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ガムテープ跡の取り方、はがし方



ガムテープの画像


はじめに


ガムテープは綺麗にはがそうと思っても跡が残りやすいものです。また貼ってから時間のたったものだとはがすのも大変です。そこで今回はガムテープの構造や仕組みについて解説し、ガムテープが時間とともにどのように変化するのかをみていきます。そしてガムテープを綺麗にはがす方法をガムテープの粘着剤がまだ柔らかい段階、固形化した段階などに分けて、詳しく解説していきます。





シールの構造や仕組みについて


テープの構造

まずはガムテープのはがし方を見る前にそもそもテープとはどのような構造になっているのかを解説します。テープは基材と粘着剤という2つの層から成り立ちます。これはガムテームも同じです。この粘着剤が対象物とくっついてテープの働きをします。

粘着剤には粘弾性があり、はがすときに以下の画像のように伸びながらはがれていきます。ゆっくりとはがせばきれいにまとまって取れますが、勢いよくはがすと途中でちぎれてしまい、対象物の方にも粘着剤が残ってしまいます。テープを上手にはがしたいなら、ゆっくりとはがすことが大事です。

テープがくっつく仕組み

テープがくっつく仕組みをもう少し詳しく見ていきたいと思います。通常物質と物質とが接するとくっつこうとする力が働きます。これを分子間力といいます。シールはこの仕組みを利用したもので、シールね粘着部が対象物の凸凹に入り込むことで、隙間がなくなり分子間力が働いて接着されるのです。

濡れた紙を貼り付けるとぴったりとくっつきますが、しばらくすると剥がれます。これは水が流れ落ちるからです。シールは粘着性がありその場にとどまるので分子間力を維持することができます。


粘着剤の状態によってはがし方が異なる


ガムテープの粘着剤も当初は粘弾性を持っていますが、時間の経過とともに熱や紫外線の影響で粘弾性から徐々に流動化してべとべとになります。古いガムテープを使うと粘着面がべとべとしているものがありますが、粘着剤が劣化してきている証拠です。さらにするむと固形化します。そして最終的には粉状になって風化します。

シールの粘着剤の劣化の流れ

一重にガムテープをはがすと言ってもガムテープの粘着剤がどのような状態にあるかで対処法も変わってきます。そこでまずはまだ粘弾性が残っている場合のはがし方から紹介します。


粘弾性のあるガムテープのはがし方


はじめに

貼ってからそれほど日がたっておらずまだガムテープの粘着剤に粘弾性がある場合の対処法を紹介します。まずは粘着剤 が裂けないようにゆっくりとはがすことが大事です。他にもドライヤーで温めるのも効果的です。

ドライヤーで温める

まずはガムテープの角を少しだけはがします。そこにドライヤーを当てて粘着剤を温めます。粘着剤は温度が上がるほど接着力が弱まるのではがしやすくなります。

ドライヤーで温めてシールをはがす

それでは実際にダンボールに貼ったガムテープでドライヤーの効果を検証してみることにします。まずはドライヤーをかけずにそのままの状態ではがしてみます。ダンボールは素材がはがれやすく、粘着力の強いガムテープでは、はがすときに一緒にダンボールまではがれてしまうこともよくあります。

ガムテープをはがしてダンボールまではがれる

そこでガムテープをドライヤーで温めてみます。温めることで粘着剤の粘着性が緩む効果が期待できます。

ガムテープをドライヤーで温める

それで実際にガムテープをはがしてみたところ綺麗にはがすことができました。ガムテープを触った感触でもわかりますが、粘着剤が温められて緩んできて、粘着力が落ちているのがわかります。実際触ったときも何度も貼ったり、はがしたりを繰り返してだんだんと粘着力がなくなってきたシールのような感じになります。ドライヤーで温めただけですが、意外にも結構効果があることが実感できました。

ガムテープを綺麗にはがせる


布製よりもダンボールがはがれやすい紙製のガムテープでも同様に試してみました。まずは通常通り剥がすと以下のようにダンボールがはがれてしまいました。

紙製ガムテープを剥がしてダンボールまではがれる

布製のガムテープと同じようにドライヤーで温めました。

紙製ガムテープをドライヤーで温める

するとダンボールもはがれず、綺麗にはがすことができました。

紙製ガムテープを綺麗にはがせる


シールはがし剤ではがす


はじめに

ドライヤーで温めただけでは取れなさそうなシールの場合は専用のシールはがし剤か除光液、中性洗剤、お酢などを使います。後述しますが効果はシールはがし剤が最も強くて除光液、中性洗剤、お酢の順に効果は弱まります。まずはシールはがし剤を除光液を使ってみて実際にシールがはがせるかどうかを試してみます。プラスチック製品や木製のものではシールはがし剤や除光液では、素材を痛めたり脱色する恐れがあるので仕様は避けましょう。

シールをはがす効果を比較

使うシールはがし剤は?

大きなホームセンターなどに行くと専用のシールはがし剤を置いているところもあります。今回の調査では3M スプレー クリーナー30を使用しました。

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専用のヘラもあると便利

シールをはがすうえでほしいのがヘラです。ヘラがあるとシールをはがすのが楽になるので1つは欲しいところです。金属製のヘラも多いのですが、素材によっては傷などもつきやすいので今回はカーボン製のヘラを使うことにします。こちらは持ってみても軽く、また値段も200〜300円からとお手頃なものが多いです。今回使用したのは以下のヘラです。

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シールはがし剤を実際に使ってみる

それでは実際にシールはがし剤を使ってガムテープをはがしてみることにします。今回はガムテープではなく通常のシールで試していますが、ガムテープでもやり方は同じです。まずはお皿に貼ってあるシールをはがしてみましょう。

シールを貼った皿

シールはがし剤を塗る前にまずはシール表面にカッターで数本切れ目を入れておきます。こうすることで中にまでシールはがし剤が浸透しやすくなります。カッターは下の素材まで傷をつけないように慎重に行ってください。

シールにカッターで切れ目を入れる

以下が切れ目を入れた画像です。わかりにくいかもしれませんが数本の切れ目を入れています。

切れ目の入ったシール

この上からシールはがし剤を添付していきます。この状態で3分ほど待ちます。今回は余裕をもって5分置いておきました。

シールにシールはがし剤を添付

時間を置いた後はへらを使ってシールをはがします。ヘラで簡単にぺろりとシールをはがすことができました。ほとんど粘着力も感じずにぺろりとめくれたのには驚きです。さすが専用とうたっているだけのことはあります。

シールをヘラでぺろりとめくる

最後に溶剤を雑巾やウェス(布切れ)、キッチンタオルなどで拭きとってよく洗って終わりです。

シールを綺麗に剥いだ皿


除光液ではがす


次にシールはがし剤と同様有機溶剤の一つである除光液を使ってシールをはがしてみることにします。除光液はマニキュアなどを落とす際に使うものです。今回もガムテープではなく皿に貼ったシールで実験します。

シールを貼った皿その2

まずはシール表面にカッターで切れ目を入れておきます。そしてその上から除光液を添付して10分ほど置いておきます。

除光液を添付したシール

時間がたって除光液が浸透したら、ヘラを使ってシールをはがしていきます。意外だったのがシールはがし剤の時のようにぺろりとはいかなかったことです。はがしやすくはなっていましたが、粘着剤の粘着性がまだあり、多少慎重にやらないとシールが破れてしまいそうではありました。

除光液を添付したシールをヘラではがす

シールはがし剤ほど簡単にぺろりとははがせませんでしたが、それでもシールは綺麗にはがすことができました。あとは除光液を雑巾やウェスなどで拭いてよく洗って終わりです。

シールを取ってよく洗った皿


中性洗剤でガムテープをはがす


素材へのダメージが気になるなら

シールはがし剤や除光液はシールをはがす効果は高いのですが、樹脂やプラスチック、木製の素材だと素材自体にダメージを与えかねないので使うのは避けた方がいいです。こうした素材の場合は中性洗剤やお酢などを試してみるのもいいです。

中性洗剤の効果

中性洗剤には界面活性剤が含まれていて、これが粘着剤に入り込み隙間を作ってガムテープをはがれやすくします。やり方は中性洗剤を上から塗ってラップをし、10〜20分ほど待ってからラップを取り、はがします。こちらもガムテープが撥水加工されているものだと中まで浸透しないのであまり効果はありません。

中性洗剤を塗ってシールをはがす

中性洗剤を使ってみる

それでは実際に中性洗剤を使ってガムテープをはがしてみます。今回も試すのはガムテープではなくシールですが、ガムテープでも手順は同じです。今回使用するのは樹脂製のバンブー食器です。

シールを貼ったバンブー食器

まずはシール表面にカッターで数本の切れ目を入れ、その上から中性洗剤を塗ってさらにラップをかけます。そしてこのまま10分ほど置いておきます。

シールに中性洗剤を添付してラップをかける

以下の画像は10分置いておいた物です。

中性洗剤を添付して10分置いたもの

次にヘラを使ってシールを剥いでいきます。シールはがし剤や除光液のようにサクサクっとヘラが入っていって、ぺろりとはがれる感じではありませんが、慎重にヘラを進めていくことで綺麗にはがすことはできます。

中性洗剤を添付したシールをはがす

シールをはがすと以下のようになります。少しシールが残っているように見えますが、光が反射しているもので、実際は綺麗にシールは剥がれました。

シールをはがした跡


お酢でガムテープをはがす


お酢の効果

中性洗剤とともにお酢もシールはがしには効果的だという話もあるので実際に試してみることにします。その効果はお酢に含まれる酸が粘着部を溶かしてはがれやすくするというものです。やり方はガムテープの上にお酢を塗り、その上にラップをかけておきます。

お酢を使ってみる

それでは実際にお酢を使ってガムテープをはがしてみることにします。今回も使うのは樹脂製のバンブー食器に貼ったシールですが、ガムテープの場合でも手順は同じです。まずはシールにカッターで切れ込みを入れ、その上にお酢を塗ってラップをしておきます。

シールにお酢を添付しラップをかける

以下はそれを10分置いた置いたものです。

シールにお酢を塗って10分置いたもの

そのあとラップを取ってヘラでシールをはがします。シールの粘着性はまだまだ残っており、慎重にやらないとシールが破けてしまいそうでしたが、何とかシールを綺麗に剥ぎ取ることができました。中性洗剤よりもシールをはがす効果は弱い感じです。中性洗剤があるならそちらの方がいいでしょう。

お酢を添付したシールをはがす


粘着剤が残ってしまったら


ガムテープを丸めて移しとる

ガムテープをはがしてみたはいいもののところどころ粘着剤が残ってしまうこともよくあります。爪を使ってもなかなかきれいに取り除きにくいものです。そんな時は丸めたガムテープをくっつけては離しを繰り返してみるといいです。ガムテープに残ったシールの粘着剤が絡み取られていきます。これだけで綺麗にガムテープ跡を取れることも多いです。

丸めたガムテープでシールをくっつけて取る

溶剤で粘着剤を溶かす

丸めたガムテープを使ってもはがれないしつこいシールには溶剤を使います。溶剤を使う前にはなるべくガムテープの基材の部分をパレットナイフなどではがしておくと、溶剤が浸透しやすいです。パレットナイフは料理でクリームを塗ったり、絵画で絵の具を塗ったりするのに使うものです。

パレットナイフで基材を削り取る

使う溶剤は?

溶剤には対象の塗装への影響の少ない市販のシールはがし剤(とってもクリーナーなど)科灯油が適切です。それでも心配な場合は目立たない部分ににってみ色落ちしないか確認してからでもいいです。除光液も使えますが、素材へのダメージが強いので、こちらもまずは目立たないところで確認した方がいいです。

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粘着剤は中央に寄せてからめとる

溶剤で溶かした粘着剤は、同じ溶剤を染み込ませたウェス(汚れふき取り用の布切れ)で拭きとります。粘着剤は溶剤で溶かしてもゼラチン状になるだけで、なかなかウェスには移りません。そこでウェスで粘着剤を中央に寄せるように拭いていき、最後絡めとります。ウェスの拭く面が汚くなってきたら、たたみなおして綺麗な面にして拭いていきます。

仕上げに液体カーワックス

溶剤をふき取った後にべとべとが残ったなら最後は液体カーワックスを使って拭きとるといいです。液体カーワックスには研磨剤、ロウ、界面活性剤、灯油が含まれていて、残った粘着剤の粘弾性を細分し、ふき取りやすい混濁液へと変えてくれます。最初からガムテープの基材がはがれ、粘着剤のみが残っている場合は、溶剤で溶かす作業は省略し、最初から液体カーワックスで拭いてもいいです。



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粘着剤が固形化した場合


ガムテープの粘着剤が固形化した場合は溶剤で溶かして取るのは難しいです。この場合は紙やすりを使って削り取っていきます。当て木に240番の紙やすりをまいて、対象の素材を触れないように慎重に研いでいきます。水でぬらせる場合は水研ぎが効果的です。粘着剤の固形層が薄くなってきたら400番の紙やすりに変えて研いでいき、素材が薄く見えて来たらコンパウンド(研磨剤)をウェスにつけて、磨いて終了です。

固形化したシール跡の削り方

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※ 参考文献
住まい汚れスッキリ解消術
科学的に正しい暮らしのコツ


最終更新日 2019/10/14
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この記事を書いた人

生活知恵袋

生活知恵袋

生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋といいます。料理雑学研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。

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