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ナツメグ、メースの使い方、香りや味、効能、よく合う料理は?



ナツメグとメースの画像


ナツメグ、メースとは



ナツメグもメースも同じ木から取れる香辛料で、両者ともに甘い香りとほんのりとした苦味があります。料理に甘味を加えたり、肉の臭み消しなどに利用されることが多いです。今回はまずはナツメグとメースがどのようにして摂れるのか、原産地や生産地はどこなのか、名前の由来や歴史について見ていきます。

つぎにナツメグとメースの味と香りの特徴、料理での使い方、よく合う料理、他の香辛料とのブレンドの仕方、効果や効能、ハーブティーの作り方、ナツメグを購入する際のポイントについて詳しく取り上げます。






ナツメグ、メースの紹介



ナツメグとメースの違い

ナツメグが取れるのは、高さ10メートルにもなるニクズク科の常緑樹で、洋ナシ型の果実の中にある種子、種子の中にある仁がナツメグと呼ばれます。種子の周りを包んでいる網目状の鮮紅色の蝋質の外皮(仮種皮)がメースと呼ばれるスパイスの原料で、特徴もナツメグによく似ています。ただし甘味はナツメグのほうが若干強いです。ナツメグの木は雌雄異体で雌の木にのみ実が結実します。

ナツメグとメースの部位

ナツメグの取り出し方

花が咲いた後6〜9週間後に実がなりだします。実が熟してくるとぱかっと割れてメースで覆われた種子が出てきます。種子の周りのメースを取り除き、中にある黒褐色の種子を天日で4〜6週間ほど乾燥させます。その後木槌を使って表面の殻を割ると中から褐色の仁であるナツメグが出てきます。

メースの色

メースは種子からはがした段階ではまだ鮮やかな鮮紅色ですが、小売店に運ばれるまでにオレンジ色から黄色へと変色していきます。

メースの画像

ナツメグ・メースの主な生産地

ナツメグは熱帯地方で海の匂いがする地域でしか育たないため、日本での生育は難しいといえます。火山灰を含んだ土壌であるモルッカ諸島や土壌が粘土質なグレナダなどが栽培には適しています。植樹後7〜8年で結実するようになります。東南アジアやスリランカ、モルッカ諸島、西インド諸島などが主な生産地です。

特徴解説
学名Myristica fragrans
名称ナツメグ(英)、にくずく(日本)
語源ムスクの香りをした豆(nut meg)
原産地インドネシアのモルッカ諸島のバンダ
主な生産地東南アジア、スリランカ、モルッカ諸島、西インド諸島など
種類ニクズク科の常緑樹
樹高10〜20m
使う部位



ナツメグの名前の由来



ナツメグがヨーロッパ中に広がったのは12世紀末にはいってからだといわれています。日本に入ってきたのは嘉永元年(1848年)で当初はにくずくではなくししずくと呼ばれていました。これは古語で肉のことをししと呼んでいたからです。英名のナツメグの由来はnut(豆)とmeg(じゃこう、ムスク)からきています。じゃこう、ムスクとはジャコウジカから取れる香料のことで、ムスクの匂いに似ている豆という意味でナツメグと呼ばれます。



ナツメグ・メースの歴史



モルッカ諸島原産

ナツメグはインドネシアのモルッカ諸島のバンダ原産で、もっとも古い記憶では紀元前10世紀にインドのバラモン教の経典ヴェーダに頭痛を治すための薬としての記録が残っています。6世紀ごろには隊商(キャラバン)によってエジプトのアレクサンドリアまで運ばれていました。そのころ中国では消化器疾患の薬として利用され、インドやアラブ諸国では消化器官の他、肝臓や皮膚の薬として利用されていました。また過剰摂取により興奮作用があるためメースとともに媚薬としても使われてきました。



ヨーロッパでのナツメグ利用の拡大

ヨーロッパには12世紀末に十字軍によって持ち込まれたといわれています。当初はお香としてつかわれてきましたが、1511年にポルトガルがモルッカ諸島を制圧して貿易を拡大すると、料理への利用も広がっていきました。その後食用、薬用ともにナツメグの利用が広がり、万能役としてほとんどの薬にナツメグが処方されるようになりました。多くの料理の調味料としてだけでなく、ホットエールやマルワイン(ぶどう酒に砂糖や卵黄を混ぜたもの)、パシット(熱い牛乳に砂糖やワインを混ぜたもの)の香り付けとして重宝されました。

イギリスが植民地でのナツメグ生産を拡大

ナツメグやメースの貿易はその後ポルトガルからオランダへと移り、さらに18世紀末にはイギリスへと渡っていきました。イギリスはマレーシアのペナンやスリランカ、インドネシアのスマトラなどでナツメグの栽培を進め、さらに19世紀にはいってからは西インド諸島のグレナダでも栽培を始めました。現在ではグレナダはナツメグの世界での生産量の3分の1を担っています。





ナツメグとメースの味と香りの特徴



4個のナツメグの画像

ナツメグもメースもどちらも味や香りはよく似ています。特徴は甘い香りと木のみの風味、ほんのりとした苦さです。メースの方が若干芳香感、刺激感、苦味感が穏やかで、繊細な香りとなっています。ナツメグは熱を加えることで苦みが消え、甘味が強くなる特徴があります。取れる量がナツメグの方が少ないので値段もナツメグの方が割高です。

特徴解説
香り甘い香りと木の実の風味
ほんのりとした苦味、熱を加えると甘みが強くなる



ナツメグとメースのよく合う料理



ナツメグとメースのマスキング効果

ナツメグとメースに含まれる精油成分は食品に含まれる不快臭をマスキング(覆い隠す)のに効果的です。例えばキャベツを加熱した際に生じる含硫化合物による臭みを完全に消すことができます。

肉料理やそのソースに

ハンバーグやミートローフ、ミートボールといった挽肉を使った料理によくあい、肉の臭みを消すとともにほんのりとした甘味を加えます。使うときはいためるときに振り掛けるのではなく、こねる段階で混ぜてやるとよいです。また肉料理のソースやケチャップなどにもナツメグはよく使われます。

ハンバーグ

お菓子にもよく使われる

またクッキーや、ケーキなどに用いれば調理時の熱によって苦味が消え甘味が加わるので、味がいっそう引き立ちます。他にもプディングやフルーツパイ、フルーツポンチ、フレンチトーストなどにも使われます。

玉ねぎとの併用で臭みけし効果アップ

玉ねぎにも肉の臭みを取る働きがあります。これは玉ねぎに含まれるイオウ化合物が肉の臭み成分と化学的に反応して、においのもとを無くすからです。覆い隠すことで臭みを抑えるナツメグと併用すればよりいっそうの臭みけしの効果が期待できます。

世界各国でのナツメグ・メースの利用例

ナツメグは東南アジアや中国、インド、アラブ諸国、ヨーロッパなど世界各地で料理に利用されてきました。インドではムガール料理によく使われ、アラブ諸国では羊肉料理によく使われます。

オランダでは特によく使われマッシュポテトやキャベツ、カリフラワーなどの野菜のピューレ、マカロニ、フルーツプディング、肉のシチューなどに使われます。やイタリアでは野菜料理や肉料理、ソースなどに頻繁に利用されます。イタリアではミックスベジタブル、仔牛肉の料理、パスタの詰め物やソースによく使われます。

たまごやチーズ全般と相性がいい

またナツメグやメースどちらも卵やチーズを使った料理全般と相性がいいのが特徴です。

甘いドリンクのアクセントに

他にも甘いドリンクのアクセントにも利用されます。例えばアメリカでよく飲まれている甘いドリンクのエッグノッグや甘いカクテルの「アレクサンダー」などです。エッグノッグは牛乳とクリーム、卵と砂糖で作られ、アレクサンダーはブランデーにクリームとチョコレートの風味を加えて作ります。これに最後にナツメグの粉末を振りかけます。

料理使用例

ジャンル料理名
お菓子ケーキ、プリン、クッキー、パイ、プディング、フルーツポンチ、フレンチトースト、ドーナツ、ジャムなど
肉料理ハンバーグ、コロッケ、シチュー、仔牛肉の料理、ミートパイ、ミートローフ、肉料理のソース、ラム肉料理など
野菜料理マッシュポテト、キャベツ・カリフラワーなどのピューレ、ミックスベジタブル、ロールキャベツなど
飲料エッグノッグ、ホットエール、マルワイン、パシットなど
卵・チーズ料理全般



ナツメグを使った料理と使用量



コロッケ

ナツメグはコロッケにも使われ、4人前でナツメグの使用量は少々(小さじ1/8)ほどとかなり使用量は少ないです。肉や卵などの種となる具材を混ぜ合わせるときに一緒に加えます。詳しいレシピはコロッケで解説しています。

ハンバーグ

ハンバーグを作る際にもナツメグは使われます。使用量は4人前でナツメグ小さじ1/6ほどです。玉ねぎやひき肉、卵などと一緒に混ぜ合わせます。詳しいレシピはハンバーグで解説しています。

ロールキャベツ

ロールキャベツでは中身の種を作る際に使われ、ひき肉やたまねぎ、卵、パン粉などと一緒にナツメグが加えられます。使用量は二人前で少々(小さじ1/8)程度です。詳しいレシピはロールキャベツで解説しています。



メースのよく合う料理



メースもナツメグも同様に上記であげた料理で使えますが、メースはナツメグに比べて香りが上品でデリケートな風味があるので、それを生かしたいなら次のような料理で使うといいです。

ホール(丸ごと)で使うならスープやクリームソース、ピクルスを漬ける際のピクルス液、ヴァンショー(ホットミルク)の材料などに使います。粉末で使うならパウンドケーキやドーナッツ、カスタードクリームやバーベキューソース、ミートボールなどに使います。

風味は加熱することで失われてしまうので、使うなら料理の最後の仕上げの際に加えるといいでしょう。

メースの画像その2



他の香辛料とブレンとして使う



1個のナツメグの画像

スパイスはブレンドするとマイルドに

どの香辛料にも言えることですが、香辛料の使用量がふえてくるほどスパイス臭さが強まってきます。そんな時は似たような香りや味の特徴を持つ香辛料をブレンドして使うといいです。複数の香辛料を使うことでそれぞれの香りが複合されて複雑な香味感がでてきます。一方で単独で使った時のスパイス臭さは緩和されます。そこでナツメグとブレンドしてよくあう香辛料をいくつか紹介します。

シナモン、クローブとブレンドして使う

ナツメグはシナモンとクローブとの相性もいい香辛料です。シナモンは甘い香りが、クローブはバニラのような甘い香りが特徴です。これら粉末をブレンドして使うといいでしょう。肉料理に塗り込んだり焼き菓子に利用してもいいです。クローブについてはクローブの使い方、味や香り、効能、よく合う料理は?で、シナモンについてはシナモン、カシア、ニッキの違い、味や香り、使い方、利用法で詳しく解説しています。

ガラムマサラの原料として

ガラムマサラはインドの代表的なミックススパイスです。ガラムは辛い、マサラは混合物という意味のヒンズー語で、辛い混合物という意味です。使われる香辛料は芳香系のものと辛味系のもので、用途に応じて3〜10種類のスパイスをブレンドします。肉料理や魚料理でよく使われます。ガラムマサラで使う香辛料の基本的な組み合わせは以下の通りです。

スパイス名使用量
シナモンスティック2本
ローリエ3枚
クミン40g
コリアンダーの種25g
グリーンカルダモンの種20g
ブラックペパー20g
クローブ15g
メースの粉末15g



ナツメグの薬効



ナツメグは西洋ではなく東洋で特に薬として利用されてきました。気管支炎やリューマチ、おなかのはりなどに薬として処方されています。ただし摂りすぎると眠気や幻覚、陶酔感を引き起こし、量が過ぎると死に至ることもあるので注意が必要です。



ナツメグハーブティー



ナツメグハーブディートは

独特の甘い香りとほろ苦い風味が特徴で、加熱すると刺激が弱まり、甘みが増します。ナツメグハーブティーには下痢や腹痛、消化不良などを改善し、体を温める働きもあるので、冷え性の女性などにもお勧めです。

ナツメグハーブティーの作り方

材料はすりおろしたナツメグ小さじ1/2杯とジンジャー小さじ3杯をカップにいれて熱湯を注ぎ、お好みでレモン汁や砂糖、はちみつなどを加えてもいいです。



ナツメグの重さと使用量の制限について



ナツメグは一度に5g以上は使わない

ナツメグは粉末状だと、すぐに匂いがとんでしまうので、びんのふたをしっかりとするのはもちろんですが、使用するごとに、実を削ってつかうことで、毎回本来の香りを料理に生かすことができます。

ナツメグの使用量にも注意が必要です。肉1kgにナツメグ0.2g程が標準的使用量で、一度に5g以上使うと幻覚症状・頭痛・吐き気が出る場合もあるので注意してください。妊婦の方は使用自体ひかえた方がいいそうです。

ナツメグの粉末は小さじ1で何グラム?

ちなみにはかりを使って実際にナツメグの粉末の重さをはかってみたところ、小さじ1杯で1.0gでした。0.2gだとこの5分の一なので、ナツメグの少量でもしっかりと香辛料としての働きを担っていることがわかります。ちなみに小さじ1杯分削るのにだいたいナツメグの実半分を使います。

ナツメグ小さじ1杯の重さは1.0g



ナツメグを購入するなら



ナツメグやメールはどちらもホール(削る前の原型)と粉末タイプの2種類が市販されています。国内で人気のスパイスブランドはマコーミック、マスコット、GABAN、S&Bなどです。マコーミックはアメリカの大手スパイスメーカーで、日本ではユウキ食品が販売しています。マスコットは日本の老舗のスパイスメーカーで、GABANはハウス食品のブランドで、S&Bはエスビー食品のブランドです。

ナツメグの商品一覧
メースの商品一覧


ホールなら挽き立てが利用できる

市販されているナツメグはホールと粉末がありますが、ホールなら使うたびにひくことで香りや風味を最大限利用できます。粉末タイプは引き立てに比べると香りは劣ります。ナツメグは固いので削るなら金属のおろし金があると便利です。価格はやや高めですがナツメグ用のミル(香辛料粉砕機)も市販されています。

ナツメグミルの商品一覧

メースは粉砕するのにすり鉢とすりこ木ではかなり時間がかかります。香辛料用のミルやコーヒーミルがあると便利です。以下は香辛料用のミルです。分解して洗うこともできるので何度でも使えます。

スパイスミルの画像

ミルの人気商品一覧



ナツメグを削って粉末にする



それでは実際にナツメグを削って粉末にしてみることにします。削るのに使ったのはチーズおろし器です。通常のおろし金よりも目が細かく、当たる面がカーブしていて力を入れやすいのでこちらを使うことにしました。ナツメグを削る分には問題なく使えます。

サンクラフト チーズグレーター おろし器
サンクラフト

ナツメグを削ると以下のような状態になりました。半分ほど削ってできたナツメグの粉末です。使ったチーズおろし器はたわしやブラシできれいに洗います。それほど力を入れなくても楽に削ることができます。この量で1gほどなので、1kgの肉で使う量は0.2gほどだとして、この5分の1程度を毎回使うたびに削るといいでしょう。

ナツメグをおろし器で削る

ちなみにナツメグの削った断面はこのようになっています。

削ったナツメグの断面




メースを削って粉末にする



次にメースを挽いて粉末にしたいと思います。メースはナツメグのようにおろし金を使わなくても粉末にすることができます。使うのは上で紹介したスパイスミルです。これにメースを入れてひいていきます。

スパイスミルの画像

荒さは調節可能で以下のように細かく挽くことも可能です。ナツメグもそうですがメースも最初から粉末で売られているものより、引き立ての方が香りは全然違います。使うたびにその都度使う分だけ挽くことでいつでもメースの香りを最大限に楽しむことができます。

粉末にしたメース






※参考書籍
スパイスのサイエンス スパイスを科学で使いこなす!
はじめてのハーブ手帳
スパイス完全ガイド
素材がよろこぶ調味料の便利帳
ハーブ&スパイス大事典










最終更新日 2018/01/04
公開日 2004/04/14














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