。
比較のために何もしないでそのまま冷蔵庫の野菜室で保存する方法も試してみます。こちらと上の方法で、鮮度の持ちにどのような差が出るのかを詳しく見ていきます。
まずは初日の状態です。初日のズッキーニはハリがあってみずみずしく、触るとしっかりと固いです。
断面はきれいでみずみずしい状態です。
重さは291.1gです。
そのまま保存するほうのズッキーニの重さは276.9gです。
新聞紙とポリ袋に入れて保存した方は、3日経ってもそんなに大きな変化は見られません。また触ってもしっかりとハリがあります。
並べるとこんな感じです。左が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存したズッキーニで、右は3日目のズッキーニです。両者に大きな差は見られません。
断面はこちらもあまり変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左は初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するズッキーニの断面で、右は3日目のズッキーニの断面です。ほぼ変わっていないのがわかるかと思います。
重さは289.3gで、初日の291.1gからは0.7%減少しています。
そのまま保存した方も、3日経ってもそんなに大きな変化は見られません。ただ触ると若干ですがハリが減ってきた感じがします。
並べるとこんな感じです。左が初日のそのまま保存するズッキーニで、右は3日目のズッキーニです。両者に大きな差は見られません。
断面はこちらはだいぶ乾燥してきています。
並べるとこんな感じです。左は初日のそのまま保存するズッキーニの断面で、右は3日目のズッキーニの断面です。断面の乾燥具合がわかるかと思います。
重さは268.9gで、初日の276.9gからは2.9%減少しています。
新聞紙とポリ袋に入れて保存した方は、1週間経ってもそんなに大きな変化は見られません。また触ってもしっかりとハリがあります。
並べるとこんな感じです。左が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存したズッキーニで、真ん中は3日目のズッキーニ、右は1週間目のズッキーニです。並べてみても特に大きな差は見られません。
断面はくぼん具合が少し大きくなっています。ただみずみずしさはそこまで変わっていません。
並べるとこんな感じです。左は初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するズッキーニの断面で、真ん中は3日目のズッキーニの断面、右は1週間目のズッキーニの断面です。若干くぼんで来ているのがわかるかと思います。
重さは287.0gで、初日の291.1gからは1.5%減少しています。
そのまま保存した方は、1週間目では見た目にはさらに凸凹とした感じが目立ってきています。また触ったときのハリもさらに弱まってきています。
並べるとこんな感じです。左が初日のそのまま保存するズッキーニで、真ん中は3日目のズッキーニ、右は1週間目のズッキーニです。段々と表面の凸凹が目立ってきているのがわかるかと思います。
断面はさらに乾燥が進み、表面が凸凹としてきています。
並べるとこんな感じです。左は初日のそのまま保存するズッキーニの断面で、真ん中は3日目のズッキーニの断面、右は1週間目のズッキーニの断面です。こちらはかなり変化が大きいのがわかるかと思います。
重さは254.8gで、初日の276.9gからは8.0%減少しています。
新聞紙とポリ袋に入れて保存した方は、2週間経ってもそんなに大きな変化は見られません。また触ってもしっかりとハリがあります。
並べるとこんな感じです。左上が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存したズッキーニで、右上は3日目のズッキーニ、左下は1週間目のズッキーニで右下は2週間目のズッキーニです。並べてみても大きな変化は見られません。
断面はみずみずしさ自体は変わりませんが、若干くぼみ具合が進んでいます。
並べるとこんな感じです。左上は初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するズッキーニの断面で、右上は3日目のズッキーニの断面、左下は1週間目のズッキーニの断面で、右下は2週間目のズッキーニの断面です。徐々にくぼんで来ているのがわかるかと思います。
重さは284.4gで、初日の291.1gからは2.4%減少しています。
そのまま保存した方は、2週間目では見た目の凸凹がさらに進行してきています。また触ったときのハリもさらに弱まってきています。
並べるとこんな感じです。左上が初日のそのまま保存するズッキーニで、右上は3日目のズッキーニ、左下が1週間目のズッキーニで右下は2週間目のズッキーニです。表面が徐々にしなびて凸凹してきているのがわかるかと思います。
断面はさらに乾燥が進み、くしゃっとしぼんで来ています。
並べるとこんな感じです。左上は初日のそのまま保存するズッキーニの断面で、右上は3日目のズッキーニの断面、左下は1週間目のズッキーニの断面で、右下は2週間目のズッキーニの断面です。初日から大きく変化しているのがわかるかと思います。
これ以上は傷みが進んできそうなので、そのまま保存する方の検証はここまでにします。ちなみにカットした断面はこんな感じです。種のような部分が少し変色してきています。
重さは241.2gで、初日の276.9gからは12.9%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのまま保存するズッキーニ | 276.9g |
3日目のそのまま保存したズッキーニ | 268.9g(-2.9%) |
1週間目のそのまま保存したズッキーニ | 254.8g(-8.0%) |
2週間目のそのまま保存したズッキーニ | 241.2g(-12.9%) |
新聞紙とポリ袋に入れて保存した方は、3週間たっても実はしっかりと固くみずみずしい状態です。
並べるとこんな感じです。左上が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存したズッキーニで、上真ん中は3日目のもの、右上は1週間目のもの、左下は2週間目のもの、右下は3週間目のものです。並べてみても大きな変化は見られません。
断面は2週間目に比べて若干変色が進んでいます。
並べるとこんな感じです。左上は初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するズッキーニの断面で、上真ん中は3日目のもの、右上は1週間目のもので左下は2週間目のもの、右下は3週間目のものです。徐々にくぼんで来ているのがわかるかと思います。
ちなみにカットするとこんな感じです。こちらは特に変色なども見られず、きれいな状態です。
重さは281.5gで、初日の291.1gからは3.3%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するズッキーニ | 291.1g |
3日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したズッキーニ | 289.3g(-0.7%) |
1週間目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したズッキーニ | 287.0g(-1.5%) |
2週間目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したズッキーニ | 284.4g(-2.4%) |
3週間目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したズッキーニ | 281.5g(-3.3%) |
ちなみに2週間目のそのまま保存したズッキーニと、新聞紙とポリ袋に入れて野菜室で保存したズッキーニを並べるとこうなります。
並べるとそのまま保存したズッキーニのしなびれ具合がよくわかるかと思います。一方新聞紙とポリ袋に入れ野菜室で保存したものはハリやみずみずしさを維持しています。
断面を並べてみるとこんな感じです。
断面は特に差が大きく出ています。
さらに半分にカットした断面を比べてみると、新聞紙とポリ袋に入れて保存した方は、特に種の部分の変色も見られず、奇麗な色を維持しているのがわかるかと思います。やはり冷蔵保存するなら新聞紙とポリ袋に入れて保存する方がいいようです。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
カットして使いかけのズッキーニは、しっかりとラップをしてから冷蔵庫の野菜室で保存します。2〜3日中には使いきるようにしましょう。
ズッキーニは炒めてから冷凍保存することもできます。まずはズッキーニのへたをカットして、1cm幅に輪切りにします。
つぎにフライパンにオリーブオイルを大さじ1加えてから火にかけ、輪切りにしたズッキーニを加えて炒めます。
ズッキーニに焼き色が付き始めるくらいで火を止め、器に移して冷めるまで待ちます。
冷めたら冷凍用保存袋に入れ、金属トレイの上にのせて冷凍ことで保存します。これで1か月は保存ができます。
冷凍した炒めたズッキーニは、解凍する場合は前日の夜に冷蔵庫に移して自然解凍しておくといいです。
解凍は常温よりも低温下で行った方が水分の流出も少なく、味や食感が落ちるのも抑えることができます。下の画像は冷凍した炒めた輪切りのズッキーニです。
冷蔵庫で自然解凍すると以下の画像のようになります。炒め物や煮物などに使う場合は冷凍のまま使ってもいいです。
冷蔵・冷凍保存したズッキーニを使ったレシピを紹介します。まずは輪切りにして炒めてから冷凍保存したズッキーニです。紹介するのはズッキーニと長芋のベーコンソテーです。使う材料は以下の通りです。
まずは長芋の皮をむいて1cm幅に輪切りにします。ベーコンは2〜3cm幅に切り分けます。ズッキーニは冷凍のままでもいいです。
次にフライパンにオリーブオイルを入れ弱火にして、みじん切りにしたにんにくを加えて香りが出るまで炒めます。
そこに長芋、ズッキーニ、ベーコンを加えて中火で炒めます。長芋は火が通るのに時間がかかるので、ズッキーニとベーコンの火が通ってきたら、なるべく長芋が下に来るようにするといいです。
長芋にも焼き色がついてきたら、塩とこしょうで味を調えて出来上がりです。
次も輪切りにして炒めてから冷凍保存したズッキーニを使ったレシピです。紹介するのはズッキーニと豚肉のみそ炒めです。使う材料は以下の通りです。
まずは豚バラ肉を5cm幅にきりわけます。パプリカは乱切りにします。調味料Aの材料を先にボウルに入れ、よく混ぜ合わせておきます。
フライパンにごま油をひいて中火で熱し、豚バラ肉とパプリカを炒めます。
豚バラ肉に火が通ったらズッキーニも加えて炒めます。
ズッキーニにも火が通ったら混ぜておいた調味料を加え、汁けがなくなるまで混ぜ炒めます。あとは器に盛って完成です。
ズッキーニを少しでも長く日持ちさせたいならまずは購入段階でしっかりといいものを選ぶことも大切です。ズッキーニは緑色が濃くてハリがあるもの、大きすぎないもの、太さが比較的均一なものがいいです。
へたの切り口がみずみずしくて反対側もしなびていないものも良品です。
また手に取ってみて見た目よりも重みを感じるもの、ハリがあって固いものも鮮度がいいです。ズッキーニの詳しい見分け方についてはズッキーニの見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
今回はズッキーニの保存方法がどのくらい効果があるのかを、実際に検証してみました。結果は明らかで、何もしないで冷蔵庫の野菜室で保存すると、乾燥が進み表面にハリがなくなり、凸凹が目立ってきます。
一方新聞紙とポリ袋に入れて野菜室で保存すれば2週間たってもしっかりと鮮度を維持することができました。保存するならこちらの方法をおすすめします。
沢山のズッキーニを買ってきてすぐには使いきれない場合は、冷凍保存もおすすめです。冷凍保存する場合は、さっと油でいためて冷ましてから冷凍用保存袋に入れて保存することで、こちらは1カ月と長期保存が可能です。