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ブラックペッパー、黒胡椒の味や香りと効果・効能



ブラックペッパー、黒胡椒のホール


はじめに



ブラックペッパーの歴史は古く4000年も前から利用されてきた香辛料です。多くの料理で使われるメジャーな香辛料ですが、今回はブラックペッパーとは何なのか、名前の由来や生成方法などを紹介します。

そしてブラックペッパーの味や香りの特徴、粒(ホール)でのブラックペッパーの味や香り、粉末での味や香りについても見ていきます。さらにブラックペッパーの効果・効能、料理に使った場合の効果や効能についても取り上げます。






ブラックペッパーの紹介



ブラックペッパーとは

ペパーとはピペル・ニグルムと呼ばれる胡椒科の熱帯常緑つる植物の果実を利用したものです。ブラックペッパーは黄みがかってきた未熟果を摘み取り、数日保管した後天日で乾燥させます。こうするとしわが寄り固くなり、色も黒っぽくなります。重さは3分の1ほどになります。

ホワイトペッパーは乾燥させる前に外皮をはぐという工程が必要なのでブラックペッパーよりも価格は割高です。

ペパーの名前の由来

ペパーの名前はサンスクリット語でロングペッパー(長胡椒)を意味する「pippali(ピッパリ)」から由来しています。通常の胡椒は丸い形状をしていますが、長胡椒はその名の通り細長い形状をしています。長胡椒は胡椒の近縁種になります。

ちなみに下の画像はロングペッパーとブラックペッパーとホワイトペッパーです。ロングペッパーについてはロングペッパー、ひはつの使い方、味や香りと効能でも詳しく解説しています。

ロングペッパーとブラックペッパーとホワイトペッパー

胡椒の名前の由来

呼称は中国へは漢の時代に西からシルクロードを通って入ってきました。ここから胡(西城のことで、外国を意味する)と椒(山椒のように刺激のあるもの)を合わせて胡椒と呼ばれるようになりました。日本に入ってきたのは奈良時代で、当初から胡椒と呼ばれていました。

ホワイトペッパー、白胡椒のホール

特徴解説
学名Piper nigrum
名称ブラックペッパー(英)、黒胡椒(日本)
語源pippali(長こしょう)
原産地インド南部マラバル海岸の熱帯雨林
種類こしょう科の熱帯常緑ツル植物
使う部位



ブラックペッパーの味と香りの特徴



ブラックペッパーの香り

ブラックペッパーはさわやかで辛さの混じったような、刺激的な木の香りが特徴です。ホワイトペッパーよりも香りは強いです。これは香り成分が皮の部分に多く含まれているからです。皮をはいで使うホワイトペッパーよりも香りが強いのはこのためです。

なお香りを生かしたいなら料理の最後の方か、食卓に出す直前で加えるといいです。これはブラックペッパーの香りは加熱により飛びやすいからです。香りは粒よりも引いたものの方が強いので煮込み料理には粒を使い、香りをつけたいなら粉末を最後にかけるといいです。

ブラックペッパーの味

ブラックペッパーは刺激的な辛みがあります。辛みもホワイトペッパーよりも強いです。これは辛み成分のピペリンやシャビシンは未熟果に多く含まれているので、未熟果を使うブラックペッパーの方が完熟果を使うホワイトペッパーよりも辛みが強いのです。



粒こしょうの味と香りの特徴



挽き立ては香りが強い

ブラックペッパーは粒こしょう(ホール)、粗挽きこしょう、粉こしょうと加工の程度ごとにそれぞれ商品が売られています。用途に合わせてどれを選ぶか決めるといいです。まずは粒こしょうの味や香りの特徴を紹介します。こしょうの香り成分は揮発性が高いので引き立てが最も香りが強いです。ペパーステーキのようにこしょうの香りを生かしたいときにはブラックペッパーの粒こしょうを購入し、使用のたびにその都度挽くようにするといいでしょう。

粉末にしたブラックペッパー

粒のまま使う場合は

粒こしょうを挽かずにそのまま使う場合は、マリネや野菜のピクルス、スープストックやだし汁、煮物や汁物がいいです。煮汁や油脂分に香りや絡みがよく溶けだします。



粉末こしょうの味と香りの特徴



辛みや香りはおだやか

粉末こしょうは辛みや香りも穏やかで、粉末なので香りは飛びやすくなっています。魚や肉にかけたり、料理の味付けや小麦粉に混ぜて使ったりします。そのままかけて使うだけなので使いやすいのがメリットです。

粗挽きこしょうの使い方

粗挽きこしょうはちょうど粒こしょうの挽き立てと粉末こしょうの中間の位置づけです。味や香りはやや穏やかで、粉末こしょうほどではありませんが、香りは飛びやすいです。



粒のブラックペッパーの挽き方



ブラックペッパーを挽いてみる

それでは実際にミルを使ってブラックペッパーを挽いてみることにします。使ったのは以下のミルです。

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まずはミルにブラックペッパーをいれます。

ミルにブラックペッパーを入れる

つぎに挽き具合を粗挽きにして挽いていきます。すると下の画像のように仕上がります。

粗挽きにしたブラックペッパー

さらに細かく粉末状になるように調整して挽いてみます。すると下の画像のような粉末に仕上がります。

粉末にしたブラックペッパー

鍋の上で直接挽かない

ホワイトペッパーは沸騰した鍋の上で引くと蒸気により変質しやすいので、皿の上で挽いてからそれを加えるようにしましょう。



ブラックペッパーの効果、効能



ブラックペッパーの主な効果

ブラックペッパーにはお腹の張りに聞く効果や、利尿効果などがあります。この他抗酸化作用や殺菌作用、抗炎症作用があることも知られています。

ピペリンの効果、効能

ブラックペッパーの主要成分であるピペリンにはがん予防効果が期待されています。このほか記憶障害や認知障害への緩和効果があることも報告されています。

ピペリンの効果、効能

ブラックペッパーに多く含まれているβ-カリオフィレンには、体液循環促進と抗酸化作用があることが知られています。



ブラックペッパーの料理での効果、効能



濃い肉料理に

ブラックペッパーはホワイトペッパーと比べて香りや絡みが強いので、味の濃い肉料理などによく合います。

料理の風味づけに

ブラックペッパーや肉料理だけでなく魚料理や野菜料理、麺料理、シチュー、スープ、オムレツなどに加えて料理の風味づけに利用します。ブラックペッパーのよく合う料理や使い方についてはブラックペッパー、黒胡椒の使い方とよく合う料理でも詳しく解説しています。





ブラックペッパーの歴史



インド南部が原産

胡椒の原産地はインド南部マラバル海岸の熱帯雨林で、現在の主な産地はインド、インドネシア(スマトラ)、マレーシア(サワラク)、ブラジルなどです。

南アジアからヨーロッパへ

もともとは原産地でも近縁種のロングペッパーが広がり、次いでペパーが広がっていきました。そこからアラブ人やフェニキア人により紀元前5世紀ごろには地中海へも運ばれましたが、まずはロングペッパーが最初です。紀元前4世紀のギリシャの哲学者の記述にもロングペッパーとブラックペッパーのことが載っていて、1世紀のローマではロングペッパーにブラックペッパーの4倍の値段がつけられていたという記録も残っています。176年にローマ帝国はロングペッパーとホワイトペッパーに高い関税を実施しています。

ロングペッパー、ひはつの画像

ペパーはかつては高価なスパイスだった

ペパーは西洋では大変重宝されていて、その価値は金と同等であったほどです。スパイス貿易においても主要な産品で、西洋と東洋では通貨の代わりとしても使われてきました。中世ヨーロッパ時代でもスパイスの価値は高く、地代や持参品、税金の代わりとしても用いられていたほどです。



ブラックペッパーを購入するなら



ブラックペッパーのブランド

ブラックペッパーはスーパーなどでも大体置いていることが多いです。ホールや粗挽き、粉末タイプが市販されています。メーカーだとマコーミックやGABAN、S&Bなどが有名です。スパイスメーカーの世界最大手でアメリカの企業です。GABANはハウス食品のブランドで、S&Bはエスビー食品の商品です。ネットからも購入することも可能です。

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ミルつきのものが便利

ブラックペッパーのホールを買うならミルつきのものが便利です。ビンに見るがくっついているのでその都度挽き立てて使うことができます。

ミルつきのミックスペパー

専用ミルがあると便利

ミルつきのものは作りが簡素なので粗挽きはできますが、粉末状に細かく粉砕するのには向いていません。そこで1つ専用のミルを所持しておくのもいいかもしれません。こちらのミルは挽く荒さを変えることができ、分解して内部を洗浄することもできます。値段もそれほど高いものでもありません。

スパイスミルの画像

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まとめ



ブラックペッパーはホワイトペッパーとは違い香り成分の多い皮を残した状態で乾燥させるので、香りが強いのが特徴です。さらに辛みの強い未熟果を利用するので辛みも強いです。このため味の濃い肉料理などともよく合います。この他野菜料理、魚料理、麺料理、シチューやスープ、オムレツなどにも合います。

ブラックペッパーはホールで使うなら煮物やスープなどに加えて使うといいです。粉末にすると香りは強く出ますが、揮発しやすく熱にも編成しやすいので料理に加えるなら最後の方がいいです。

ブラックペッパーを料理で使う際は基本的には臭み消しや香り付けに利用されます。ブラックペッパーにはこの他薬効として抗酸化作用や抗炎症作用、殺菌作用なども知られています。


※参考書籍
スパイス完全ガイド
スパイスのサイエンス スパイスを科学で使いこなす
食材図典 生鮮食材篇
素材よろこぶ調味料の便利帳
調理以前の料理の常識2
ハーブ&スパイス大事典
最新!アロマセラピーのすべてがわかる本



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この記事を書いた人

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生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋と申します。料理研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。

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公開日 2018/04/25






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