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ホワイトペッパー、白胡椒の味や香りと効果・効能



ホワイトペッパー、白胡椒のホール


はじめに



ホワイトペッパーはブラックペッパーと同じ胡椒の実を生成したものですが、皮をはいで乾燥するのでその見た目は白くなります。今回はこのホワイトペッパーについて生成法や名前の由来を解説し、その味や香りの特徴を紹介します。さらにホール(粒)のホワイトペッパーと粉末のホワイトペッパーの香りの違いなども取り上げます。

またホワイトペッパーを料理で使う際の効果や効能、薬効としてのホワイトペッパーの働きなどについても解説します。






ホワイトペッパーの紹介



ホワイトペッパーとは

ペパーは「ピペル・ニグルム」という種類の胡椒科の熱帯常緑つる植物で、その果実を利用します。ホワイトペッパーは赤くなって熟した果実、または黒ずんできた完熟果を摘み取り、水につけてふやけた外皮をはがした後天日で干します。

乾燥させると重さは4分の1ほどになります。外皮をはがすという工程があり、取れる量も若干少なくなるので、ブラックペッパーよりも価格は割高です。

ペパー名前の由来

ペパーの名前の由来はペパーの近縁種であるロングペッパーのサンスクリット語である「pippali(ピッパリ)」から来ています。通常の呼称は丸い形状ですが、ロングペッパーはその名の通り細長い形状をしています。

ちなみに下の画像はロングペッパーとブラックペッパーとホワイトペッパーです。ロングペッパーについてはロングペッパー、ひはつの使い方、味や香りと効能でも詳しく解説しています。

ロングペッパーとブラックペッパーとホワイトペッパー

胡椒の名前の由来

ペパーは中国へは漢の時代に西からシルクロードを経て入ってきました。このことから胡(西城のことで、外国を意味する)と椒(山椒のように刺激のあるもの)を合わせて胡椒と呼ばれるようになりました。日本に入ってきたのは奈良時代で、当初から胡椒と呼ばれていました。

特徴解説
学名Piper nigrum
名称ブラックペッパー(英)、黒胡椒(日本)
語源pippali(長こしょう)
原産地インド南部マラバル海岸の熱帯雨林
種類こしょう科の熱帯常緑ツル植物
使う部位



ホワイトペッパーの味と香りの特徴



ホワイトペッパーの香り

ホワイトペッパーはさわやかで刺激的な、辛みも混じった木のような香りが特徴ですが、ブラックペッパーに比べると穏やかな香りです。これは香り成分の多くは皮の部分に含まれていて、ホワイトペッパーではその皮の部分を精製の際はいでしまうからです。

なお香りを料理で生かしたいなら料理の最後の方か、食卓に出す直前で加えるといいでしょう。これはホワイトペッパーの香りは加熱により飛びやすいからです。香りは粒よりも引いたものの方がつよいので、煮込み料理には粒を使い、香りをつけたい場合は最後に粉末をかけるといいでしょう。

ホワイトペッパーの味

ホワイトペッパーはブラックペッパーに比べるとマイルドな辛みなのが特徴です。これは辛み成分であるピペリンとシャビシンは未熟果に多く含まれていて、未熟果を使うブラックペッパーに対して、ホワイトペッパーは完熟果を使うのでその分辛みも穏やかになります。



粒こしょうの味と香りの特徴



挽き立ては香りが強い

ホワイトペッパーは粒こしょうの除隊、粗挽きの状態、粉こしょうの3つのタイプが市販されています。用途に合わせて選ぶといいでしょう。こしょうの香り成分は揮発性が高いので、粒から引き立てた際が最も香りがいいです。ペパーステーキなど香りを生かした料理に使うなら粒こしょうを購入しておき、料理の都度挽いて使うといいでしょう。

粉末にしたホワイトペッパー

粒こしょうをそのまま使うなら

粒こしょうをそのまま使うならマリネやピクルス、スープストックやだし汁、煮物、汁物など、煮汁や油脂分に香りや辛みが溶けだすものに使うといいです。



粉末こしょうの味と香りの特徴



粉末は味や香りが穏やか

ホワイトペッパーの粉末タイプは引き立てに比べて辛みや香りは穏やかです。粉末タイプなので香りは飛びやすくなっています。そのまま料理にかけるだけで使えるので一から挽く手間は省けます。魚料理や肉料理にかけたり、料理の味付けなどに使います。

粗挽きこしょうの使い方

あらびきこしょうは粒こしょうと粉末こしょうの中間のような味や香りです。香りはやや飛びやすく、味や香りは粉末よりはありますが粒こしょうの引き立てほどではありません。



粒のホワイトペッパーの挽き方



ホワイトペッパーを挽いてみる

それでは粒のホワイトペッパーを実際にミルを使って挽いてみることにしましょう。使ったミルは以下の商品です。

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まずはミルに粒のホワイトペッパーをいれます。

ミルにホワイトペッパーを入れる

つぎに挽き具合を粗挽きに調整して粒を挽いてみます。以下は粗挽きにしたホワイトペッパーです。

粗挽きしたホワイトペッパー

つぎはさらに細かく粉末になるように調整して挽いてみます。すると以下の画像のような仕上がりになります。

粉末にしたホワイトペッパー

鍋の上で直接挽かない

ホワイトペッパーは沸騰した鍋の上で引くと蒸気により変質しやすいので、皿の上で挽いてからそれを加えるようにしましょう。



ホワイトペッパーの効果、効能



ホワイトペッパーの主な効能

ホワイトペッパーはお腹のはりに効く効果や利尿効果などがあります。この他抗酸化作用や抗炎症作用、殺菌作用も知られています。

ピペリンの効能

ホワイトペッパーに含まれるピペリンにはがん予防効果が期待されており、他にも記憶障害や認知障害を緩和する効果があるという報告もあります。



ホワイトペッパーの料理での効果、効能



白のまま仕上げる

ホワイトペッパーはブラックペッパーと比べて味が穏やかなので、白身魚や鶏肉、卵など比較的淡白な料理で使います。また牛乳やクリームを使った白く仕上げたい料理(ホワイトシチューやホワイトソース)などにも使います。

料理の風味づけに

ホワイトペッパーはこの他肉料理やさなか料理、野菜料理、シチュー、スープ、オムレツなどに加えて料理の風味づけに利用します。ホワイトペッパーによく合う料理や使い方についてはホワイトペッパー、白胡椒の使い方とよく合う料理でも詳しく解説しています。





ホワイトペッパーの歴史



インド南部が原産

ペパーの原産地はインド南部マラバル海岸の熱帯雨林で、現在ではインド、インドネシア(スマトラ)、マレーシア(サワラク)、ブラジルが主な生産地となっています。

インド南部から地中海へと伝来

もともと原産地でも最初に広まったのはロングペッパーで、次いでペパーが広まっていきました。紀元前5世紀ごろには地中海へもアラブ人やフェニキア人によってまず最初にロングペッパーが伝わり、次いでペパーが広がっていきました。その歴史は古く紀元前4世紀のギリシャの哲学者の記述にもすでにロングペッパーとブラックペッパーのことが記載されています。1世紀のローマではロングペッパーにブラックペッパーの4倍の値段がつけられていたといいます。176年にローマ帝国はロングペッパーとホワイトペッパーに高い関税をかけています。

かつては金と同等の価値が

かつて西洋ではペパーは非常に高価なものとして扱われ、金と同等の価値として交換されていたほどです。ペパーはスパイス貿易の主要な産品で、西洋と東洋で通貨の代わりとしても用いられてきました。中世ヨーロッパ時代にもその価値は相変わらず高く、地代や持参金、税金としても取り扱われてきました。



ホワイトペッパーを購入するなら



ホワイトペッパーのブランド

ホワイトペッパーはスーパーなどでも販売されていて、割と購入しやすいです。ホールや粗挽き、粉末などの種類があります。ホワイトペッパーで有名なブランドはマコーミックやGABAN、S&Bなどです。マコーミックはアメリカのナンバーワンのスパイスメーカーです。GABANは大手食品メーカーハウス食品のブランドで、S&Bはヱスビー食品のブランドです。ネットからも購入は可能です。

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ミルつきが便利

ホワイトペッパーはミルつきの商品も販売されています。ホールを購入する際ミルがあると使うたびにその都度挽いて香りを楽しむことができます。

ミルつきのミックスペパー

専用のミルも

ミルつきの商品だと作りが簡素で挽く細かさまでは調整できません。細かく粉砕したいなら専用のミルがあると便利です。こちらは挽き加減を調節でき、粗挽きにも粉末にも調整が可能です。価格もそれほど高いものではないので、1個持っていてもいいかもしれません。

スパイスミルの画像

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まとめ



ホワイトペッパーは香り成分の多い皮をはいで乾燥させるので、ブラックペッパーに比べると香りは穏やかです。また辛みが強い未熟果ではなく完熟果を使うので辛みもマイルドです。このため白身魚や鶏肉料理など比較的淡白な料理で使われます。またシチューやホワイトソースなど白く仕上げたい料理にも使われます。

ホワイトペッパーは粗挽きや粉末にした方が香りは強いですが、揮発しやすく熱にも変性しやすいので、香りを生かしたいなら料理に加えるのは最後の方にした方がいいでしょう。

ホワイトペッパーには臭み消しや香りつけなどの効果があります。また薬効として抗酸化作用や抗炎症作用、殺菌作用もあります。


※参考書籍
スパイス完全ガイド
スパイスのサイエンス スパイスを科学で使いこなす
食材図典 生鮮食材篇
素材よろこぶ調味料の便利帳
調理以前の料理の常識2
ハーブ&スパイス大事典
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生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋と申します。料理研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。

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公開日 2018/04/25






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