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マスタードと和からしと洋からしの違いは?



和辛子、マスタードの画像


マスタードとからしは同じもの?



マスタードとからし(芥子)は同じようなものとして使っている方もいるかもしれませんが、いくつか種類がありそれにより味や香りも異なります。そこでここではまずはマスタードとからしはどう違うのか、その違いを詳しく見ていきます。

さらにからしは和芥子と洋芥子に分かれますが、その2つの違いや、マスタードと芥子、和芥子と洋芥子の見た目の違いや味や香りの違い、料理での使い方の違いや原産地の違いなどについても詳しく解説していきます。






マスタードと芥子の違い



マスタードとからしの違い

マスタードとからしは本来は同じものです。芥子(からし)は大きく和芥子と洋芥子に分類できます。市販のスーパーなどでからしと銘打っている商品の多くはこの和がらしになります。一般的にからしというとこの和芥子を指すことが多いです。

一方でマスタードとして売られている商品は洋芥子を使います。このようにマスタードもからしも同じものなのですが、使う種類が和芥子と洋芥子という風に違うので味や辛さにも違いが出てくるわけです。

和芥子と洋芥子の違い

和芥子も洋芥子もどちらもアブラナ科のカラシナの種子を使います。ですが使うカラシナの種類が違うので味や辛さにも違いが生じます。和芥子はオリエンタルマスタードとも呼ばれます。マスタードは他にもホワイトマスタード(白芥子・イエローマスタードともいう)、ブラウンマスタード、ブラックマスタード(黒芥子)があり、大きく4種類に分類できます。

このホワイトマスタード、ブラウンマスタード、ブラックマスタードを使ったものを洋芥子といいます。



マスタードと芥子の見た目の違い



ホワイトマスタードの見た目

ホワイトマスタード(白芥子)は別名イエローマスタードとも呼ばれる通り、その種子は黄色または薄い黄土色をしています。

ホワイトマスタード(白芥子)の種子

ブラックマスタードの見た目

ブラックマスタード(黒芥子)の種子の見た目は黒または黒褐色です。

ブラックマスタード(黒芥子)の種子

ブラウンマスタードの見た目

ブラウンマスタードの見た目もブラックマスタードと同様黒または黒褐色です。

ブラウンマスタードの種子

和からしの見た目

和芥子(オリエンタルマスタード)の種子はホワイトマスタードのように黄色また薄い黄土色をしていて、見た目もほとんど似ています。和芥子は粉末や練りからしとして市販されていることが大半で、種子での販売はほとんど見かけません。そこで和からしは種子ではなく粉末の画像を掲載します。

和芥子の粉末



からしの味や香りの違い



和芥子と黒芥子の味や香り

和芥子や黒芥子、ブラウンマスタードに含まれるアリール芥子油(アリルイソチオシアネート)は辛さや香りが強いのが特徴で、揮発性が高いので、鼻につんと来る刺激もあります。

白芥子の味や香り

一方白芥子に含まれるベンジル辛子油(パラハイドロキシベンジルイソチオシアネート)は辛さや香りが穏やかで、鼻につんと来るもとになる揮発性も弱いです。



マスタードとからしの味や香りの違い



マスタードには主にホワイトマスタードが使われます。ホワイトマスタードは辛さや香りは穏やかです。一方でからしといえば和芥子を指すことが多く、和芥子は辛さや刺激が強いのが特徴です。



マスタードとからしの使い方



香りや辛みを出すなら水を加えて練る

マスタードもからしも粒や粉末のままでは辛みや香りはありません。これはマスタードに含まれるシニグリンという配糖体が、水を加えることで酵素ミロシナーゼの働きにより加水分解され、ここで初めて辛み成分のカラシ油に変わるからです。ですから辛みや香りを生かしたいなら水で練る必要があります。

ちなみにシニグリンが含まれているのは和芥子、黒芥子、ブラウンマスタードで、白芥子にはかわりにしシナルビンが含まれます。


実際にからしを練ってみる

それでは実際に和芥子の粉末を使って練りからしを作ってみることにします。まずは和芥子の粉末を小さじ2杯分用意します。

和芥子の粉末小さじ2杯

これに40度くらいのぬるま湯を大さじ1/2杯(7.5ml)くわえます。

和からしにぬるま湯を加える

これをしっかりと練り混ぜていきます。

和芥子の粉末を練り混ぜる

すると以下の画像のように練りあがった和芥子が出来上がります。この時点でも辛みや香りはかなり強く感じます。

練った和芥子

からしの辛み成分は揮発性なので、飛んで行かないようにラップかふたをして、5分から10分そのまま置いておきます。すると辛みや香りもさらに強くなります。後は料理に使うといいです。

練った和からしをラップして5〜10分置く



マスタードとからしの料理での使い方の違い



和からしのよく合う料理

和芥子は強い辛みや香りが特徴で、ピリッとした辛さがあるので、だしのきいたおでんや煮物によく合います。他にもトンかつ、納豆、冷やし中華、シューマイ、和え物、漬け物などにもよく使われます。からしレンコンも有名です。


マスタードのよく合う料理

マスタードはマイルドな辛さと香りが特徴なので、ソーセージやウインナー、ホットドックにたっぷりつけて、マスタードまで一緒に味わう食べ方が適しています。他にもサンドイッチ、ハンバーガー、トンかつ、ウインナー、ステーキ、肉料理、卵料理などによくあいます。

マスタードにはピリッとした辛さはないので、おでんなどに使うと味にメリハリが出ないので物足りない味わいになります。マスタードは辛みもきつくないのでドレッシングやマヨネーズの味付けにもよく使われます。



マスタード・からしの購入の仕方



マスタードもからしも練ったものをチューブにいれて市販されていて、スーパーなどでも手軽に購入できます。マスタードやからしは使うごとに自分で水を加えて練ることで、強い香りや辛みを楽しめます。そこで粉末タイプやホール(種子)での商品を購入してもいいです。

粉末タイプは比較的スーパーなどでもよく見かけますが、ホール(種子)でのマスタードやからしは置いているところは少ないです。手軽に購入したいならネットが便利です。ちなみに和芥子(オリエンタルマスタード)についてはネットでも置いてない場合が多いです。和芥子については粉末のものを利用するといいです。和芥子の粉末についてはスーパーなどでもよく見かけます。

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マスタードの語源



マスタードやからしはなぜそのような名前がついたのでしょうか。それぞれの語源の違いについても見ていきます。まずマスタードは「ムスツム・アルデンス(燃えさかる新ぶどう酒)」というラテン語を由来しにしています。

これはその昔、アブラナの種子をすりつぶして、そこにぶどう酒(ムスト)を加えてよく練り混ぜて使ったことからきています。アルデンスとは辛いまたは燃えさかるという意味です。いつしかマスタードの種子そのものもマスタードと呼ぶようになったようです。



マスタードとからしの原産地の違い



ホワイトマスタード(白芥子)の原産地はヨーロッパと北アメリカの広い範囲です。ブラックマスタード(黒芥子)の原産地は南ヨーロッパと中東です。和芥子(オリエンタルマスタードの原産値は中央アジアです。ブランマスタードの原産地はヒマラヤ山脈の丘陵地帯です。



まとめ



マスタードとからしは同じものです。マスタードはホワイトマスタード、ブラックマスタード、ブラウンマスタード、オリエンタルマスタードがあります。このうちオリエンタルマスタードは和芥子ともいい、その他3つは洋芥子とも言います。

いっぱんにからしと言えばこの和芥子を指し、マスタードといえばホワイトマスタードを指すことが多いです。つまり和芥子とマスタードの違いというのはオリエンタルマスタードか、ホワイトマスタードかの違いとなります。





※参考書籍
スパイス完全ガイド
食材図典 生鮮食材篇
ハーブ&スパイス大事典
スパイスのサイエンス
スパイスのサイエンスPART2
なるほどなっとく!おいしい料理には科学がある大事典



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生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋と申します。料理研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。

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公開日 2018/10/06






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