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山椒、木の芽の使い方とよく合う料理



実山椒、青山椒、木の芽の画像


はじめに



山椒は日本原産の香辛料の一つで、古くは縄文時代の土器にも山椒の実が付着していたほどです。日本人になじみの深い香辛料ですが、今回は山椒の使用部位や名称、味や香りの特徴についてみていき、木の芽、青山椒、実山椒、花山椒、辛皮の使い方とよく合う料理について解説します。

さらに山椒の歴史や山椒の雑学、山椒を購入する際のポイントなどについても解説します。






山椒の紹介



山椒の使用部位と原産地

ミカン科の樹高3メートルほどの落葉灌木(低木)で、茎、葉、花、実、樹皮のすべてが香辛料として使われます。他からの伝来ではなく、日本が原産の香辛料です。このほか中国も原産地の一つです。

山椒の呼び名

山椒は日本ではさんしょう、ハジカミと呼びますが、中国では山椒の赤い実が赤い花のように見えることから花椒(ホアジィアオ)と呼びます。下の画像が実山椒ですが、パカっと花が咲いたような形をしています。この実山椒を粉末にしたものが粉山椒です。このほかアニスペパー、四川ペパー、朝倉山椒、チャイニーズペパー、フラワーペパーなどとも呼ばれます。ペパーと付いていますが胡椒とはまったくの別物です。

花のように見える実山椒の画像

特徴解説
学名Zanthoxylum piperitum
名称Japanese pepper(英)、poivrier du japon(仏)、花椒(ホアジィアオ・中国)、山椒(さんしょう・日本)
原産地日本、中国
種類ミカン科の落葉灌木(かんぼく)
樹高100〜300
使う部位茎、葉、花、実、樹皮



山椒の特徴



山椒の味や香り

木のようなさわやかな香りとしびれるような刺激的な辛味があります。芳香成分のシトロネラールはレモン油にもよく似た香りがします。辛味成分サンショールは麻酔作用があるので舌がしびれるようなピリッとした辛味が特徴です。山椒・木の芽の味や香りについては山椒、木の芽の味や香りと効果・効能でも詳しく解説しています。

特徴解説
香り木のようなさわやかな香り
しびれるような刺激的な辛み

山椒の使う部位

日本で古くから使われていることもあって、山椒には部位ごとにそれぞれ名前があります。よく使われるのは実の部分である実山椒、青山椒です。青山椒は熟す前の青い実を指し、熟して赤茶色に変色したものを実山椒といいます。実山椒を粉にしたものが粉山椒です。日本では葉の部分である木の芽もよく使われます。このほか花の部分である花山椒、若枝の皮をつかう辛皮などもあります。各部位についてそれぞれ詳しく見て行くことにします。



木の芽の使い方とよく合う料理



木の芽

山椒の若葉を指す。ほのかな香りがただよう。山椒の葉は春先から初夏までが食べごろ。それを過ぎると香りも苦味もぐんと落ちる。味噌に合えたりてんぷらにしてもいい。主に薬味としてお吸い物やちらし寿司などに使われます。薬味とは料理に添えて、彩りと香りを加えるものです。木の芽は洗って水切りしたものを手のひらで叩いてから使うと香りがよくでます。

木の芽の画像2

木の芽をたたくとなぜ香りがよくでるのか

木の芽の香り成分である精油は葉の油室または油包と呼ばれる組織に含まれていて、たたくことでこの組織が壊され中の精油成分が外に出てくることで強い芳香を放つようになるわけです。

木の芽の保存方法

木の芽は湿らせたキッチンペーパーで挟んでビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。



青山椒の使い方



青山椒、実山椒

山椒の果実で未熟実は実が緑色をしていることから青山椒とも呼ばれます。熟して赤茶色になったものを実山椒または赤山椒、花椒といいます。実山椒は最も香りと辛味が強いです。青山椒は6月から7月ごろに出回り、実山椒は11月ごろに出回ります。実山椒は果皮をすりつぶして粉山椒として使います。ちなみに下の画像は青山椒です。

青山椒の画像


青山椒はシーズンに買って冷凍保存を

青山椒のシーズンは6〜7月で、この時期にはスーパーなどの店頭でも見かけることが多いです。青山椒はシーズンを過ぎると店頭ではほとんど見かけなくなります。青山椒はぬか床の材料としても使われますが、購入できるシーズンが限られているのでシーズンに買いだめして冷凍しておくといいです。まれに冷凍された青山椒が売られていることもあります。以下のリンクでは冷凍物の青山椒について紹介してます。

青山椒


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青山椒の下ごしらえ

青山椒は辛味やあくが強いので食べるときは下ごしらえが必要です。まずは青山椒から小枝を取り除きます。軸はそのままでも構いません。

山椒の古枝と軸

まず鍋にたっぷりの水を入れて青山椒を入れ、中火で10分ほど茹でます。

青山椒を下茹でする

茹でたらいったんざるに上げます。

次に再び水にさらして半日ほど置いておきます。途中何度か水は代えましょう。これでアクも抜け、強すぎる辛みもマイルドになります。

下茹でした青山椒を水にさらす

水にさらす時間はその後の用途や好みで変えてもいいです。辛みを残したいなら水につける時間をお好みで短くするといいです。実際に食べてみて好みの辛さかどうかを確認するといいでしょう。ぬか床などに加えて使う場合は風味づけと防腐効果が主な目的なので、水につける時間は10分程度と短くしましょう。直接山椒も食べる料理なら長めに水につけて辛みを抑えると食べやすいです。



青山椒のよく合う料理



青山椒を使った料理

青山椒はまずは上記で解説した通りゆでて下ごしらえしてから料理に使います。下ごしらえした青山椒は佃煮やみそ漬、ぬか床の材料などにしてよく食べられます。ちなみに下の画像は青山椒です。

ちりめん山椒の作り方

青山椒を使った料理であるちりめん山椒の作り方を紹介します。まずは鍋に酒、みりん、しょうゆを入れて一煮立ちさせ、ちりめんじゃこを加えて弱火で煮詰めます。煮汁が半分ほどになったら下ごしらえした青山椒をくわえて煮汁がなくなるまで煮詰めたら完成です。保存は冷蔵庫で2週間ほど可能です。

・ちりめんじゃこ … 200g
・実山椒 … カップ1/2
・しょうゆ … 75
・酒 … 125cc
・みりん … 35



実山椒、粉山椒の使い方



粉山椒の特徴

秋ごろになると山椒の実が十分に熟し、皮が2つに割れます。割れた皮の中には黒い種子が入っていますが、とても苦くて硬いので食べれません。使うのは割れた皮のほうです。皮は粉にして利用します。うなぎの蒲焼きにかけるのがこの粉山椒です。11月ごろが旬です。

山椒の果皮、果実、種子の画像

買うなら実山椒のホールを

実山椒は熟した実の状態(ホール)とそれをすりつぶした粉末状の2つのタイプが売られています。山椒の皮に含まれる香り成分のシトロネラールや辛み成分のサンショールは、皮からすりつぶした直後が最も香りや辛みが強く、時間の経過とともに香りや味を落ちていきます。長期保存するならホールの実山椒を買うことをお勧めします。

実山椒、花椒


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実山椒をミルを使って粉にする

それでは実際に実山椒をミルを使って粉末にしてみることにします。今回使うミルは以下の商品で、amazonや楽天でも人気の商品です。

京セラ セラミックミル ペッパー
京セラ(KYOCERA)

amazonで購入 楽天市場で購入

まずはミルの中に粉山椒をいれます。

ミルに山椒を入れる

あとは以下のつまみで粗さを調節して粉にしていきます。以下の画像は粗目に引いたものです。

粗挽きにした実山椒

下の画像のように細かく粉状にすりつぶすことも可能です。やはり挽き立ては香りや辛みも強いです。

粉山椒の画像



実山椒、粉山椒のよく合う料理



粉山椒のよく合う料理

粉山椒がよく合う料理といえばうなぎのかば焼きが代表的ですが、それ以外でも甘辛い味の料理にもよく合います。例えばきんぴらや照り焼き、すき焼き、焼き鳥などです。他にも貝類のみそ汁などにもよく合います。また油分の多い料理で使うとさっぱりとした仕上がりになります。

粉山椒と塩を合わせて使う

粉山椒と塩を合わせたものをからあげなどにかけてもおいしいです。後口がさっぱりとします。中国でも山椒と塩を混ぜた調味料である花椒塩がよく使われます。花椒塩は山椒大さじ2と岩塩大さじ3、ホワイトペパー小さじ1を混ぜ合わせて作ります。



花山椒、辛皮の使い方とよく合う料理



花山椒

4〜5月ごろに咲く黄色い花。酢づけなどにして食べる。

辛皮

若枝の皮。醤油や味噌漬けなどにして食べる。



山椒の種類ごとの使い方



強い香りと辛味は、料理の香り付けや辛味つけ、臭味けしなどに利用されます。山椒の葉(木の芽)は料理に添えたりてんぷらに、山椒の実は味噌煮や佃煮に、粉末はうなぎの蒲焼きなどにふりかけます。 山椒の特徴を使用部位、加工の仕方ごとに表にまとめると次のようになります。

名前使用部位用途
木の芽若葉3〜5月吸い物や和え物に添える、てんぷらなど
花山椒4〜5月酢漬けなど
実山椒6〜7月佃煮や味噌煮など
粉山椒実の果皮11月うなぎの蒲焼き、甘辛い味の料理、焼き鳥、みそ汁など





山椒の歴史



山椒の歴史

古名ではハジカミ(波士加美または波自加彌)と呼ばれ、その名は食べると刺激で顔がゆがむというところに由来します。山椒は日本の古い書籍にもたびたび登場していて、記紀(古事記と日本書紀の総称)の歌にも「椒(はじかみ)」の名は見られます。石器時代の貝塚からも山椒の種子が発見されていて、有史以前から日本で利用されていたといいます。日本の山野で普通に見られる香辛料です。

中国でも8世紀に皇帝がお茶に凝乳(ぎょうにゅう・牛乳に酸や酵素を加えて作る固形物)と山椒を入れてのんだとされる記録や、焼いたあひるを山椒と塩で味付けしたといった記録が残っています。

青山椒の画像

ハジカミの語源

山椒の実は未熟だと緑色をしていますが、初秋にかけて熟してくると暗褐色に変化します。熟した実は自然にはぜて、割れた実の中から黒い種子がでてきます。このように自然にはぜることからハジケルミが転じてハジケミ、ハジカミとなったというのがその名の由来です。ハジカミの名前にはもう一つ説があって、果皮の辛味がニラ(古名でカラミ)の様に辛かったことから、ハゼカラミが転じてハジカミになったという説です。



山椒の雑学



山椒は薬としても利用されてきた

まぶたの上にできものが出来たときに、その日の宵(日が暮れて暗くなったとき)にさんしょうの実を5粒そのまま丸呑みすると、翌朝にはできものが治っていたという言い伝えがあるように、山椒は昔から薬としても利用されてきました。代表的なのは正月のお屠蘇(おとそ)です。お屠蘇は邪気をはらうために飲む縁起物のお酒で、山椒やシナモン、桔梗(ききょう)、防風、白朮(ビャクジュツ)などが加えられています。この配合は中国の魏の名医華陀の処方によるものだといわれています。

山椒に含まれるサンショールには食欲増進や基礎代謝上昇といった効果があります。

山椒は小粒でぴりりと辛いとは

ことわざに「山椒は小粒でぴりりと辛い」というのがありますが、これは山椒の実のように体の小さなものでも、ピリッとした辛さのように気性の鋭さと才能を持ち合わせた人物であるので、侮ってはいけないという例えです。

山椒の実がなるのは雌株

山椒には雌株と雄株がありますが、実がなるのは雌株です。ただし近くに雄株がないと結実は難しくなります。そのため山椒を育てて実を利用したいなら、雌雄両方の株を植える必要があります。



山椒を購入するなら



山椒を扱う大手メーカー

粉山椒や、実山椒、青山椒、木の芽はスーパーなどでも市販されていて、ネットでの購入も可能です。メーカーはマコーミックやGABAN、S&Bのものが多いです。マコーミックはアメリカの大手スパイスメーカーで、日本ではユウキ食品が製造・販売を行っています。GABANは大手食品メーカーのハウス食品のブランドで、S&Bはエスビー食品のブランドです。

山椒の商品一覧



まとめ



山椒は実だけでなく葉や花も使います。山椒の葉は木の芽とも呼ばれます。山椒のほのかな香りが特徴で、お吸い物やてんぷらなどにして使われます。

山椒の実は未熟なものは青山椒と呼ばれ、6〜7月ごろ市場に出回ります。逆にシーズン以外は冷凍もの以外はほとんど目にすることはありません。青山椒は佃煮や煮物料理、ぬか床の材料として使われます。

熟した山椒は実山椒、赤山椒と呼ばれ、香りや辛みは最も強いです。種に粉末にして使われます。粉山椒はウナギのかば焼きにかけたり、からあげやきんぴら、すき焼き、焼き鳥などにかけて使われます。





※参考書籍
スパイスのサイエンス スパイスを科学で使いこなす!
スパイス完全ガイド
材料の下ごしらえ百科
食材図典 生鮮食材篇
からだにおいしい 野菜の便利帳
もっとからだにおいしい 野菜の便利帳
素材よろこぶ調味料の便利帳
クロワッサン特別編集 昔ながらの暮らしの知恵。
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最終更新日 2018/07/13
公開日 2004/08/16



















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