ゆで卵のコツ | ||
ゆで卵の失敗例
ゆで卵を作るときの失敗例といえばなんでしょうか。「殻にひびが入って中身が出る」「黄身が端に寄る」「黄身が変色する」などが上げられるでしょう。特に注意しなくても上手にできてしまうことも多いかと思いますが、どうせなら失敗する理由も知っておいて損はありません。もちろん何度やってもうまくいかない方はぜひ参考にされてみてください。
卵の構造
たまごは主に卵殻、卵殻膜、卵白、卵黄から構成されます。卵黄から伸びる白い部分はカラザと呼ばれ主に卵黄を中央に固定する働きをします。カラザは食べても問題ありませんので、わざわざ箸で取らなくてもかまいません。
卵選びから
卵は産みたてのものよりも、3〜7日立ったものの方がゆで卵には向いています。産みたての卵には炭酸ガスが多く含まれていてそれが時間の経過と共に抜けていくからです。産みたての卵でゆで卵を作ると炭酸ガスのせいで白身がパサパサとした感じになります。 また炭酸ガスが多いとpH値も低くなります。そうすると加熱時に卵白と薄皮がくっつきやすくなるのでゆで卵の皮をむくときにもむきにくくなります。炭酸ガスが抜けpH値も高くなれば卵白と薄皮の結びつきも弱くなるので皮も向き安くなるというわけです。産みたての卵は実はゆで卵にはあまりむかないのです。 卵の鮮度の見分け方
卵は比較的簡単に鮮度を見分けることができます。光に照らしてみて透き通っていれば新鮮です。鮮度が落ちてくるほど黒ずんで不透明になっていきます。また水につけてチェックする方法もあります。新鮮な卵は横になって沈んでいますが、日数が経過してくるほど丸みを帯びた部分から持ち上がっていきます。3週間以上過ぎてかなり古いものだと浮かび上がってきます。 ちなみに水につけてチェックする場合はその後の卵の痛みも早くなるのでなるべくすぐに使い切るようにしましょう。卵の鮮度の見分け方については卵の鮮度の見分け方、新しい卵と古い卵を割らずに見分ける方法で解説しています。 殻割れを予防する
物体は温度の急激な変化にはもろいものです。卵の殻も例外ではなく冷蔵庫から取り出して冷え切った卵を急に熱湯に入れてゆでれば卵の殻もひび割れしやすくなるというものです。したがってまずは冷蔵庫から取り出した卵をしばらく置いておくか水に10分ほどつけておきます。ゆでる際も十分に卵がかぶる程度に水を入れ水から湯であげます。それでももし万が一ひび割れて白身が飛び出してきた場合は、塩かお酢を少々加えてやると、飛びでた白身も固まりそれ以上の流出を防いでくれます。
黄身のゆで具合を調整する
ゆで卵は卵白から先に固まり続いて卵黄が固まりはじめます。卵黄の固まり具合を調節したい時は沸騰してからの時間が大切です。沸騰したら中火に火を弱めて後はゆで時間の調節しだいで黄身のゆで具合も変わってきます。以下にゆでた時間と卵白・卵黄のゆで具合の変化を表にしました。なお半熟で仕上たい場合はゆでた後さっと冷水で冷やすことを忘れずに。そうしないと余熱で中まで火が通ってしまいます。
黄身を中心に
中心に黄身があるゆで卵は切った時の見た目もきれいですし、食べ始めから終わりまで白身→黄身→白身とちょうどいいバランスで食べられます。黄身が端によってしまった卵を食べたときってなんかがっかりしませんか。そこでここでは黄身を中心に収める方法を紹介します。やり方は簡単でときどき菜箸で卵同士が割れない程度にごろごろと転がしてやるだけです。白身が大体固まるのが沸騰してから3〜4分ほどですのでその間ときどき転がしてやるといいでしょう。こうすることにより遠心力で黄身は中心に収まります。あとほかにも卵のとがった部分を下にしておちょこにいれてゆでると言った方法もあるようです。卵を固定する事でゆでる際に卵が傾かずにすみ黄身の位置の変化が防げるというのが理由として考えられます。
黄身の変色を防ぐ
ゆで卵の黄身が暗緑色に変色してしまったと言った経験がある方もいるかと思います。これはゆで卵を15分以上ゆでていると起こる現象です。卵白に含まれるたんぱく質に含まれる硫黄を含んだアミノ酸が長時間の加熱により分解されて硫化水素が発生し、これが卵黄に含まれる鉄と反応して硫化鉄が発生するので見た目に暗緑色にみえてしまうのです。これを防ぐにはまずはゆですぎないことと、ゆでた後はすぐに冷水に入れて冷ますことです。すぐに冷ませばこれ以上の熱に寄る分解を抑え硫化水素の発生を抑えることが出来ます。ただ変色した卵を食べても特に問題はありません。
殻むきのポイント
ゆで卵の殻むきのポイントは流水にさらしながらもしくは水につけて殻をむくことです。こうする事で膨張した中身が収縮して隙間ができ、その隙間にも水が入っていくのでつるりとむくことが出来ます。
※ 参考文献 科学的に正しい料理のコツ 料理の裏ワザ便利帳 調理以前の料理の常識 プロが教える食材の裏ワザ 基本の和食 なるほどなっとく!おいしい料理には科学がある大事典
調理のコツ一覧
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